決闘、と言う名の蹂躙②
第25話〜決闘、と言う名の蹂躙②〜
俺は会場の奥で待機していたが、歓声がここまで聞こえてきた。
決闘まではあともう少しあるため、深呼吸をして緊張を解していた。
そんな時、ドアがノックされ、部屋に入ってきたのはリリィーだった。
「失礼します...ヨグ様、体調は大丈夫ですか?」
「リリィー! 体調は良いけど、歓声のせいで緊張してきちゃったよ」
「それなら、私で良ければぎゅっと抱きしめていいですよ!」
そう言われた俺は、精神的にも滅入っていたので、気晴らしにリリィーを抱きしめた。
すると、驚いたことに先程までの緊張は見事に消え去った。
また、リリィーに抱きしめられていると、心が落ち着くだけでなく、どこか懐かしさを感じた。
心が落ち着き、緊張が消えたところで俺はリリィーを離す。
「ありがとうリリィー、だいぶ楽になったよ。...おっと! もう時間か、それじゃあ行ってくるね」
「ヨグ様...!」
「ん...?」
「決闘、頑張ってください!!」
唐突にそんなことを言われ、俺は驚いてしまう。
だが、彼女のその表情からは、よく応援されていることが伝わってくる。
そんな彼女がいるのに、かっこ悪い姿など到底見せられるはずがない。
俺は覚悟を決め、ドアノブに手を伸ばす。
「リリィー、俺...ちゃんと勝ってくるから!」
そう言って俺は部屋を後にした。
学園の内側〜ドーム型運動場〜
俺はコロシアムのようになった運動場の中心部分へと向かって、歩いていた。
中心部分に着くと、既に王子とその取り巻きの五人が、突っ立っており、彼らの後ろには、綺麗な装飾が施された竜騎兵装が並んでいた。
しかし、どれもニーズヘッグのような竜の形ではなく、人型のロボットのような見た目だった。
それを見て俺は、少し残念に思う。
なんでも、ニーズヘッグ以外の竜騎兵装を見るのは、騎士団と合わせて二回目だったからだ。
それなのに彼らの兵装は竜要素が少なく、なんなら騎士団の使っていたものの方が好みであった。
そんなことを考えていると、王子が話しかけてきた。
「ふん、逃げなかったことは賞賛してやる。だが、勝つのは俺たちだ!!」
そう言った王子や、その取り巻きたちは、余裕の表情をしていた。
今からその顔が、絶望の表情に変わるとも知らずに。
すると、王子は再び話し出す。
「そういえば貴様...竜騎兵装はどうしたのだ? ...まさかとは思うが、準備していなかったなど、今更話にならないぞ」
「殿下、それに関してはご安心ください。ちゃんと用意しておりますので...」
そう言って、手に持っていたニーズヘッグ(槍)を真上に大きく掲げた。
すると、同時に輝きだし、そしてみるみるその姿を変えていった。
現れたニーズヘッグは、まさに竜そのものだった。
黒くて大きなフォルムに加え、鋭い爪や長い尻尾などがついている。
それを見た観客席の連中や王子たちは、驚いた表情をする。
それもそうだろう。
ニーズヘッグから感じられる、その禍々しさは、この平和な王都では一切感じられないものだからだ。
すると、ニーズヘッグは俺にしか聞こえないように、脳に直接語りかけてきた。
(マスター、こちらの準備は完了しました。あとはマスターが乗るだけです!)
