魔術都市アレ・テタル 錬金魔術師
ジョイスと共に依頼を達成して戻ったコウメイたちは、借りていた成金指輪を返却し、受け取った報酬素材をギルドで売却した。羽蜥蜴の皮六枚、牙六対、肉四匹分で四千五百三十ダル。これに討伐報酬が加わるのだが、ジョイスの申告した数とコウメイたちが申告した数が一致せず少しばかり揉めた。
「俺たちが殺ったのは六匹だ。三匹はジョイスが一人で倒したんだから、俺たちが受け取るわけにはいかねぇだろ」
「……」
「今まではジョイスが屠った分も報酬として冒険者に支払ってたらしいが、いいのか?」
間に入ったブレナンが、顎を掻きながら呆れた風に両者を見比べた。
「ジョイスが金に困ってるのって、皮や肉の損失を討伐報酬で補填してきたからだろ。今回は最初の三匹の後は留守番してもらって、報酬の素材はきっちり確保できてるんだから補填の必要はねぇよ」
「往復で討伐したゴブリンと銀狼の報酬もありますし、ジョイスさんから色々ためになる話も聞けて助かったし、情報料って事でいいと思いますよ?」
「……っ」
感極まったのか、ジョイスの目が潤んでいる。
「お人好しっつうか、お前ら冒険者らしくねぇなぁ」
「そうですか?」
「まあいい。ほら、紹介状だ。ジョイスからも一言口添えしてやってくれ、お前の師匠だ」
もちろんです任せてください、とでも言うようにジョイスは何度も首を上下させた。
「何時ごろ魔法使いギルドに行くつもりだ?」
「できるだけ早く、と考えていますが」
「…………」
「明日なら七の鐘以降なら居るそうだ。明後日は一日不在で、明々後日は昼前までならあいてるってよ」
「じゃあ明日だな」
頑張れよ、と謎のニヤニヤ笑いでブレナンはコウメイたちを見送ったのだった。
+++
魔道具と魔武具、二つを別ける綿密な境界線があるわけではない、とジョイスに教わった。日常生活に使う道具であっても、戦闘に巧く活用することもあるし、戦いを補助するために作られた魔武具であっても生活に活かされているからだ。
聴力を強化する指輪は、狩りや討伐で魔物の気配を聞き取るために生み出された魔武具だが、ジョイスの声を聞き取るために使ったのは魔道具としての使い方だ。
「魔法使いギルドとしては、魔道具師が作ったものを魔道具、錬金魔術師が作ったものを魔武具、と分類しているらしい」
現在アレ・テタルのギルドに所属する魔道具師は三十人ほどいるが、錬金魔術師は五人にも満たない。
「そんなにレアな人を紹介してもらえたんですね。ブレナンさんってもの凄く偉い人なのかなぁ?」
「専任ってくらいだから、魔法使いギルドにそれなりのコネを持ってるんだろうぜ」
五人は軽装だが武器を携えて魔法使いギルドに向かっていた。来訪者から無断で魔力を盗むような組織だ、いくら紹介状があるといっても、無防備ではいられない。コズエの槍とサツキの自動弓は流石に物々しすぎたし、コウメイの長剣は威圧感がありすぎたため、それぞれ予備の武器ではあったが。
「……見間違いかしら?」
「どうしたサツキ?」
「この前の時と壁の模様が違うような気がするの」
白い円柱の塔壁に描かれた、色とりどりの模様。
「前のときの模様は覚えてねぇなぁ」
「魔方陣、に似ているな」
「ジョイスさんの魔術のアレですよね」
壁の模様を眺めていても何かが起きるというわけでもない。早々に見飽きた五人は魔法使いギルドの階段を登っていった。
案内ブースにいる黒ローブの魔術師に紹介状を渡すと、壁際の長椅子を示され少し待つようにと言われた。板張りの簡素なベンチはかなり古い物らしく、細かな傷が目立っている。
「……魔力は盗まれているか?」
「ああ、前回よりは少ないが、抜かれている」
ロビーの床、壁、装飾、天井の照明、と魔道具らしい物がないかと探してみたが、コウメイの目には怪しいものは見つけられない。
