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濁った瞳のリリアンヌ  作者: 天界
第一部 第2章 2年目 前編 1歳
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17,妖精と理論の実証と

それは理論とは言わないとか、検証方法どうなのよとか

そういうのはスルーしてください


 生後17ヶ月が過ぎた。




 魔力(仮)の正式名称が判明し、 " 魔力 " と呼ぶことにした。

 (仮)が取れただけだけどね。


 異世界という期待を込めて名づけた仮の名称だったが、まさかドンピシャだったとは驚いた。


 クティの存在や自分の " 魔力 " などから、異世界ではないかと薄々思ってはいたのだが。

 それでもまだ生前の世界で、自分が知らなかった世界の不思議でも目の当たりにしてるんじゃないかという思いも拭い切れずにいた。


 なので発音と意味が生前の自分の住んでいた国で使われていたのと、同じだったのが気になるけれど、生前の国で使われていた " 魔力 " とはゲームの中だけの言葉だったし、実際に " 魔力が存在する " 今生とではやはり違う。

 思い過ごしだとは思うが、気になるものは気になる。



 とはいっても、現状ではクティに聞くか、魔力に関しての本を読んでもらうかくらいしか調べる方法が無い。

 ほとんどの知識はクティと本経由でしかないのだから。


 魔力に関しての本は、朗読者の本を選ぶ傾向がまったく当てはまらない為、望み薄。

 そもそもあるのかどうかさえ不明だ。

 クティに聞くのは、すでに実行したのだが、 " 魔力 " は " 魔力 " という名前の意味なんて知らないという返事だった。


 結果として現状では調べることすらままならないという結論に達してしまった。

 この辺も棚上げして、何かしらの解決策が出てくるまで埃を被っていてもらうことにした。


 そういえば、文字の勉強ばかりしていてそれほど気にしていなかったのだが、クレアが部屋に来る回数が極端に減っていた。


 別に母親が恋しいとは思わなかったが、仕事が忙しくなってきたのかな?程度には思っている。

 3日に2日は部屋にいたのに、ここ最近では7日に1日か2日とアレクに似たペースになっている。



 お偉いさんは大変だぁねぇ、と適当に片付けておいた。



 文字の勉強の方が大事だったのもあるが、常にエナかテオかエリーがいたし、クレアがいなくても特にさびしくもなく、問題もなかった。

 当然アレクなんてたまにくる親戚のおじちゃんくらいに、自分の中の格付けも下がっていたし。



 クティとの文字の勉強は現在、朗読中の文章を適度にクティが書き出し読み上げて、わからない単語や文章構成なんかを随時聞くといった感じで進行している。

 もう、朗読を一時中断させたりしないで、ハイペースで進んでいる。

 このペースなら文字の勉強も長時間する必要もないんじゃないかと思うくらいだ。


 それでもわからない単語がたまに出てくるし、文章構成も熟語的な感じで意味合いが変わったりする場合なんかは教えてもらわないといけない。

 なのでまだまだ覚えることはありそうだ。







  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆







 今日の朗読者はエリーだったが、ちょうど区切りがついたので休憩中だ。


 自分の体重も順調に増加してきたようで、7歳のエリーでは持ち上げるのも難儀している。

 9歳のテオはまだまだいけそうだ。


 そろそろ10kgくらいにはなっているだろうけど、体重計らしきものもないしよくわからない。


 そんな感じなので、最近はエリーは高い高いがかなりしんどそうで、危ないのでエナに禁止されてしまった。

 抱っこしているのだって結構大変そうなのだ。


 なので、基本的には座らせたり立たせたりしてお相手してもらっている。



「はいリリーあんよが上手あんよが上手~」



 お姉ちゃんよ、あたしゃーもうバランスとらんでも歩けるんだぜ?なめてもらっては困るのだよ。



 心の中ではそう言いつつも、エリーに手を取ってもらい歩行訓練をしている。

 バランスを取ってもらうことなくとも、歩くことはできる。

 でも、エリーの気持ちを無碍にすることもないし、何よりアレクの誕生日会でやらかしてしまった分を取り返さないといけないので、体の成長くらいは普通以下くらいに見られるようにしておきたかった。



 朗読以外でも兄姉とのスキンシップはとにかく多い。

 抱きしめる、キスするは当たり前。

 運動なんかはバランスを取るために手を繋ぐのは当然として、手取り足取りを地で行くのだ。


 それを楽しそうに嬉しそうにやるんだから、若干うざくなっても振り払うような真似はしない。

 一種の諦観に似たようなもので、最近はやり過ごしている。


 まぁなんだかんだで、自分はこの兄姉のことが大好きだから仕方ない。







  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆







 クティは " 濁った瞳 " のことを知っていたので、もしかしたら任務で捜索しているときに " 濁った瞳 " に罹った人達に会ったことがあるのではと思い聞いてみた。



「ここ100年くらいで3人くらい白い濁った瞳の人を見たことがあるよ。

 でも、その3人全員が私を見つけることはなかったし、魔力についても知ってるとは思えなかったなぁ」



  " 濁った瞳 " だと教えた時の彼女の言動からして、そうではないかと思ってはいたが実際聞くとちょっとがっかりだな。



 詰まる所、 " 濁った瞳 " という病気自体には、魔力を見ることができるという副作用はないということだろう。


  " 魔力を見れる " 現象と " 濁った瞳 " には関係性がない、と一応結論付けておく。


 一応なのは、結論の根拠がクティのみだからだ。

 何にしても情報不足なのは否めない。


 埃を被らせておく案件がどんどん増えるのはもう、仕方ないことなのかもしれない。

 せいぜい忘れないで、時が来たら埃を払って綺麗に整理していきたいと思う。







  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆







 文字の勉強も大分落ち着いてきた。


 魔力の訓練は文字を書き出すことと、寝る前に圧縮した魔力を大量放出して総量の増加だけはやっていた。

 それ以外はほとんどやっていない。


 なのでそろそろ魔力の訓練の方に比重を戻そうかと思い、考えていた理論を実証してみることにした。



 その理論とは



  " 切り離した魔力は体の一部として認識されるかどうか "