「了解、ニーズヘッグ...それでは殿下、俺たちは準備ができておりますが、そちらはどうですか?」
「もちろん、こちらも準備はできている」
そう言われ、お互い竜騎兵装へと乗り込んでいく。
そして、待機していると、どこからかナレーションのような声が聞こえてきた。
「これより王子一向対する、代行ヨグ・ランスロットによる決闘を執り行う! 続いてルール説明! 今回は一体一の決闘形式で、勝敗は機体の戦闘不能、または操縦者の気絶のどちらかになります。また、試合の被害を防ぐため、魔法防壁がひかれております。それでは、お待ちかね。 第一回戦の出場者は前へ!!」
そう声高らかに言うナレーションに続いて、俺とニーズヘッグは前へと出た。
すると、最初の相手となる者が発表される。
「第一回戦はハンス・クリス対ヨグ・ランスロットだぁ!」
そうアナウンスがかかると会場は一気に盛り上がりを増した。
「僕はセリスの剣であり、人類の剣となる。そのためにも、君にはここで終わってもらう」
そう言う彼は、取り巻きの中で唯一表情が死んでおり、またクリス家の跡取りで、王子の異母兄弟にあたる。
それに加え、彼の母親は王都でも名高い剣聖の血筋で、今となってもその剣技は健在だと言われている。
そんな相手が一回目となる以上、相手も本気で俺を潰しにきているようだ。
そして、俺と彼以外の出場者は皆室内へと移動していく。
まさに決闘であり、一体一の戦いである。
すると、ニーズヘッグが再び話しかけてきた。
(マスター、相手の機体を解析しました! どうやらあれらは完全な魔導式ではなく、電動式と魔導式のハイブリットのようです)
「...と言うと?」
(簡単に言えば、魔力を電力に変え、それを動力源に動いているということです)
「それは何かまずいのか? それとも凄いのか…」
(いえ、ただ動かす分には問題ありません。しかし、私のような完全な魔導式に比べると、かなりスペックが落ちます。それも、私の予想をはるかに超えて弱くなっております)
「えっ!? もしかしてだけど、武器とか使ったらまずいか?」
俺とニーズヘッグが話している途中だったが、決闘が始まってしまう。
「それでは剣聖の剣技...とくと見よ!! うおおおおおおお!!」
そんな中、ハンスの操縦する機体が突っ込んできた。
しかし、先程ニーズヘッグが言っていたことが頭をよぎり、突っ込んできた機体を手で受け止めることしかできなかった。
そんな中、ハンスは持っていた大剣で切りつけてきたり、その他にもあれやこれやと攻撃をしてくるが、全てニーズヘッグの装甲に弾かれてしまっていた。
すると、ニーズヘッグは余裕そうに話しかけてきた。
(マスター、おそらくですが、対象を爪で切りつけでもしたら、パイロットごと真っ二つになりますね。それからブレスを使えば、九十九パーセントの確率で機体は愚か、敷かれている魔法防壁すら、貫通させられます)
「んな!? なんでそんなこと言うんだよ!! 余計に何もできなくなったじゃないか!!」
(そんなマスターに一つ提案です。この決闘は戦闘不能にさせたら勝ちです。ですので、マスターの膨大な魔力を使いましょう!)
「俺の魔力を使う?」
(はい! マスターの魔力を私の腕の辺りに集中させてください。そうして膨大な魔力を相手にぶつけましょう! そうすれば相手の機体の機能を奪うだけでなく、貫通した魔力の波動でパイロットを気絶させられます)
「魔力を使うって言われてもな! 使い方がわからないんだよ、ニーズヘッグ!!」
そんな会話をしている間にも、ハンスの攻撃は続いていた。
さすがは剣聖の血筋というだけはあるだろう。
竜騎兵装をここまで上手く使える者はそういないはずだ。
さすがに防御するだけじゃ、いつになっても勝ち目はない。
俺はニーズヘッグに言われた通り、彼女の腕の辺りに、意識を集中させる。
(いい感じですよ、マスター。どんどん魔力が充填されていきます!)
初めて意識して魔力を使ったが、どうやら魔力は空気の流れのようなもので、意識をすればすぐに動かすことができた。
しかし、使っている本人からすれば、魔力を使っている感覚はなく、なんとなくそこにあるものを動かしているようにしか、感じられなかった。
そして魔力をどんどん充填し、するとニーズヘッグの腕からは、青い波動が出始め、揺れ動いていた。
その様子を見ていたハンスだが、恐れることもなく突撃してくる。
しかし、彼はまだ気づいていなかった。
その行動が命取りだということに...。
(マスター! 思いっきりぶつけちゃってください!!)
「おう、行くぞ!! 竜の小咆哮!!!」
どうも皆さんこんにちはこんばんわ永久光です!
毎度のこと今週も更新の時がやってまいりました。
さてさてこんかいはどうだったでしょうか?
少しでも面白いと思っていただけたら幸いです!
毎度のこと、最近のできことを話していこうと思います!
今週は大学の夏休みでまだ休みなのですが、何もしていないのに一週間が終わってました( ;꒳; )
この様子だと明日からもまた、起きて小説書いてゲームして...の繰り返しの日々を送りそうです!
皆さんには良い一週間を過ごして欲しいものですね!!
それでは最後にいつもの挨拶になりますが、評価とブックマークと感想の方を忘れずにお願いします!
それだけでも私の一週間のモチベーションは爆上がりなので、再度よろしくお願いしますm(_ _)m