「お待たせいたしました。ご案内いたしますのでどうぞ」
わざわざ案内ブースから出て壁際にいたコウメイたちに声をかけた黒ローブの魔術師は、一番の扉まで五人を導いた。
一番扉の先は、部屋ではなく長い廊下だった。左側の壁はほのかに発光していて、廊下全体を明るくしている。塔の直径よりも長くまっすぐに伸びる廊下。まさにどこでもドアのようだ、ここは魔法使いギルドの塔の内部ではありえなかった。
黒ローブの魔術師が先導して進み、最初の角を曲がったところにある部屋に案内された。
「どうぞ、お入りください」と彼女が手動で扉を開け、コウメイたちを促した。
装飾を施された重厚な扉は音もたてずに静かに開く。魔法使いギルドに乗り込むときとは別の緊張に背筋が伸びた。
部屋は執務室のようだった。壁は明るめの色だが、重厚な机や椅子、窓際に置かれた応接セットはシックで落ち着いた色合いで統一されている。部屋の中に居たのは紫のローブを着た女性、スライム捕獲の時に魔法使いギルドのギルド長だと名のったミシェルだった。穏やかな笑みを浮かべ五人を招き入れる。
「お待たせしました。わたくしが錬金魔術師のミシェルです。あなた達が魔武具の修復を依頼したいという方々ですね?」
「忙しいところに無理を言ったようで申し訳ありません、アキラと申します」
アキラが一歩前に出てミシェルと向き合った。
「古い知人からの紹介ですもの、弟子も随分とお世話になったようですし、わたくしの力でよければ喜んでお貸しいたしますわ」
窓際に置かれた応接席をすすめられた。アキラはテーブルを挟んだミシェルの正面の椅子に座り、その斜め後ろにコウメイが立った。テーブルの片面の長椅子にはコズエとサツキが腰を下ろし、後ろにはヒロが立つ。
「わたくしに修理を頼みたいという魔武具は、いったいどのようなものでしょう?」
「製作者も不明、設計図も存在しない、そんな魔道具なのですが」
「あら、それは珍しい。かなり古い物なのでしょうね。伝わった軌跡もお分かりになりませんの?」
「正体のわからない物は修理できませんか?」
「いいえ。わたくしは設計図の消滅した魔道具の修理経験もあります。もちろん力及ばない可能性もありますが、よろしければその魔道具を拝見させていただいても?」
魔法使いギルドに感じた高慢さや狭量さを感じない、穏やかな声と親しみやすい寛いだ表情に、アキラは警戒を少し緩めた。
上着の内ポケットから取り出しテーブルに乗せた銀板を見たミシェルは、目を細め温和な表情を引き締めた。
「触ってもよろしいかしら?」
アキラに断ってからのばされた指が、かすかに震えているように見えた。
「同じものをご存知ですか?」
「え……ええ、以前に当ギルドを訪れた冒険者が持っているのを見たことがあります」
コウメイの肩がわずかに動いた。上着の裾を払うような自然な動きで剣の柄に手を置く。
ミシェルは電源ボタンの位置を何度かノックし、ひび割れた表面を指でなぞった。その動きは、銀板の使い方を知っている者の動きだ。
「あなた達の故郷の魔武具だと、彼女達もそう申しておりましたわ」
「それって……!」
思わず腰を浮かしかけたコズエは、ヒロに肩を押さえられた。咎めるようなアキラの鋭い視線に気づき、膝の上で両手を握り締めた。
ミシェルは悲しげに目を伏せ、そっとテーブルに銀板を戻した。
「正直に言えば、わたくしがこの魔武具を直せるかはわかりません。それでもよろしければお預かりしたいと思います」
「……」
「どうされますか?」
迷うアキラに問いかけるミシェルからは謀の気配は感じられない。隠し事をしているのは間違いないが、彼女個人に対しての嫌悪は湧いてこなかった。彼女の弟子のジョイスも面白い人物で悪くはなかった。師弟は似るものだ。
「修理を、お願いします」
いいのか、と問うコウメイの視線に小さく頷いて、アキラは銀板をミシェルの前へ押し出した。
