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新しい人生のはじめ方~無特典で異世界転移させられました~  作者: HAL
第4部 それぞれの選択

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港町 エンダン1

誤字報告、とても助かっています。

ありがとうございます。

変換ミスの初歩的なやつくらいは何とか自力で潰しきるように頑張ります。


 魚の調達に行かないか。

 食後のティータイムに出されたコズエの提案に一番乗り気だったのはコウメイだ。


「馬車で半日もかからない距離なんだろ? そんなに遠くねぇし、どうせ買うなら魚の種類や鮮度を自分の目で見て買いてぇ」

「港町に行けば刺身を食べる習慣があるか分かるだろう」

「刺身は醤油がねぇときついぞ?」

「生食の習慣があるなら、それに適した調味料も手に入るんじゃないか?」

「調味料か……港だしな、醤油はなくても魚醤はあるかもな」


 珍しくアキラも期待に満ちた表情で楽しげに語っている。


「港町かー。あそこは王都に比べりゃすげー田舎だけどいいのか?」

「気分転換には良さそうですよね」

「こっちにきてずっと山と森ばっかりだったので、海は見たいです」


 結構不便をするぞとのシュウの忠告にも、サツキとヒロまでが大丈夫だと答えた。


「私たちってずっと田舎で自給自足に近い生活してましたから、泊まるところさえあれば平気ですよ」

「もしかして宿もねぇのか?」

「どうだろ。俺が依頼で行ったときは、ギルドの出張所に泊めてもらったけど」


 港町はそれほど大きくはない。馬車駅近くにギルドの港町出張所があり、シェラストラルに登録している冒険者なら格安で宿泊できるらしい。


「出発はギルドで情報を集めてからが良さそうですね」


 N629では五人の意見が揃ったところで結論は出ているが。


「シュウさんはどうしますか?」


 魚を食いたい、海を見たい、港町にちょっと逃げたい、これはコズエたちの希望でシュウに強要するものではないと意思を尋ねた。


「面白そうだから俺も行く」


 シュウはニヤリと挑戦的な笑みを見せた。冒険者生活は狩猟生活でもあり、やっていることは単調だ。狩猟中の緊張以外にはほとんどメリハリのない生活に楽しみを見つけるため、ほとんどの冒険者が酒や女にハマるのだ。シュウとしてはコウメイたちと行動を共にしはじめて以降、退屈することがなくなった。趣味が釣りでなければたいして面白くも無い港町だが、コウメイらと一緒に居ればなにか起きそうだという期待が湧いてくる。


「シュウは港町に何回か行ったことあるんだよな。どんなところなんだ?」

「漁港と二十軒くらいの家があるちっちゃい町だな。漁師と冒険者を兼業してる人がほとんどで、たまに魔物退治とかもやってるらしーぜ」


 ギルドの港町エンダン出張所は、漁師らから持ち込まれる依頼や討伐仕事を取り仕切っている。見習い漁師や出張所で対応できない魔物討伐が舞い込んできたときに、本部に支援依頼が出され、王都シェラストラルのギルドから冒険者が派遣されるのだそうだ。シュウは何度か派遣されて港町で魔物討伐を経験している。


「海の魔物ってやっぱりクラーケンとか巨大海蛇とか?」

「いや、魚」

「魚?」


 興奮気味に尋ねたコズエは、シュウのあっさりとした返答に首を傾げた。


「ゲームとかで水辺でエンカウントする、魚に手足のついたあのモンスター」

「サハギン?」

「そう、まんまソレだった」


 ゲームによって描写は異なるが、基本は手足の生えた魚だ。二足歩行をするし、武器を使って戦うあたり、知能もそこそこある。ゲームに馴染みのあるコウメイやコズエはすぐに分かったようだが、アキラは人魚的なものを想像したらしかった。コウメイが寝室から持ってきた魔物図鑑を見て、想像との違いに眉間にシワを寄せている。


