千葉ニュータウンのテコ入れについてさらに北条さんと相談してみた
さて、北条さんと千葉ニュータウンについての相談は続く。
「それと、千葉ニュータウンの駅前とか道路なんかはまだまだこれからの開発になると思う。
なのでまず車道と歩道をきっちりガードレールで分けたうえで、車道はバイク専用レーンを、歩道は車道側の歩行者専用レーンと自転車専用レーンを設けて、事故が起きにくい作りにしたいと思う。
歩行者専用レーンが車道側ならバス停で降りた人間が自転車にぶつかるっていうこともなくなると思うしね。
あとは特に小学生が通学に使う道路なんかはそういった、歩車分離を完全に進めていったほうがいいと思う」
これは2020年頃の津田沼の南口の奏の杜あたりの道路はこんな感じで整備されていて、これはいいなと感じたからだ。
そして俺がそう言うと北条さんは頷いた。
「船橋や千葉でも家が古くあるところは道が狭いうえに、歩道がはっきりと存在せず、電信柱などがあって子供が車の前に出たりする場所も多いですからね。
そういった危険性がないように道路を整備するのは大事だと思いますわ」
俺は頷いて言葉を続けた。
「あと駅前には定期的に使える駐輪場に加えて、一時使用が可能な駐輪場やバイクやスクーターをおいておける屋根付きの駐車場は欲しいと思う。
千葉ニュータウンのあたりはアップダウンが少ないから駅まで自転車で移動したり、少し遠ければバイクやスクーターで駅まで行きたいと思う人がそれなりにいると思うからね」
これは路線バスが行田団地方面以外は非常に貧弱な西船橋駅の駅前駐輪場の豊富さは西船橋の乗降客数の多さにつながっているかもしれないと思っていたりするからだ。
まあ、バス路線が整備されている浦安から新浦安経由、舞浜経路の途中である新浦安なんかも自転車の駐輪場はそこそこ整備されてるしバスでの定期代を考えると安くすむ自転車の駐輪場を使う人間も多いんだと思うが。
「巡回バスが安めに提供できるならバスを使う人も多いかもしれないけど、停留所までの自宅からの距離はそれなりにできるだろうと思うし、公営の駐輪場は月1000円、1日100円とかで安上がりだし」
「確かにバスの停留場というのは家からは微妙に離れている場合もおおいですわね。
そもそも大きめの道路以外にはバス停は基本的にないですし」
「うん。
あとアウトレットモールや文化ホールみたいな場所ができるならそこも駐車場だけでなく、バイクやスクーター、自転車を止められる場所があったほうがいいと思う。
ホームセンターや家具店なんかは車で乗り付けて、買った荷物を車で家まで運べるほうが便利だけど、重いものを運ぶんじゃない雑貨や日用品、食品なんかを買う場合は自転車やバイク、スクーターを使いたい人も多いはずだしね」
これはよほどの駅近ではないコンビニが駐車場とともにバイクや自転車などを止められるスペースを用意して、うまく集客につなげているのを見ているからだな。
東京や成田へ直結する高速鉄道や高速道が大動脈のようなものだとすれば、駅前の駐輪場から自宅への経路、施設の駐車症や駐輪場は毛細血管みたいなものかな。
田舎では車がないと買い物もできない、病院にも通えないと言われるが、都市部では鉄道にバスや自転車などをあしにしている人間も多い。
そして、冷遇されがちなバイクやスクーターの買い物の時の駐車スペースの配慮もあればもっと住みやすく感じてもらえると思うんだ。
ちなみに2020年代には京都や新宿などの駅前の車道をわざわざつぶして、歩道に切り替えたり、首都高と通じる銀座の東京高速道路が廃止され、高架の歩行者空間となる予定だったりするが、これは商店での買い物は自動車で来る人よりバスで来てあとは歩く人の購買金額が大きいことで、道路を走る自動車に対して、歩道を歩く歩行者の数のほうが圧倒的に多いということもあった。
銀座のデパート街とかもそうだが、戸越銀座のような商店街も自動車は入れないが十分人の往来は多い。
車道を整備しすぎてしてしまうと、一種のストロー効果のようなものが発生してしまうのだと思う。
駐車場のある場所以外の商店が全てスルーされる形になりやすいから当然ではあるよな。
都市部だと渋滞がひどすぎるので、下手すれば自転車のほうがすっと移動が早いとかも起きかねないというのもあるかもだけど。
「いつもアイデアを投げるばかりでゴメンな」
俺がそう言うと北条さんは笑う。
「高校のゲーム制作のときから、あなたはアイデアを出し、
他の部員がそれを形にしていき、ゲーム会社との交渉は私がするという形でしたからね。
アイデアを出した人間が交渉まで全部やる必要はないのですよ。
会社とか組織というのはそういうものですから」
「そう言ってもらえると助かるよ」
まあ北条さんの負担は相変わらず重いと思うんだが、目に見える成果があるのもわかっていれば、それは精神的負担にはなりづらいのかなとは思う。




