闇に飲み込まれし聖王国②
第56話〜闇に飲み込まれし聖王国②〜
「うえっ! 心臓!?」
それは人の心臓のようなものが機械へと取り付けられていたのだった。
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心臓は鼓動を止めているが、形や色などからまだ新しいものだと俺でも分かった。
しかしなぜこの機械のようなものに、生き物の命の象徴である心臓が取り付けられているのかは分からない。
そもそも人の心臓のなのだろうか。
頭の中で色々なことが思い浮かんだが、どうもこの心臓に俺は違和感を感じた。
手を伸ばし、鎧の部分へと触れた。
「少年、あまり気分が優れないなら今日はもう......何をしているの! 」
リアさんの声が微かに聞こえたが、段々と遠くなっていく。
すると、気づけば俺はあの鏡の存在する世界へと来ていた。
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〜???〜
真っ白な世界にポツンと置いてある鏡。
さもこの世界の一部のように存在しているが、不思議と違和感を感じなかった。
そして鏡の中を覗き込むとそこには、誰かの記憶の一部が映し出された。
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牢屋へと閉じ込められ、手足には大きな枷がつけられていた。
冷たく硬い地面、周りにも同じような人が何人も見えていた。
すると斜め前の牢屋が開けられ、一人の少女が連れていかれる。
少女の手足は傷だらけで、いくつか抵抗したように枷の痕が見られた。
そして少し経つと聞こえてくる断末魔。
甲高い声が何度も聞こえ、気づけば耳を押さえて聞こえないようにしていた。
この同じような光景を何度も繰り返し、ついには己の番だと言わんばかりに牢屋の戸が開けれた。
目の前には騎士が二人と聖職者のような服を着た者が数名おり、枷を外して連れていかれそうになった。
抵抗をするが虚しくも、両脇を抱えられどこか別の場所へと連れてこられたのだった。
〜???〜
連れてこられた場所は、真っ暗な部屋で椅子が一つ置かれ、その下には魔法陣のようなものが描かれていた。
そして引きずられたまま椅子へと座らされ、手足を固定された。
すると聖職者たちは何やら呪文のようなものを唱え始め、やがて地面の魔法陣が答えるように赤く輝き出したのだった。
しかし至って何も変わらないようだが、怯えて震えが止まらなかった。
五分ほど経ち、謎の儀式が終わったようで、聖職者たちはぞろぞろとこっちに寄ってくる。
そして手を伸ばし胸の辺りを撫でるように触れられた。
次の瞬間、指が胸へと深々と刺さり心臓を抉り出したのだった.......。
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「う、うがあああああああああぁぁぁ!!! 」
鏡を覗いていた俺は、急な胸の痛みを感じ悲痛な叫び声を上げ倒れ込むんだ。
痛みは一瞬のうちに消えたが、その痛みは想像を絶するものだった。
全身から吹き出た汗が地面にポタポタと落ちていった。
顔を上げもう一度鏡を見たが、もうそこには何も写っていなかった。
そうして知らず知らずのうちに気を失って、その場に眠ってしまった。
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「ううっ......」
目が覚めるとそこは朝起きた時と同じ天井が目に入った。
「少年ッ!! 大丈夫か!」
「ジーク! ジーク!」
その聞きなれた声はリアさんとリペの声だった。
俺が起き上がると同時に、リアさんには謝られリペは泣きながら抱き締めてきた。
何があったのかを聞くと、何やらあの心臓を持つ機械に触れた途端、急に意識をなくしたらしい。
慌てふためいたリアさんが急いで部屋へと運び、医療のできる者を呼んだりと結構な忙しようだったそうだ。
こうして無事に目を覚ました俺をみて彼女は幾度となく安堵していた。
「少年、本当にすまない! いくら少年とはいえ、少々刺激が強かったかもしれない。今度からは気をつける......」
「そんなに落ち込まないでください。倒れたのもおそらく疲れですので......」
「君は相変わらず優しいな」
そう言うリアさんだったが、その後リペに説教をくらっていた。
姉が妹に説教される図は新鮮で、姉妹愛を感じられた。
その後はリアさんは仕事に戻り、またリペと部屋でのんびりとしていた。
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俺は昼食を終え、部屋でリペとのんびり過ごしていると、勢いよくドアが開けられた。
そして現れたのはリアさんで、どうも焦っているようだった。
「助けてくれ、少年ッ!!」
一旦落ち着かせて、何があったのかを聞いた。
話によると、聖王国の人間が助けを求めて遥々ここまでやって来たらしいが、この状況の中で敵を信用するなどまず有り得ないだろう。
「そこで少年、君が彼らの話を聞いてくれないだろうか! 私たちじゃ余計に警戒されてしまうし、最悪の場合......殺し合いになる」
「わかりました。話だけは聞いてみますが、あまり期待はしないでください」
「ああ、本当に助かるよ」
そうして俺は再びリアさんに連れられて、例の者がいる部屋へと連れてこられる。
ドア前には大柄の獣人が二人立っており、監視は厳重だった。
「少年を連れてきたよ。ここを通して!」
「リア様、少年を中に入れるのは良いですがもしの場合は......」
「うん、わかってる。彼は絶対に守るよ」
そう言って一人の獣人がリアさんに短銃を手渡した。
もしもの場合は殺し合い......これが現実であり、俺も固唾を飲んで身構えてしまった。
そんな俺を尻目に、リアさんはドアノブに手をかけてこう言った。
「よし、それじゃあ行こうか」
ガチャりと開けられたドアの向こうには、新たな出会いが待っていた。
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