「お引き受けいたします。設計書のない初めての魔武具ですので、お時間を頂きますがよろしいですか?」
「どのくらいかかりますか?」
「そうですわね、一ヶ月いただければ、直せるのかどうかハッキリすると思います」
それは思っていたよりも長い。アキラは意見を求めるようにサツキたちを見た。
「皆さんと話し合う必要があるのでしょう? 少し席を外しますわ、決まりましたらこのベルを鳴らしてくださいね」
そう言うとミシェルは静かに執務室を出て行った。ドアの閉まる音と同時に、示し合わせたようにいくつもの溜息がこぼれる。
「緊張、しました」
「コウメイさんの殺気がすげぇ」
「偉い人相手に何やってんですか」
ぐったりとソファの背に身体を預けて天井を見ているコズエに、項垂れて肩の力を抜くサツキ。ヒロはコズエたちの座っている長椅子の端に手を突いていた。
そんな三人を見てアキラは鼻で笑った。
「どっちかというと、コウメイは魔女の手の平のうえで遊ばれていたぞ」
「え?」
「ギルドの頂点にいるだけあって隙がねぇ。俺程度の力量じゃ、剣を抜いた瞬間にやられてたろうな」
「火だるま、だな」
発動寸前の魔術がミシェルの横で待機していたとアキラが言うと、三人は絶句した。
「……何やってたんですか」
「腹の探りあい?」
「若造じゃ相手にならない大物だよ」
だから何をやっていたのだこの二人は、と三人の作り笑いが引きつった。
「さて、一ヶ月ということだが、どうする?」
最低でも一ヶ月はアレ・テタルを離れられなくなる。
「修理したいのはアキのスマホなんだから、アキが決めていいぜ」
「アキラさんがいいなら俺達は別に、なあ?」
「お兄ちゃんが決めて」
「私も、それでいいです。でも、コウメイさんのお友達の方はいいんですか?」
「王都なら乗合馬車で三日の距離だし、そう急いでもねぇし」
そこは急ぎましょうよ、という女子二人の視線を無視したコウメイは、アキラの椅子の肘掛に腰を降ろした。
「何だかなぁ……ギルドの上の方とか避けまくってきたのに、アレ・テタルで一番やっかいな所とつながりができるんだよ」
「修理を依頼しただけだぞ。それ以上に接触するつもりはない」
どうだか、とコウメイが小さく息を吐いた。
アキラはミシェルの執務机に近づき、ベルを鳴らした。
「思っていたよりも早かったですわね」
ミシェルは数枚の羊皮紙を持って部屋に戻ってきた。
「お預けすることにします」
アキラの返事を聞いたミシェルは、引き出しを開けて薄く小さな金属プレートを二つ取り出し、ペンで何かを書き記す。
「こちらが魔武具の修理契約書になりますわ。期限は一ヵ月後にしております。預り期間の間にこの魔武具が修理可能なのかどうかの結論を出してお知らせします」
「代金はいつ支払えばいいのですか?」
「本来はお預かりする時点で内金を頂くのですよ。今回は紹介者にも念押しされておりますので、修理可能の場合にだけご請求いたしますわ」
「あの、修理できるとなった場合、お値段は幾らぐらいになりますか?」
パーティー財政を握っているコズエが恐る恐る尋ねた。
「設計書の残っている魔武具の場合でしたら五万ダルからになりますわ」
「コレの場合は?」
「修理の難易度にもよりますので、なんとも」
時価かぁ、とコズエが唸る。
「では連絡いただく際に見積もりをください。金額によっては修理を取り下げますがかまいませんか?」
「結構ですわ。その際には調査費用だけご請求してもよろしい?」
「安くしていただけると助かります」
「ふふ、では紹介者に半分請求することにしましょうか」
修理にあたっての取り決め事項を記録し、二人がサインを入れた。インクが乾いたのを確認してから、ミシェルが羊皮紙の表面を指でなぞる。小さな光が指の軌跡を追って複雑な模様を描いた。
「魔法……っ」
「契約魔術ですわ」