「魚そのものに人間の手足……サハギンのサイズはどれくらいなんだ?」

「俺が討伐したのは鰹に手足が生えてたぜ。身長はコズエちゃんより少し低いくらいだった」


 手足のある人間サイズの魔物だが、ほとんど陸には上がってこないらしい。


「じゃあ港町で魔物退治して稼ぐことはできねぇのか?」

「陸上の魔物はギルド本部の管轄だし、エンダンの出張所はほとんど職安だった」


 エンダンで取り扱っている依頼のほとんどは漁の手伝いだとか、網の修繕の内職だとか、漕ぎ手の欠員募集などだ。海の魔物はスタンピードでもない限り上陸してこないので、必然的にそうなってしまう。


「それって港町にギルドの出張所を置く意味あるのか?」

「確かスタンピード対策つってたぜ」


 スタンピードの単語がシュウの口から出た瞬間に、コズエたちの顔が引きつった。


「どーした?」

「シュウさん、港町ってギルドの出張所を構える必要があるくらい頻繁にスタンピード起きてるんですか?」

「さあ、しらねーな」


 翌日の情報収集の重要性が増したのだった。


   +++


 森での狩りを早々に終わらせて昼過ぎには街に戻った六人は、換金と同時に港町エンダンについての情報を手分けして集めた。コウメイとシュウはギルド職員に話を聞き、アキラは資料室で文献探し、コズエはエンダン出張所の宿の手配、サツキとヒロは必要物資の買い出しだ。


「スタンピード? ああ、サハギン祭りのことか」

「は?」


 持ち込み客のいない査定室で暇そうにしていたケリーを捕まえ尋ねたコウメイは、危機感のない返事に戸惑うしかなかった。


「海の魔物は森の魔物みたいに間引きして調整できねぇからな、だいたい十年おきくらいにどこかの海でスタンピードが起きるんだ。エンダンあたりはサハギンが押し寄せてくるが、余所の海岸じゃクラーケンだったり砂鮫だったり、まあ海の魔物が押し寄せてくるんだよ」


 ケリーの声に悲壮感はない。むしろ懐かしむような、スタンピードを待ち望んでいるように感じられたのは、コウメイの聞き間違いだろうか。


「それってヤバイんじゃねぇの?」

「とても祭りって感じじゃねーよな?」

「滅多に狩れないサハギンが向こうから押し寄せてくるんだぜ。祭りじゃなくてなんだってんだ」


 前回のスタンピード中はまだ現役冒険者だったケリーは、八年前の海岸防衛線での攻防を思い出していた。


「三日三晩、交代でサハギンを屠り続けたな。漁師も後方支援に借り出されて、あれは疲れたが美味かった」

「美味い? 面白いじゃなくて?」

「面白くて、美味かったんだよ」


 そういえばゴブリン・スタンピードを楽しそうに終結させたおっさんがいたな。凄腕の冒険者と言うのはスタンピードすら楽しめるのかとコウメイは嫌そうに顔をしかめた。


「心配するな、前回のスタンピードは八年前だった。次のは二年後だ、まだ準備する時間はある」


 豪快に笑い飛ばすケリーに嫌な予感しかしない。


「……なんかフラグっぽくねぇ?」

「言うなコウメイ」


 お前のその一言こそ「フラグ」だろとシュウのツッコミが入った。


   +


「出張所の二部屋、予約できますか?」


 港町には宿屋がないと管理部のラッセルに確認を取ったコズエは、その場で宿泊先の確保を決めた。シュウの言っていたように出張所に泊まることはできるが、宿屋のようにベッドも食事のサービスも当然ない。田舎町の安宿の雑魚寝部屋のようなものだ。部屋単位で借りられるのはさすが冒険者ギルドだろうか。


「女性二人に男性四人でしたら、小部屋と大部屋がよろしいでしょうね。何泊の予定ですか?」

「最低でも二泊はすると思うんですけど、まだはっきり決まってないんですよ」

「今のところエンダンには冒険者は滞在していません。コズエさんたち以外の冒険者が行くこともないと思いますので、できましたらあちらで保留になっている依頼を片付けてきてくださいませんか」


