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イレイザー ─仁和歌者─  作者: 姫乃 只紫
各章の人物紹介
2/10

『蹈鞴事変の登場人物』

【ジョシュア・ファイブセンス】

『ファイブセンス探偵事務所』の探偵。

 一巫女が安楽椅子探偵ポジションを担っているため、不本意ながら行動型の探偵を務めている。が、謎多き経歴から一夜街の私娼や公娼、イレイザー養成学校の生徒、果ては既来界を統治しているヴンダーカンマー管理機構にまで知り合いがいるなど、とてつもなく顔が広い分何だかんだで適役と言える。

『イレイザー ─蹈鞴事変─』が概ね彼の視点によって語られる物語であるため彼の詳しい容貌は不明だが、「どうせその調査とやらも愛人や遊女に任せっきりなんだろうが」という一巫女の台詞から察するに決して見てくれは悪くないと思われる。そう考えると、魔道や導力(メディテーション)などといった超常的な力がさも当然の如く跋扈(ばっこ)するこの世界において、イケメンのくせに非戦闘要員というわりと珍しいキャラなのかもしれない。

 一巫女さんに拾われた──という彼の独白だけでは誤解を招きやすいが、二人の年齢差からわかる通りこれは大卒後プーだったところを一巫女にスカウトされたという意味である。その後しばらくは『橋姫』の間借人となるわけだが、その間彼が何をして生計をたてていたのか、そしていかなる経緯があって「探偵」という職へ就くに至ったのかは不明である。

 ちなみに作中十四歳の少女を明らかに恋愛対象として見ている記述があったが、これは彼が幼女・少女に限定して特別そういった感情を抱いているのではなく、単にストライクゾーンが幅広いだけである。つまり無類の女好きなわけだが、だからといって特別女性に優しいわけではない。


負討(おとう) 一巫女(ひみこ)

『橋姫』の楼主。

 また『名家』最高位に君臨する負討家の末裔でもある。ちなみに『名家』とは魔道を用いギノーを退治することを使命として課せられた家柄の呼称である。ギノーが今以上に跋扈していた時代は戦巫女として活躍していたらしいが、主なギノー討伐者が魔道士からイレイザーに移行した現代では、好きなときに飲み食いし好きなときに眠り好きなときに書見をするまさに天人の如き自堕落な日々を送っている。

 民俗学、宗教、妖怪などに造詣が深い一方、実力を持っていながら事変に武力介入することを好まないため、四人の中では「動かないデータベース」という役割を担っている。が、肝心の探偵があくまで探偵〈役〉に過ぎないため、どちらかと言えば彼女の立ち位置は安楽椅子探偵と呼ぶに相応しい。自分の推理の正しさを立証しようとせず、真相をぼかしたまま事を片付けてしまうあたりなど、まさに安楽椅子探偵の鑑と言えよう。

 ちなみに『イレイザー ─蹈鞴事変─』での彼女は大変わかり辛いが常時デレ状態である。ジョシュア、庵、アカシャ以外の男とはまともに口も利かないどころかそもそも視野に入れようとさえしない。しかし、一度気を許した相手には抱擁、膝枕(無論男性側が枕役)、終いには接吻まで躊躇なく行うためジョシュアからは「人間関係が零と百で構成されている女」と心の中で評されている。

 一人称が「僕」であり男口調なのは過去の出来事に原因がある。ぶっちゃけジョシュアと被るので書き手としては止めて欲しい。

 あと名字で呼ばれることを嫌う。そのわけは彼女の名字をさん付けしてみれば嫌でもわかる。

 

(あかつき) (いおり)

 一巫女の側近。

 代々負討家に仕えてきた暁家の末裔。一巫女が戦巫女として戦線にいた時代は魔道士として彼女の背を守護してきたが、一巫女が〈巫女〉を捨て負討家を離れ戦線を離脱した今では、妓楼『橋姫』の「遣り手」として彼女の側に仕えている。

 着物の上からでもわかるたくましい体躯に顎鬚を蓄えていたりと実に男性的な容貌をしているが、言葉遣いや話し方は一般的な男性のそれよりやわらかく感じる。男であって男ではなく、では女かというとそれも違う──そんな独特な空気の持ち主である。「遣り手」といえばときに遊女たちのカウンセリングもこなす仕事なので、その相談者たちに異性を意識させる心配がないことを考えれば、何やら相当な適役に思えてならない。ちなみに、人物描写のシーンにてジョシュアは言及していないが垂れ目である。

 主である一巫女を様付けではなくさん付けしているのは言うまでもなく一巫女の意向に寄るものだが、彼女に付き従う者の中でさん付けを許されているのは、庵ただ一人である。つくづくデレのわかり辛い女である。でも、さん付けはジョシュアと被るのでやっぱり書き手としては勘弁してほしい。

 四人の中での役回りは、主である一巫女や『橋姫』で働く遊女たちを守護する「最強の盾」である。


【アカシャ】

 抹消者(イレイザー)

 イレイザーライセンス取得者なら誰もが使えるはずの導力(メディテーション)が使えないにもかかわらず、名家出身の魔道士ですら前例のない「ある異能」が使える謎多き男。実のところ、彼は異能を持っているが故ギノーに素手で太刀打ちできるのではなく、人間誰しもが持っている〈あるモノ〉を持っていないが故にそれができるのである。よくある無力化系異能力者かと思いきや実は単なる常能力者だったよ、というフェイント。何やらひどいネタバレをしたような気もするが、真に重要なのは彼がこの〈体質〉を手に入れた経緯なので、別段気にする程のことでもない。

 魁偉(かいい)な風貌から粗野な印象を与えがちだが、スーツ姿のときはネクタイを留めていたり、携帯灰皿を常備していたりとわりとマメな男である。『イレイザー ─蹈鞴事変─』の戦闘パートでは、少女の最期に無骨ながらどこかナイーブな一面を覗かせている。ジョシュアや一巫女の変人っぷりは言うまでもなく、一見常識人の庵ですら一巫女に傾倒し過ぎているきらいがあるため、実は四名中一番の常識人なのかもしれない。ちなみに第一弾のココの決め台詞(?)と彼のそれが酷似しているのは仕様である。

 天沼之宴とは浅からぬ因縁がある模様。ヴンダーカンマー管理機構に嘘の報告をしてまで彼が天沼之宴に執着する理由とは。彼とその呪術を結びつける縁が、異世界の住人であるココの「空白の七年間」と今後結びついたりつかなかったり。

 担うポジションは、庵に護りを任せ、ジョシュアが捜査し、一巫女が叩ける〈形〉にした諸悪の根源を、圧倒的なパワーで貫き通す「最強の矛」。

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