作戦会議①
ご覧いただきありがとうございます!
学生組の年齢差をさらっと載せておきます。
ミツキから見て
レン(一つ上)
ミカゲ、ハイドレンジア(同い年)
ソウ(一つ下)
リーフ(二つ下)
となっております。(誕生日の概念入れるとストーリーで触れるかややこしくなるのでひとまず年齢差だけ載せました)
おはようございます!
よく眠れました。疲れていたのかもです。
ひとまずランニングをするためジャージに着替えます。
通知を眺めつつジャージに着替えます。
Your Story -ミツキ-
82ページ目
オリジナルアイテムの価値は貴女にも、周りにも値千金、というものでしょう。扱いには注意しましょう。
レダン帝国の王宮へと足を踏み入れました。
華美な庭園はありませんが、実直な、シンプルな美しさを持つ王宮です。
有事の際には帝国民を抱え込むシェルターとなります。
……初めて牢獄へと足を踏み入れました。
悪魔に対する警戒をしている王宮で契約者である貴女はセキュリティに引っかかってしまいました。
これも良い経験となるでしょう。
ちなみに王宮側は大慌てだったようです。
レダン帝国、帝王と邂逅しました。
彼は黒豹の獣人であり、黒豹でありながらレダン帝国で最速を誇る軍人でもあります。
レダン帝国の枝より依頼を受け、地下水脈へと足を運びました。
そこで地下水脈への呪いの元、憑依した悪魔と邂逅し、捕らえました。奈落の悪魔の助力で呪いの元を破壊しました。
枝は間もなく地下水脈の呪いを浄化するでしょう。
結果、新たなイベントの起点を作りました。
これは、貴女が歩み進めた物語。貴女達の選択で、結末が変わるでしょう。
貴女達の庭へ月の祭壇が加わりました。
冷酷で無関心な時もあれば温かく柔らかい光で導いてくれるでしょう。
お疲れ様でした。
「なんっ!?」
久しぶりにみっちりです!
この機能も、よくわからないんですよね。
この物語を書くためのAIがいるのか、どのような仕組みで物語が綴られているのか……
ま、まあこう振り返ると濃い一日でしたが!
うぐぬ……今日はクエストの話し合いの予定です。
ランニングから戻ったらゲームにログインしましょう。
朝食を済ませてログインしました。
アイテムボックスから軽く摘んで、念の為ディアデムも喚んでおきます。
ホームを出て朝日を浴びながら深呼吸をします。
うーん、空気が美味しいです!
ガーデンに向かって、草花に水を撒いて、祭壇で拝礼します。
何度見ても、朝日差し込むガーデンと神殿風ガゼボのこの風景、良いですね!視界が鮮やかです。
世界樹の元へ向かってフルーツポンチを供えて、ストレッチをします。
ここは勝手にパワースポットだと思ってますので、なんだかパワーを蓄えられたと思います。
世界樹の元での森林浴とか、パワー貰えますよね!
「ミツキ氏おはようございまーー」
「おはようございます!」
「清々しい朝ですなー」
欠伸を噛み殺しながらミカゲさんがホームの方向から歩いてきました。
その後ろにはジアちゃんとリーフくんの姿も見えます。
「パワーを蓄えてました」
「世界樹パゥワーはとんでもねえですよ」
「おはよう、二人とも」
「どもっす」
「おはよう」
「おはようですわー!」
「ミカゲさんはテスト問題ないのかしら?もしかしてテスト終わってたり?」
「およ?まだですなー」
ジアちゃんからの問いかけに、ミカゲさんが瞬きました。そして顎に手を当てると、空中を見つめます。
「……まあ、テスト範囲の問題集暗記すればどうにかなりますわ。大体問題集から出ますし」
「うおおミカゲさん暗記得意そうっすね」
「覚えるのは得意ですけど理解してるかは怪しいですよう。点数取れるけどテスト終われば忘れますわ」
「ひゃあ……」
「まあ興味のあるものは忘れませんけどね!」
ミカゲさんは親指を立てながらウインクしました。
錬金術師ですし……計算得意そうですよね!
「わたしも好きなものは覚えますね!」
「忘れられないですよねー」
「おー、学生頑張れ」
兄の言葉に振り向くと、兄とソウくんがいました。
ソウくんは目が合うと小さく会釈しました。
「ソウさんの所もテストっすか?」
「僕は今の時期、そこまで難しくは無いからね」
「……後で、教えて欲しいっす」
「僕で良ければ」
そんな話をしていると、空からレンさんが降りてきました。……空から??