ぽかんと口を開けて一連の不思議を見ていたコズエに、ミシェルは悪戯っぽく微笑んで見せた。
羊皮紙の表面をなぞり終えた光は二つに割れ、机上の金属プレートに落ちて吸い込まれた。その片方をアキラに差し出す。
「どうぞ、預り証をお持ちくださいな。修理の目処がつきましたら光らせてお知らせしますので、訪ねてきてくださいな」
金属プレートは銅製、表面に色鮮やかな砂が貼り付けられているが、これは砕いた魔石だろうか。
「そうそう、次にいらっしゃるときはギルドではなく、東二区画のサットン邸の方へ来てくださるかしら」
「……それは、この部屋の本来の場所、ということですか?」
「ええ、そうよ。あなたはあまりギルドに近寄らない方がいいでしょうし」
ミシェルは温和な笑みを浮かべたまま、頬にかかる髪を耳の後ろへとかきあげた。その指が、アキラに見せ付けるように、耳を撫でていた。
「!!」
コウメイがとっさに抜きかけた剣を、アキラの手が止めた。
彼女は笑みを貼り付けたまま扉を手で示した。
「疑問があればブレナンへお願いね。彼ならこちらの事情にも詳しいから。お帰りはギルドを通ってくださいね。入ったところから出るのは当たり前ですから」
音もなく扉が開き、廊下にはアキラたちを案内した黒ローブの魔術師が待っていた。
+++
来た時とは異なる廊下を歩き、五人はロビーに戻ってきた。相変わらず受付の二人以外に人はいない。五人は無言で玄関を出た。階段を降り、魔法使いギルドから随分離れたところで、ようやく足を止めていた。
無意識に我慢していた息を吐いたヒロは眉間にしわを刻んでいだ。
「今さらだが、ピリピリした雰囲気の所だったな」
「ミシェルさんって、見た目は癒し系の人だと思ってたのに、最後の方は少し腹黒い感じがしなかった?」
「組織のトップなんてあんなもんだろ」
おっとりと穏やかな笑顔のミシェルを見た時、コズエは回復魔法専門の魔術師のようなイメージを持った。だがアキラとの交渉の様子は隙がなく、コウメイによれば笑顔の下での壮絶な戦いが展開していたらしい。気づけなくて良かった。
サツキは兄の腕を掴み、不安そうに見上げた。
「あの人に修理を頼んでよかったの?」
「彼女個人は善良なんだと思う。でなければ忠告なんてしないだろう」
「魔法使いギルドに来るなってやつ? 俺は罠を張られたような気がしたけどな」
道で立ち話するには内容が内容だ。ブレナンに一応の報告もするべきだろうと五人は冒険者ギルドの二階へ場所を移した。ギルド二階の喫茶店はアルコールを出さないせいか、いつ訪れても客は少ない。五人は入口から遠い隅のテーブルに座った。
コズエとサツキは果実のジュース、ヒロとコウメイは冷たいコレ豆茶、アキラは温かいコレ豆茶だ。喉を潤して一息つくと、さっそくコズエが疑問をぶつけてきた。
「さっき罠を張られた、って言ってましたけど、アレどういう意味ですか?」
「自分からは詳しくは話せないけど、知りたきゃブレナンさんに聞いてくれってあたりが、俺たちが自主的に巻き込まれるのを期待してるように感じたんだよな」
「巻き込まれるって……犯罪とか、ですか?」
「どうだろうな。自分から転移者の存在を仄めかしてこっちの反応を見てたくせに、詳細は話そうとしなかっただろ」
そういうところが気に食わない、とコウメイは渋い顔だ。
「それに、アキがエルフなのは見抜かれてたしな」
「フードで隠してたのに?」
「ああいう場面では被り物を脱ぐのが礼儀だろ。アキはフード被ったままだったんだぜ。普通なら礼儀がなってないって腹立てるだろ。それに」
アキラに見せるようにして不自然に撫でた耳。知っているぞ、気づいているぞという牽制だとしか思えなかった。
「笑顔が胡散臭すぎるんだよ」
確かに、ミシェルの顔を思い出そうとすると、穏やかな笑顔しか浮かんでこない。
「ニコニコしてましたよね」