 なんでも冒険者が居ないせいで、討伐系の依頼が滞っており、依頼主からクレームがきているのだそうだ。


「エンダンの依頼を片付けてくださるなら、宿泊料は無料にいたしますし、報酬も弾みますよ」

「依頼受けなかった場合の宿泊料はいくらですか?」

「一泊二十ダルですね。寝具も何もない、床なので」

「一人に一枚毛布つけてもらえるなら、みんなに話してみますね」

「エンダン出張所には連絡しておきますので、よろしくお願いします」


   +


 コズエに頼まれた布素材を買うため、サツキとヒロは服飾素材店に来ていた。店内に所狭しと並べられた板巻きの布に圧倒されるヒロを尻目に、サツキは様々な色に染められた布地の中から濃紫や濃紺、黒のような地味な色合いの布を選び肌触りを確かめていた。


「コズエは何を買って来いって言ったんだ?」

「エンダンで使うかもしれないものを作りたいんですって」

「出発は明後日だぞ、作ってる暇なんてないだろう?」

「私も手伝いますし、徹夜はさせませんよ」


 サツキは店員を呼んで布の特徴を尋ね、しばらく考え込んだ。


「こちらにはスライム布は売ってないんですか?」

「スライム布は特殊かつ稀少な布でございますので、店頭には置いておりません。前金制の取り寄せとなっておりますが、ご注文なされますか?」


 店員がスライム布のカタログのようなものを取り出して二人に見せた。板紙に小さな切れ端が接着されており、布の説明と値段が書かれている。


「取り寄せには五日ほどお時間を頂きますが」

「布は今すぐ必要なんです。今回はここにあるものから選ぶことにします。お値段はどこに書かれていますか?」


 巻き布の芯である板の端に、十マールあたりの値段が書かれていた。スライム布の十分の一以下だった。


「スライム布って高いんだな」

「輸送費用や利益も上乗せされてるんでしょうね。アレ・テタルで買った値段よりもかなり高いです、私たちは割引特典が使えましたし」


 ひそひそと小声で話しながら布を選んでいたサツキは、いくつかの巻き布を選び出してヒロに尋ねた。


「ヒロさんはどの色がいいですか?」

「何を作る布なんだ?」

「コズエちゃんからはヒロさんの好きな色を選ぶようにと言われてます」

「だから何を作るのか教えてくれないと」

「好きな色を選んでください」


 コズエが何を作るつもりなのか知っているサツキは、ヒロの質問を無視して笑顔で選択を迫り続けた。用途を教える気はないらしい。諦めてヒロが選んだのは深い緑色の布だった。サツキはその布を店員に渡し十マールを切ってもらった。他にも同じ布地の色違いで濃紺とアズキ色と濃い紫色の布を選ぶ。


「これで終わりか?」

「あと二つ選ばないといけないので、ヒロさんはあちらで紐を選んでてもらえますか?」

「紐?」

「好きな色の紐を四本、十二マールおねがいします。紐の太さはヒロさんの小指くらいの太さのものをお願いしますね」


 そう指示を出してサツキは布選びに戻っていった。


「紐でしたらこちらですよ」


 戸惑うヒロを装飾材売り場に案内した店員は、選択肢が多すぎて困り果てる様子にさりげなく助言をし、サツキの選んだ布に合う色味の紐を選ばせたのだった。

 紺と濃赤の柔らかい素材の布もあわせて購入し、二人は服飾素材店を後にした。


「それで、コズエは何を作るつもりなんだ?」

「エンダンでのお楽しみです」


   +


 地図は情報の塊だ。正確で詳細な地図があれば、この世界の戦争で勝つことは難しくない。ギルドの資料室で港町エンダンの資料を調べていたアキラは気づいた。


「この人口で『町』なのか? せいぜい村だろうに……店も多いな。飲食店が二つ、食料品店が一つ、道具屋が一つに宿舎が二つ」


 エンダンの町民は三十人。漁師の大半は近隣の村に居住しており、漁に出る間は漁師専用の宿舎に泊まり、それ以外の時は村に帰っている。町民のほとんどが店の経営者と従業員だろう。