「……レン氏にとっては森も訓練場ですなー」
「今木から木に飛び移ってませんでした?」
「かっけえっす……!俺もやってみたいっす」
「はよ、レンくん」
「……おはよう、ございます」
「レン氏は……いいですわ頭良さそうですし」
「ンだよ」
「レンさんは何でも卒なくこなすイメージですね」
わたしの言葉に目を丸くしたレンさん。
なんというか、器用そうです。
「……一回見れば覚えるだろ」
「カーッこの発言ですよ、解散!作戦会議しましょう!ボクはミツキ氏のリーダー会議にくっついていきますわ!レン氏も護衛でお願いします」
「……ンなの必要か?」
「圧として!必要ですわ!」
「あー、ミツキは仲間集めないとな。俺はレベル上げっかな」
「僕も皆さんに追いつかないといけないので、レベル上げに行きます」
「ソウくん、一緒にどうかしら?前衛はリーフもいるし」
「お、俺とリーフくんで前衛してジアちゃんとソウくん後衛パーティー組む?」
「!面白そうっすね」
「リューさんいいんですか?」
「んにゃ俺暇してるからレベル上げ手伝わせてよ」
「じゃあ、お願いします」
うっ……作戦会議……!
ちゃんとアーサーさんとカメリアさんと、作戦会議しないと!
「……レンさん、カメリアさん居るんですが、大丈夫そうですか」
「………………………俺の事は空気だと思え」
「無理がありますわ。でも居るだけで心強いので連れて行きますね」
「わたし一人だと緊張して何も話せないかもなので……お二人が居ると、心強いです」
いや本当に!口下手なので……
ミカゲさんにはフォローを頼みたいですね。
「早めの待ち合わせにしましたし、そろそろ移動します?」
「そうしましょう。終わったらわたしも依頼とレベル上げしたいですし、ポーションも作りたいですね」
「今日作戦会議をして、色々と決めましょ!」
ミカゲさんの言葉に頷いて、皆と別れて移動しました。アヴァロンとの話し合いでも使わせていただいた、ミカゲさんの知り合いの店です。
「どもですマイヤー氏」
「本日もご来店誠にありがとうございます……ちゃんと特別な部屋を開けておいたよ」
「ありがとうございますー!」
「お世話になります……!」
マイヤーさんの案内された部屋に入ります。
以前の部屋とは異なり……こう、円卓な!会議用の部屋、という感じですね。
「さて今日はミツキ氏がメインなので上座……というかわかりやすく奥で」
「えっ」
「どこに座っても見え方は変わらないですがね!しかもこの部屋防音バッチリなんですよ。秘密のオハナシするのに最適ですわ。この間の部屋はソファとかで緩めでしたけどね」
ミカゲさんに手を引かれて椅子に座らせられました。うおお、この椅子柔らかくて弾力があります!お尻が痛くない感じの椅子です!
「やあ、お邪魔するよ」
「すごい店だなマジで」
椅子の座り心地を確かめてた時、カメリアさんとグランさんが入ってきました。
カメリアさんはこちらをみて微笑み、グランさんは片手を上げました。
「おはようございます、お二人とも」
「やあ久しぶり……まではいかないけど、強くなっているみたいだね」
「カメリア氏たちのエクリクシは、安定した強さがありますからなー。またレベルが上がってらっしゃる」
「猪突猛進なリーダーを持つとレベル上がるんだなコレが」
「……おや、私達が最後でしたか」
二人の後ろからアーサーさんと嵐スロットさんが入ってきました。
目が合うと会釈されたので、わたしも会釈で返します。
「本日は何やら大事な話があるとの事で、楽しみにしていましたよ。以前いただいたタルトは美味しくいただきました」
「アーサーさんに言われると怖いですね……タルトの件は気に入ってもらえて良かったです」
「おや、ミツキさんはアヴァロンと仲良くやれているのかな」
「同盟相手として口説き落とした所なので」
「ハハ、厄介な男だな」
カメリアさんとアーサーさんがお互いに笑みを浮かべます。その後ろでグランさんと嵐スロットさんはため息をつきました。
そしてカメリアさんとアーサーさんを椅子に座らせます。
「えっと、今回はまず相談をさせていただきたくて、来ていただきました」
「相談か……私は役立てるかどうか」
「ふふ、是非お聞かせください」
「つい先日、大規模なレイドクエストを発生させました」
「……大規模な」
「レイドクエスト」
「はい……詳細な経緯は省きますが、クエストを読み上げますね」
クエストの内容を読み上げていくと、笑みを浮かべていたカメリアさんとアーサーさんの表情が徐々に険しくなりました。
「……この内容のクエスト、しかもレイドクエストを個人に受注させるのは、さすがに危険ではないか?」
「これは中々攻めたシステムですね」
「敗北条件まであって、さすがにわたしとクランでは抱えきれなくてですね」
「お二人に助言いただきたいのは参加クランの選定、参加推奨レベルとかその辺りですなー」
「……通常その規模のクエストは徐々に情報を解禁して、情報を集めてやっとクエストとして成立するものじゃないのか?」
「いやー厄介そうなクエスト引き当てたなミツキさん」
「この手のパターンは初めてですね。これはまた……」
「うぐぬ、すみません……情報は集めていましたが、唐突に答えを貰えたと言いますか……」
悪魔の侵攻に関する情報を悪魔から貰ったとは言えないですが……!
