外伝11,伝説の樹の下で
特にこれといって本編に影響のある設定は出てきません。
最後までよく読んでどういうお話なのか理解した上でお読みください。
え? 矛盾してるって?
2回読んでもいいじゃない!
「私と契約して魔法少女になって!」
「……え……。いや……かな?」
「そこをなんとか!」
「……え……」
「今ならおまけしてもう1本!」
「……?」
「送料代引手数料当方負担!」
「……???」
「今なら可愛い妖精までついてくる!」
「……!」
「どうかな!?」
淡い魔力の紙ふぶきと共に現れた小さな妖精は零れ落ちるような笑顔と共に某通販CMの今から30分以内限定のような文句と共にバックに爆発のエフェクトを纏っていた。
「爆発はロマンですね」
「わかる!? いいよねぇ爆発……。やっぱり決めポーズには爆発は必須だと思うんだ!
最近の軟弱な魔法少女よりは、男気溢れる魔法少女だと思うんだよ!
だからね! 私が押す魔法少女は爆発をメインにしたかっこいい」
「待ってください」
「ポーズをメインにす……ふえ?」
「魔法少女ってなんですか?」
「魔法少女は魔法少女だよ」
「そもそも魔法とは物語の中の架空の設定のはずです」
「うっ……。さすが私のリリーだよ……。賢い……ッ!」
「私は私以外の誰のものでもありません」
「て、哲学だね!」
「事実です」
「心の持ちようだよ!」
「所有権は私にあります」
「異議あり!」
「認めません」
「最高裁までもつれ込むよ!」
「我がクリストフ家には資金もコネも唸るほどありますので」
「い、今なら示談に応じてもいいよ!?」
「では回れ右してそこの窓からお帰りください」
「ごむたいな!?」
「……」
「……」
「……はぁ。仕方ありません、もう少しお話を聞いてあげます」
「さすが私のリリーだよ!」
「……続きをお願いしても?」
「もちろんだよ! お任せアーレ?」
「なぜ疑問系なんですか?」
「もー、今日のリリーは堅いよ~。もっと楽に行こうよ!
人間気楽が1番だよ!」
「あなたはどうみても妖精なのですが……」
「私は世界の隣の魔法少女の森の妖精クレスティルトちゃんでっす!」
「私は第2級宮廷魔術師クレアティル・ラ・クリストフが第3子、リリアンヌ・ラ・クリストフです」
「……堅い! 堅すぎるよ! かたいかたいかたあああい!」
「暴れないでください」
「ごめんちゃい」
「わかればいいんです。反省を活かしてこそ、です」
「さすがリリーだね! 魔法少女に選ばれるだけあるよ!」
「そうですか? お褒めに預かり光栄です」
「そんなに畏まられるとこっちまで照れちゃうなぁ~……。えへへ~」
「……それで続きをお願いしても?」
「お任せアーレ!」
「今度は疑問系じゃないんですね」
「ここに取り出したるは~」
「……無視ですか」
「魔法の魔法の少女を魔法に魔法が魔法でお任せアーレ!」
「……綺麗ですね。見た目だけは」
「そうでしょー! なんたってこれは魔法少女になるためのマジックアイテム!