「漁港がここで、漁協組合の建物がここ……宿舎は港に近いのに、繁華街が遠い」


 海岸線を指でなぞっているうちに気づいた。地図には記されていないが、漁港とは別に港がある。おそらくは軍港。


「王都とは目と鼻の距離だし、海軍があっても不思議じゃないか」


 飲食店や食料品店といった店舗がある側におそらく軍港があるのだろう。


「近づかないように注意しておかないと不味いな」


 好奇心に負けてフラフラと飛び出しそうなメンバーがウチには多すぎるとアキラは溜息をついたのだった。


   +


「明日から少し街を離れます。前回ほど長くはならない予定なんで、留守の間マユをよろしくお願いします」


 そう言って頭を下げたシュウに、灰色の服の女性は鋭い視線を向けた。


「シュウさん、前々からご相談しております件に、お返事はいただけませんか?」

「それは……考えてるんですけど」


 煮え切らない返事に、女性は大きな息を吐いた。


「できるだけ早めに、ご決断ください」


   +++


 港町エンダンへの馬車は、東門より早朝に出発する。

 二の鐘と同時に多くの冒険者を乗せた幌のない荷馬車が走り出した。屈強な冒険者達は荷台に直に座り、足りない睡眠を補うように目を閉じている。


「次ははじまりの森、はじまりの森~」


 東門からすぐの初心者向けの森には「はじまりの森」と言う名がつけられているようだ。馬車は停留所のような看板のところで止まり、再び走り出した。馬車は森から離れ、小さな集落の前で村人を一人乗せた。


「次はオークの狩場、オークの狩場~」

「おう、降りるぜ」

「次、止まります」


 オークの森と書かれた停留所で大半の冒険者が馬車を降りた。オーク狙いの冒険者達が馬車を降りると、荷台は足を伸ばしてくつろげるくらいに広くなった。


「停留所でやってるあれ、なんなのかな?」


 馬車が停留所につくたびに御者が杭打ちされた看板に下げられていた二つの赤い板片のうちの一つを取り、代わりに黒い板片を引っ掛けていた。


「王都とエンダンの駅馬車は一日往復二便だ、一便目が通過するときに赤札を黒札に取り替えておけば、この停留所の一便目は通過したんだと一目でわかるだろう」


 御者は御者台に戻ってきてコズエたちの疑問に答えながら馬車を動かした。


「赤い板札が二つあったのに、片方だけしか交換しなかったのはどうしてですか?」

「左側の赤札はエンダンからの上り便の馬車用だからだな」


 午前の便が通過すれば黒札に変わり、午後の便が通過すれば赤札に変わることで、馬車に乗りたい者は次の馬車のおおよその時刻を把握する。


「時刻表を貼りたかったんだけど、こっちの人たちは鐘の音で時間を把握してるだろ、街から離れると鐘の音は聞こえないからボツにした。馬車が通過したことさえ分かれば待ちぼうけしなくて済むと思って札の交換にしてみたんだ」


 日焼けした御者の顔は自分の導入した停留所システムが定着したことに満足そうに笑っていた。


「次はハシノ村、ハシノ村~」

「ハシノ村で降ろしてくれよ」

「はい、次ぎ止まります」


 短距離の駅馬車は降りる時に料金を支払う。乗った停留所と降りる停留所で料金が異なるのだ。


「バスだな」

「路線バスだ」

「俺はバス運転手だぜ」


 短距離の駅馬車の御者マサカズは、元路線バス運転手の転移者だった。


   +


 乗客がシュウやコウメイらだけになるとマサカズの口調が砕けたものに変わった。


「シュウの同級生なんだってな」

「クラスメイトなのが俺で、アキが俺の塾友、その妹と友達です」

「年齢の近い者同士で転移できたのか、生活は大変だったろうけど気持ちは楽だったろうな」

「俺としては頼れる大人が欲しかったですよ」

「ははは、俺はシュウの足を引っ張ってばかりだったぜ。若いつもりでいても身体は動かないし、思ってた以上に固定観念に縛られてて馴染むのに苦労したしな」


 趣味でオンラインゲームを楽しんでいたので、転移後も何とかなると楽観していたが、予想以上にハードで思い通りにならない世界だったと、マサカズは懐かしそうに目を細めた。


