１０３：新装備完成！！！！！！！

「ごほんっ！　まぁ魔王殿は前からスキンヘッドやらザンソードやら変な男たちに好かれてたから、変な爺さんから変なタマをもらったのも今さらとして……」

「おう、今度は装備性能の解説だな！」

　見た目はもちろん重要だけど、大事なのは中身だからな！

　俺は装備ウィンドウを開くと、さっそくエロカッコいい和風ドレスの性能を見ていくことにした。

　どれどれっと――ムムッ！？

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　・頭装備『怨天呪装・闇飾り』（作成者：フランソワーズ　改変者：グリム）

　　装備条件：プレイヤーの筋力値・魔力値・防御値・敏捷値全て半減　ＭＰ+３００　幸運+４００

　　装備スキル【大天狗の申し子】：天魔流アーツの使用ＭＰを半減する。

　　限定装備スキル【六道魔界の後継者】：異世界のアーツ“修羅道呪法『斬魔の太刀』”“餓鬼道呪法『暴食の盾』”“獄道呪法『断罪の鎌』”“人道呪法『欲望の御手』”“天道呪法『衰弱の矢』”“畜生道呪法『禁断の猛火』”が使用可能となる。※アーツに対応した装備が必要となります。

　・体装備『怨天呪装・闇纏い』（作成者：フランソワーズ　改変者：グリム）

　　装備条件：プレイヤーの筋力値・魔力値・防御値・敏捷値全て半減　ＭＰ+３００　幸運+４００

　　限定装備スキル【騎士王への反逆者】：残りＨＰが３０％以下の時、異世界のアーツ“『業炎解放・煉獄羅刹』”が使用可能となる。

　・足装備『怨天呪装・闇廻り』（作成者：フランソワーズ　改変者：グリム）

　　装備条件：プレイヤーの筋力値・魔力値・防御値・敏捷値全て半減　ＭＰ+３００　幸運+４００

　　限定装備スキル【大悪魔の祝福】：残りＨＰが３０％以下の時、異世界のスキル“【憤怒の意志（調整版）】”の効果を適用。消費ＭＰが三分の一となる。

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「なっ、なんじゃこりゃーっ！？　装備スキルってなんだよ！？　なんかもう訳が分からないことになってるんだが！？」

　性能も大きく上がっているが、それ以上に気になるのはやはり装備スキルという項目だ。

　驚く俺に、グリムが「クックックッ」と得意げに笑う。

「名前の通り、装備自体に付いたスキルのことだなっ！　職人スレの連中によると、今回からサイレント実装された新要素らしい。一部のアイテムを装備の生産や加工に使うことで搭載されるのだっ！」

「おぉ、そうなのかぁ……！」

　そういえば天狗仙人がひり出したタマにもそんなことが書いてあったなぁ。

　これで天魔流のアーツがバンバン使えるようになったってもんだ。

「あ、装備スキルと限定装備スキルってのはどう違うんだ？」

「うむっ。限定装備スキルは一つの装備に一つしか搭載できなくてな。さらに限定装備スキルのついた装備は三つまでしか身に纏えないという縛りまでついているらしい」

　なるほど、同時に扱えるスロットは決まっているわけか。だから限定って名が付くわけだな。

　

「へー面白いじゃないか。やっぱり縛りが付いている分、普通の装備スキルより効果は強力なんだろう？」

「スレ民によるとそうみたいだな。ちなみに怨天呪装に付与した三つのスキルは、魔王殿が刺客プレイヤーどもからブンどってきた限定アイテムを使ったら発現したものだ。そういう意味でも限定だったりするわけだな」

　あぁ。『修羅道のキリカ』に『憤怒の女王アリス』、そして『暁の女神ペンドラゴン』から布やら糸やらがドロップしたっけか。

　そりゃ頑張った甲斐があったってもんだ。どれも早く使ってみたくてウズウズするぜ……！

「特に頭装備の【六道魔界の後継者】ってヤツはすごいよなぁ。ちょうど色んな武器を使えるようになった俺にピッタリだ」

「うむ。調べてみたところ、どれも『戦国六道オンライン』に存在するアーツみたいだな。……まぁそのうち、存在したと言い換えなければいけなくなりそうだが」

「ああ……」

　頭に付いた髪飾りをそっと手に取る。

　キリカから手に入れた限定アイテム『修羅の赤布』を使用したのだろう。血で染め抜かれたような色合いが、禍々しくも美しい。

「……ほとんどのプレイヤーは一種類の武器しか使えないからな。使用できる限定アーツもそれによって限られちまう」

　ある意味、“プレイヤーはどの六道の亡者か選び、それによって異なる力を得る”という『戦国六道オンライン』の設定再現だろう。

　だがしかし、

「だけど俺なら、六道全ての力を発揮することができる。無念に終わった世界の技を、たくさんのプレイヤーたちに刻みつけることができる……！」

　別に俺は例のゲームの出身者というわけじゃない。プレイしたことすらないんだから、思い入れなんてあるわけがない。

　だけど、もしも俺がキリカと同じ立場だったら……。たくさんの出会いがあったこの『ブレイドスキル・オンライン』がなくなってしまうと考えたら、きっと泣きたくなってしまうだろう。

　そう考えたら他人事ではいられなかった。

「全力で殺し合った以上、キリカもダチの一人だからな。あいつのためにも六道の技で暴れまくってやるぜ……っ！」

　さぁ、これで準備は整った。

　新たなバトルスタイルを確立し、新たなアーツを山ほど習得し、そして新装備も完成した。

　ゆえにもはや不足なし。こっからは、大暴れの開始だぜ――ッ！