『レディシェーバー2058 クティスペシャル』だよ!」
「しぇーばー?」
「毛とか剃るの」
「毛? 髪の毛ですか?」
「んーん。脛毛とか腋毛とか」
「脛……? お父様なら生えていましたが……私は生えていませんよ?」
「……腋は?」
「……生えてませんね」
「そういえば……。リリーが12歳くらいに見える」
「私は今年で12歳ですので、まだ11歳です」
「……?」
「……?」
「ま、いいか!」
「よくわかりませんがいいんですか」
「いいのいいの! どうせこういうパターンは私の夢だよ!」
「なるほど。夢ですか」
「夢です! ドリームです! なんかでっかい妄想です!」
「その割には嫌に現実的なような……」
「気にしちゃだーめ! お任せアーレ!」
「さっきからのそれって決め台詞か何かですか?」
「お任せアーレ!」
「……聞くな、と」
「お任せアーレ!」
「……続きを」
「お任せ!」
「アーレは!?」
「このレディシェーバー20……長いから髭剃りで。髭剃りは~」
「無視された上に言うに事欠いて髭剃り!?」
「毛を剃ることで魔法少女に変身できるの!」
「どこの毛を?」
「基本は脛毛かなぁ」
「……」
「次点で腋毛かなぁ~」
「……」
「がんばって……。髭かな」
「髭……ありますか? さわさわ」
「ちょっとみせてね~。はい、動かないでぇ~」
「んん」
「ぷっくりと瑞々しい艶やかな唇……。まるで吸い付けられるかのように私は惹かれていってしまうよぉ~……。んちゅ~」
「んんぅ~」
「……」
「……」
「っぷはー! ごちっしたー!」
「……うぅ……。汚された……」
「さすが、リリーだね! まるでマシュマロのような柔らかさとレモンじゃなかったけど爽やかなリリーらしい甘くてまろやかでその中に厳しさとひたむきさと太陽のような熱を感じる最高の唇だよ!」
「……私のファーストキスが……」
「奪っちゃった! てへぺろ」
「もうお嫁にいけません……」
「私がもらってあげるよ! お任せアーレ!」
「……約束ですよ?」
「お任せアーレ!」
「じゃあここに判子を。あ、なかったら拇印でも構いません」
「はいはい、ここね~」
「はい、確かに。では明日までに結納金を耳を揃えて……これだけお願いします」
「……!? り、リリー!?
これはオーベント王国の1年間の国家予算の4倍だよ!?」
「……私には国の予算の4倍の価値もありませんか?」
「うぅ! 何その上目遣いで潤んだ瞳で見上げる超高等テクニック!?
リリー以外がやったらはったおす自信があるよ!?」
「だめ……ですか?」
「うぅ!? だめじゃないよ! だめじゃないから!
こんなはした金程度で私はくじけないよ! リリーの為ならなんとでもしちゃうんだからね!」
「それはよかったです。さすがクティですね」
「ははは! 私にかかればお茶の子さいさい! お任せアーレ!」
「頼もしいです。さすが私の夫となる方ですね」
「夫! あぁ……なんて甘美な響きなの! でも私は性別でいうなら女!
でもリリーは女の子! あぁ甘美だけど……だけど!」
「だめ……ですか……?」
「全然だめじゃないよ! 夫上等! お任せアーレ!」
「さすが、です。クティさま!」
「さま! 様付けされちゃった! されちゃった!
わわわわあわわ私なんかを様付け!」
「当然です、クティさま。私はあなたのものなんですから……」
「あぁすごい! すごいよ、リリー! その薄っすらと頬を染めてちょっと俯き加減でチラッチラとこっちを覗き見るなんともいえない子悪魔的な気恥ずかしさ!
さすがすぎてもう鼻血があああああああ」
「あらあら、大変です。さぁ私の膝の上に頭を乗せてください」
「幸せや~。人生の絶頂期やでぇ~」
「ふふ……。私も幸せです……」
「……ハッ!? 魔法少女は!?」
「もうすぐ朝ですから、続きはまた今度です」
「あ……さ……だと!?」
「さぁ、目覚めの時間ですよ……クティ」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「とっととおきんかー!」
「ぶぼああッ!」
【クティ……。それは女の子が出しちゃいけない叫び声だと思うよ?】
「まったく、おまえはいつになったら私なしで起きれるようになるんだ!」
「……あ、あれ……。私のリリーは?」
【私ならここにいますよ?】
「そ、そうじゃなくて……12歳のじゃなかった11歳のリリーだよ!」
「まだ寝惚けているのか……」
【クティ……。早く起きて~】
「わた、私の絶頂期がぁ~」
「こいつなんで泣いてるんだ……」
【クティ、泣かないで。私も悲しくなっちゃうよ】
「……!」
「だからといってキスすることはないだろう、頬とはいえ」
【えへへ~】
「じ」
「じ?」
【じ?】
「人生の絶頂期やでええええええええええええええええええ!!!!」
夢落ちです。
酷いですね!
企画物に近い形の一風変わった外伝でした。
気に入っていただけたら評価をして頂けると嬉しいです。
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