「シュウは獣人ってだけで随分悪目立ちして苦労してたけど」

「マサカズさんだって最初はドワーフにしようかなんて言ってたじゃねーか」

「一度は選択したんだけどな、猫耳に変更しようと思ってキャンセル押した直後にこっちに飛ばされて、ぎりぎりセーフだった」

「猫耳ですか」


 世界に順応するのに苦労したと言う人の台詞とは思えない欲望の告白だ。ヒロが呆れの声をこぼすと即座に強い主張が返ってきた。


「「ケモ耳はロマンだろ!」」


 そのロマンが原因で生き難くなっているはずのシュウも、苦労をつぶさに見ていたはずのマサカズも、全く懲りていないようだ。


「神様の夫婦喧嘩だっけ? 変なのに巻き込まれてお互い運が悪かったよな」

「生き延びられてる時点で結構運がいいと思いますよ」

「そりゃそうだな。こっちに来なきゃ嫁ももらえなかっただろうし」


 四十歳を過ぎても独身だったマサカズは、こちらの世界で出会った女性と結婚したのだと鼻の下を伸ばして自慢げに言った。


「最初はシュウと二人で冒険者やって金を貯めてから、短距離路線の駅馬車屋を始めたんだ。嫁さんは俺の事業に理解があって色々アドバイスをくれるんだよ」


 路線バスのような交通手段やシステムをそのままこちらの世界に持ち込むのは難しい。マサカズの話を聞いて、王都近辺で受け入れられそうなものに手直しをしたのが嫁なんだとか。


「やり手だな」

「今は東門の路線だけだが、そのうち西門から村を巡って港町へくる路線の営業も始めたいんだ」


 現在の路線は一日往復二便だが、港町へ魚を仕入れに行く個人商やオーク狩りの冒険者達のおかげでそこそこ儲かっているらしい。

 マサカズのと会話は弾んで続き、四の鐘に少し遅れて馬車は港町に到着した。


「次は終点、エンダン、エンダン~」

「はい、降りまーす」

「運賃はお降りの際にお支払いください。東門からだから三十ダルだが、同郷のよしみだ、半額に負けとくよ」

「駄目ですよ、そういう値引きは良くないです」


 財布を取り出したコズエがきっちり六人分の料金を運賃箱に入れた。

 停留所で馬車を降りると、すぐそばには二階建ての建物がある。これが冒険者ギルドのエンダン出張所だ。停留所は高台にあるらしく、そこから見下ろした先に海が広がっていた。左手には漁港だろうか、漁船の連なる船着場と平屋の建物が見えている。右手には砂浜が続き、少し離れたところには大型船用の係留施設があった。ささやかな繁華街と思われる建物の連なりもその近くに見える。

 コズエたちは防波堤まで駆け寄り、太陽の光を反射させキラキラと輝く海を眩しげに見ていた。


「海だぜっ」

「海ですねっ」


 最後に馬車を降りたシュウに、マサカズは真剣に言葉をかけた。


「年長のくせに先に逃げ出した俺が言えることじゃないけど、やっと友達に会えたんだ、シュウも早いところ自由になれ。お前にゃ責任はないんだからな」


 案じる視線からわずかに視線を逸らせたシュウは「はい」とも「いいえ」とも答えられず、曖昧に笑ってコズエたちの後を追ったのだった。



変換ミスないように頑張ります、とか書いておきながら、やっぱり誤字……。

他の作者様たちはどうやって誤字チェックしてるのでしょうか。

目が滑りませんか?

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