「ポーカーフェイスがとても上手だったのでしょうか」
「アキがフードを脱げない理由を知ってて気づかないフリしてたとしたら、囲い込みが目的かもなぁ」
「魔法使いギルドに所属するように仕向ける、とかですか?」
アキラ程の魔力があるなら、ギルド登録も問題はないだろうし、魔術学校のテストも余裕でクリアできそうだと素直な感想を言ったコズエに、アキラはコレ豆茶の香りを楽しんでいたカップを置いて息を吐いた。
「魔術師になるつもりもギルドに登録するつもりもないが、下手に係わったら強引に契約させられそうな感じだったな」
「あっちのギルドは義務とか制約とかスゲー多そうだし、面倒事しか思いつかねぇよ。ギルドに登録するメリットなんかないんだ、逃げる一択だろ」
「魔術の知識に興味はあるが、身の安全が最優先だからな」
アレ・テタルで魔術関係の資料を集めようと思っていたアキラだが、ギルドを避けての情報収集は難しそうだと半ば諦めたようだった。
「それじゃあブレナンさんに転移者の事を聞くのもマズイかなぁ」
銀板を見せて、同じものを持っている冒険者を知りませんか、と訊ねるのが一番手っ取り早かったのだが、両方のギルドが協力関係にあるのなら、藪蛇になりかねないことはコズエにもわかる。
「私たち以外の転移者に会ってみたかったんだけどな」
「見ず知らずの他人なのに?」
「それはそうですけど、その人の冒険者生活はどんなのだったのかとか、聞きたくなりません?」
こんな事あったよね、とか。あの時は大変だったけど、今は何とかなったよね、とか。そういう事を話せるのは同じ転移者しかいないのだ。話を聞きたいし、聞いてもらいたいとコズエは時々思う。
「あんまり興味ねぇなぁ」
「コウメイさんって、結構薄情ですよね。お友達探しも全然急がないし」
ぷうっとコズエの頬が不満で膨らんだ。
「連絡が来るのが一ヶ月後ということは、アレ・テタルも賃貸に移った方がよさそうだな」
「修理費も結構高額みたいだし、頑張って稼ぐしかないですね」
ナモルタタルを出る時に、ギルドに預けてあった財産は全て証券化して持ってきていた。それをアレ・テタルのギルドで現金化しておく必要がある。全財産を使っても修理費用には足りない計算になると言うコズエに、アキラはパーティーの共有財産を使うつもりはないと断った。
「費用は俺の金から出すから大丈夫だ」
「ダメですよ。修理費はパーティーの経費にします。いいよね、ヒロくん」
「アキラさんが自己負担したら、俺たちの銀板が壊れた時の修理代も自分で出さなきゃならないですよね」
現在、収入の九割をパーティー会計に回しているため、個人資産はそれほど多くはない。もしも銀板に修理が必要になった時に自己負担となるのは経済的にかなり厳しくなる。
「壊れたのはパーティー結成前だぞ」
「じゃあ半分はアキラさんの個人資産で払ってもらって、残りはパーティー資金からでどうですか? これから先のスマホ修理は全額パーティー会計で負担することにしましょう」
その辺が妥当だと多数決で決まった。
「修理費は値切れるかな?」
「それはブレナンさんからお願いしてもらうしかないんじゃない?」
「じゃあ値切りを頼みに報告行くか」
「ギルドに賃貸物件も紹介してもらいましょうよ」
「このあたりの討伐魔物の確認もしたいです」
アレ・テタル周辺の討伐対象の魔物は、初見の魔物も多そうだ。特徴や報酬額など調べておきたい。
「魔物……海老餃子」
「いいですね、それ! 羽蜥蜴討伐してエビチリ食べたいですっ」
「エビマヨも」
コウメイが満足する台所のある物件を借りられれば、羽蜥蜴を料理してもらえるじゃないか。
「アキのフードプロセッサーでツミレ状にして焼いても美味そうだよな」
「野菜との炒め物も美味しそうです」
残った飲み物を一気に片付け、五人はブレナンを探しに階下へと移動を始めた。