 実証方法は比較的簡単だ。



  " クティの声を聞こえるかどうか "



 クティの声を聞く方法は

 ・クティの体の一部を自分の耳に接触させた状態にする。

 ・クティの魔力……クティの場合は精霊力か……を耳に接触させた状態にする。

 ・自分の耳を魔力で強化する。


 クティは自身の精霊力を使う場合、切り離したりすることはなかった。

 こちらが文字を書き出す場合には、消費を意識しているのもあるが、必ず切り離して放出している。


 制御難易度や消費の問題などからも、切り離さないほうが楽なのだが、切り離しできる方が拡張性があがる。

 まぁ拡張性が上がるとは言っても、制御の多少の違い以外は具体的なことは現状で何ができるというわけでもなく、あまりないのが悲しいところか。


 その多少の制御の違いなんかが、今回の理論を検証したい理由の一つでもある。

 精霊力と魔力がどの程度違うモノなのか、どの程度まで同じモノなのか。



 要約すると、切り離して放出した精霊力を耳に接触した状態でクティの声が聞こえるかどうか。



 耳を自分で強化できるから、意味はないのだが、別にやって問題があるわけでもないのでやることにした。

 理論といえるほどの理論でもないし、体の一部という認識すら合っているのかと問われれば、かなり疑問なところだが、要するに理論かっこいい、体の一部だとわかりやすいっていう程度の理由だ。




 勉強が落ち着くのを待ったのも理由がある。

 魔力の切り離しの感覚を説明するのが、ちょっとした単語だけでは難しかったからだ。

 今なら単語も文章もかなりいけるので、問題ない。


 魔力と精霊力は似てるようで違うモノとも言っていたので、自分の魔力の切り離しの感覚でクティが実行できるかどうかはわからないが、やらないよりはましな気がする。

 クティが扱うのが精霊力だと知ったのも結構最近だし。



【――という感じで、魔力は内部で切り離せるの】


「……うぅーん……こんな感じかなー!」



 感覚を文章にするのはちょっと大変だったけど、なんとか伝わったようだ。

 目を強化して、クティの精霊力の動きを観察していると、繋がって一繋がりだったモノが、切り離せている。

 自分の魔力の動きとあまり違いがない。

 というか全然同じだ。


【うん、そんな感じであとは放出してみて。

 私の感覚では繋がった状態で制御するのとではちょっと感覚が違うけど、すぐ慣れるよ。

 がんばって】


「ふぅおー……こ、こうかなー!

 あーあーあー確かになんか感じが違うー。

 こうー!こうだ!」



 ぷるぷる震えながら、切り離した精霊力を放出する妖精さん。

 ちょっと可愛らしい。


 しかし、自分は切り離した魔力の制御をモノにするのに少し時間がかかったのに……。

 この子、あっという間に制御できてる。


 クティ……!恐ろしい子!



【じゃぁそれを私の耳に接触させて、声が聞こえるかどうか確認しよう】


「りょーかーい。

 ほりゃー!」



 精霊力の制御が簡単なのか、クティがすごいのか、よくわからなかったが、切り離した精霊力の制御も問題ないようなので、さっそく理論の実証を行う。


 クティの掛け声と共に勢いよく、精霊力が自分の耳に突撃をかけてくる。



 勢いつける意味はまったくないんだけどなぁ……。



 まぁ、全然痛くもないどころか、感触も何もないから別にいいんだけどね。



【では、耳の強化を解除するから、クティはそのまま声を出してて】


「よしきた!

 どんときなさい!」



 ドヤ顔妖精さんを確認してから耳の強化を解除する。



「あーあーあーワレワレハウチュウジンダー」。……



 なんでそんな喉を軽く叩きながらの、超定番の言葉にしたのかは一切不明だ。

 あえて言うならクティだからだろうか。



【もういいよ、問題なく聞こえるね】


「ふふん!

 私にかかればこんなもんだよ!

 もっと褒めてもいいんだよ!いいんだよ!?」


【はいはい、偉い偉いクティは最高だよー】



 無い胸をえびぞりに張るドヤ顔さんにおざなりに返して、今回の実証は終了した。


 いずれタイミングを見て、他の人の耳にクティの精霊力を接触させて声が聞こえるかどうかも確かめてみたいが、それは今じゃない。

 無用なリスクは避けるべきだし、確実に検証もしたい。



 それに……別にクティの存在を教える必要性もないしね。



 ふふふ……自分だけにしか見ることができない優越感的なモノにもうちょっと浸っていたい。




 ちなみに、魔力文字を書き出す際に意識的に女性のような書き方をしている。

 一人称も " 私 " にしているし、文章も柔らかくしているつもりだ。






 だってほら、今は一応 " 女の子 " なわけだし?








 ……すでに1年ちょっとで2回もやっちまった過去があるから、今から意識して気をつけなきゃもっとひどいことになりそうだからとか……思ってないよ!



投稿前に毎回読み直してるんだけど、

大体誤字脱字や文章がおかしいところなんかが見つかります



この回は、何度かやめようかなぁと思ったりした回です

理論ってなんだろう

実証方法はこれでいいんだろうか

とか

とか

とか



まぁいいや


ご意見ご感想お待ちしております


3/9 句点、文頭スペース、三点リーダ修正

3/10 禁則処理修正


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