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濁った瞳のリリアンヌ  作者: 天界
第一部 第7章 3年目 後編 2歳
127/250

111,プロローグ



 上半身の動作と共にゆっくりと左右に揺れ、時にはピンと立つ。

 ふさふさのふわふわで覆われたソレは手に取ると極上の柔らかさでもって期待に応えてくれる。

 顔を埋めれば仄かに香る彼女特有の甘く、爽やかな香りと共に相乗効果を持って天国へと誘ってくれるだろう。


 もちろん、天国に行くのは彼女も一緒だが。



 小さく鼻歌を歌いながら、散らかっているはずのレキ君の玩具を拾い集めて箱に戻しているミラの後姿を見ていると、今すぐにでも抱きついて全力でもふり倒したくなる衝動にかられてしまう。

 でもだめだ。今はその時ではないのだ。

 前回も前々回も加減を間違えて大変なことになってしまっている。


 その加減を覚える為にレキ君には毎日実験台……もとい、練習相手……もとい、生贄になってもらっているのだから。

 まぁ彼も毎日の楽しみになっているようだから別段問題はないだろう。……ないのだ。


 レキ君とミラではやはり違うかもしれないがそこは実地で違いを検証しつつということでカバーする予定だ。

 だがレキ君で培った手加減の技術は決して無駄になることはないだろう。


 なんせ今なら弱めの快感だけでも彼を捉えて離さない絶妙な加減でテクニカルノックアウトできる。

 もちろんレフリーはサニー先生だ。

 クティは大興奮で片足を実況席にかけてマイクパフォーマンスしちゃう語尾の震える実況者だ。


 もちろん弱めの加減だけじゃなく、弱中強、その他魔力の流れに合わせた細かな変化までありとあらゆるもふり加減をマスターしたと言える。

 今の自分ならもっふぃーを卒業し、一段上の高みであるその場所へとたどり着けるのではないかというある意味確信だが、上り詰めなければわからない境地への想いがある。


 しかし誰彼構わず場所と時間と相手を選ばず実行できるほど自分は強者ではない。



 自衛の天秤は常に一定方向に傾き、抗えない本能と思われたもふりすとの魂というべき目の前にあるもふもふを堪能せよ、という言葉を制御できている。……はず。


 もちろん制御するには多大なストレスがかかってしまうのだが、そのストレスはレキ君への実験という名の発散法があったので問題にすらなっていない。

 逆に言えばレキ君というもふもふが目の前になければストレスで胃に穴が空いてしまうかもしれないのだ。


 しかしレキ君は自分のペットという周りの認識から快感に溺れさせてもそれほど強い反応は返ってこない。

 むしろ微笑ましいものを見る生暖かい空気が返って来るくらいだ。


 しかしそれはレキ君というペットの存在があってこそであり、快感に溺れながらもやばい部分はモザイク処理よりも遥かに高度に隠蔽しているためである。



 以前のように垂れ流しのような状態ではないのだ。

 覚えた魔術は有効に使わなければいけないのです。



 そんなこんなでレキ君で培った技術と危ないシーンの隠蔽技術を使えば今目の前でふりふりしている尻尾様をあられないもない姿にしても気づかれないくらいはできる。

 まぁ後処理が大変ではあるが。


 そう、後処理が問題なのだ。

 レキ君の場合は基本的に会話できるのは自分達だけだから特に問題ないし、ペットだからそこまで厳密な羞恥心は持ち合わせていないのか結構けろっとしている。


 でも尻尾様は違う。

 尻尾様の付属品――ミラは1個の人格を有する歴とした獣人だ。

 そして自分の専属であり、女の子なのだ。

 なのであまりにもアレなことをしてしまうと高度な隠蔽技術があっても大変なことになる。


 前回前々回は結構本能に任せてしまう部分が多分にあったのを反省し、今回は理性ともふりすととしての狭間で頑張ってみようと思う。


 なのでまずはプランだ。

 ミッションプランは大事です。


 外堀を埋めつつ、内堀にも毒を垂れ流しておくのも忘れず、且つ兵糧攻めは得意じゃないので流れる物資に混ぜて更なる毒を織り交ぜる。


 まぁ何がいいたいかというと――。



「みら~」


「はい、なんでしょうか、お嬢様」


「えいっ」


「わわっ、どうしたんですか、お嬢様?」



 まずは慣れさせるのだ。

 抱きついても問題ない状況に。







◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆







 ミラは自分の専属4人の中でも選ばれた経緯が他とは違う。

 自分のお気に入りという理由でお婆様が選んだのがミラだ。

 もちろんクリストフ家のメイドとして最低限のことはきちんとできるし、最低限とはいってもやれることが限定されている最下級のメイドというわけでもない。

 それなりには優秀な子なのだ。


 でもクリストフ家で優秀なメイドと呼ばれるクラスになるには、それだけでは当然だめだ。

 ニージャを筆頭に、ラクリアもジェニーもメイドには必要ないはずの戦闘技術でも卓越した腕前を誇っている。

 特にニージャは騎士団をあっさり全滅させられる腕前なので疑う余地もない。


 戦闘面の技術など騎士団見学に行ったときに見せてもらったニージャの実力くらいしか目にしたことがないのは事実ではあるが、自分には魔力の見える魔眼がある。

 最早魔眼というには機能面で逸脱してしまっているが、魔眼だ。


 そんな魔眼から見る魔力の流れでどれくらいの実力かはある程度わかる。

 実際の戦闘にならないと見えない部分もやはりあるだろう。魔道具を駆使して戦うスタイルならあまり自身の体を使わないのもあり、判断できない部分ではあるがミラはそういったタイプではないようなので大丈夫だろう。


 ニージャが達人クラスなら、ミラは1流格闘家一歩手前といったところだろうか。

 やはりクリストフ家のメイドなのでそれくらいは出来るのだ。

 でも普段の彼女からはそういったものはまったく感じない。

 魔力の流れが見えなければまったく気づけないくらいだろう。


 ちなみにジェニーやラクリアはニージャほどではないがそれぞれミラを遥かに上回っているのは確実だ。

 さすがは実力で専属を勝ち取っただけある。



 そんなわけで1番攻略の簡単そうなミラが最初のターゲットなわけだが、何度もいうが彼女には前回と前々回がある。

 多少間があいたとはいえ、警戒されても不思議ではないが彼女はどうにも天然なのかそういうところが抜けている感じがする。



 まぁ専属なのだから主人を警戒するのはどうかとも思うけど。

 その主人は色々と規格外ではあっても、2歳児の幼女なわけだし。

 これが性的な意味で襲い掛かってくるような主人だったら警戒した方がいいけど。

 まぁでもやろうとしてることは似たようなもんなのは仕方ない。

 直接的じゃないだけマシだと思ってもらおう。



 さて話は戻るが、今は前回前々回のような束縛力が強いような状況ではない。

 ある程度レキ君の部屋を自由に移動できるし、常に一定距離を置いて傍に控える専属にも特に問題なく近づける。

 でも今までレキ君の傍ばかりにいたのでそういう行動をあまりとっていない。


 まずは外堀を埋めるのだ。

 埋めつつ毒を流す作業はするけれど。



 魔力を纏わず抱きつくミラは非常に柔らかい。

 ともすればふにふにに負けてしまいそうなほどだ。



 お婆様のロケットほどとはいかないがこの子もどうやら隠してあるモノは兵器クラスのようです。

 着痩せする人が多いような気がするのです。

 もしかしてニージャのぺったんも偽装の可能性が出てきたのだが、彼女にプランを実行するのは恐らく最後になるのでまだまだ解明は先の話だ。



 ともあれ、今はミラである。

 外堀を埋めるといっても最初から長い時間抱きつくのもどうかと思う。

 これは気づかれないように堀の深さを浅くする作業なのだ。

 なのでじっくりと時間をかける用意はしてある。


 時間にしてほんのちょっとの抱きつきから解放されたミラの顔はものすごくいい笑顔だったけど、魔力はちょっと違った。



 これは残念?

 もしかしてもしかしてですか?

 え、ミラさん。あなたもしかしてですか?



 外堀を慎重に埋める必要性があるのかちょっと本気でプランの練り直しが必要な気がする今日この頃だった。


ついに動き出したもふりすと、もといリリー。

だがプランを実行してみれば、リリーにとっては意外なことにミラはもしかしてでした。


気に入っていただけたら評価をして頂けると嬉しいです。

ご意見ご感想お待ちしております。


8/25 誤字修正

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