マレフィックさんはわたしに嘘はつかないと思うので、それは確実な情報だと思います。
「それ情報ちゃうアンサーや……!って感じでしたわ。ボクもレン氏も居たので、情報は間違いないかと。有力なNPCもその場にいましたし」
「……レダン帝国防衛戦で、敗北条件は帝国軍の全滅か。帝都の壊滅とかでは無いんだな」
カメリアさんが首を傾げます。
……確かに、帝国軍が全滅したら帝都が危ないのに変わりありません。しかし帝国軍が全滅したら敗北が確定してしまうのも、よくわかりませんね……?
プレイヤーもいますし、数集めて頑張れば帝都を守れそうですが。
「……いるンだろ」
「レンさん?」
「帝都が滅びそうになったら手を出してくるヤツ。……ミツキは山で別のヤツ見ただろ」
「!」
「あー、なるほどですわ」
脳裏に白く美しい姿をしたドラゴンの姿が浮かびました。霊峰で出会った、クリスティア王国と契約している聖獣、白竜。
確かに、レダンと契約している聖獣がいるかもしれません。
「確か……『現れるのは、人が対処出来ないと判断した時』と」
「あー、帝国軍が帝国を守れないと判断されたら、聖獣が介入してくる可能性大ですな。そうしたら聖獣が悪魔を殲滅して終わり?」
「……聖獣ってあの聖獣か?図書館の本で読んだが、本当にいるのか?」
「というか弟くんの発言、見たってマジで見た?」
「……クリスティアの聖獣の話は以前騎士団長から伺いましたが、まさか目にしているとは」
「あああああの色々、色々ありまして」
「ふふ、さらに興味深くなりました」
アーサーさんの笑みが深まりました。
わたしは目を逸らします。
「……とりあえずエクリクシとしてはソロでも参加するぞ。戦闘力には自信がある。殲滅でも帝都の守りでも任せてほしい」
「守りは俺の専売特許だろ」
「帝国軍の全滅が敗北条件になっているんだ、帝国軍よりも先に悪魔を殲滅するか、帝国軍を支援するかしか無いだろう?」
「そのカメリアについていけるのはエクリクシしかいないってな」
カメリアさんとグランさんが頷きました。
カメリアさんとグランさんのレベルをチラリと見つめると、レベル78と表示されています。
レベル70を越えてからレベル上がるの遅くなったのに、そこまでレベルを上げているとは!
ちなみにレンさんはレベル76、ミカゲさんはレベル74、アーサーさんはレベル75、嵐スロットさんはレベル73でした。
わたしはレベル72ですので、このメンバーだとレベルが一番下です。
皆どれだけモンスターを倒しているのか……
「勿論アヴァロンも参加させていただきたいですね。私も戦闘力には自信がありますし、クランメンバーの統率も取れています。支援も小細工もお任せください」
「基本騎士としてアーサーと共に戦闘に参加していますので、俺達も戦闘は問題ないかと」
「顔の広さにも自信があります。声をかけるクランの選定にも力添えできますよ」
「そ、それは頼もしいです」
「ふふ、私は聖騎士ですから。悪魔との戦闘は有利に働くかと。光属性ですし」
アーサーさんと嵐スロットさんが笑みを浮かべました。そう言えばアーサーさんは聖騎士と言っていましたね。聖騎士……聖なる騎士、ですもんね。
悪魔にラクリマの破邪結界も効果がありましたから、きっと光属性の攻撃も有効そうですもんね。
「ありがとうございます、よろしくお願いします」
「ふぃー。ミツキ氏の求心力はまだ足りませんし、お二人の力添えがあるだけ大きいですわ」
「君達の名前は聞くんだけどね。でも大きく表立って活動しないだろう?名前は聞くけどどんなクランかわからない、という評価が多いね」
「武闘祭の噂に尾鰭がな……運営のサクラだとも思われていただろ?」
「それに個性的なジョブとアーツです。興味津々でしょうね」
「いつかのアーサーと同じで、割と皆さんに接触するためにお互いに牽制していたりしてますよ」
「えっ」
そうなのですか!
ミカゲさんがうんうん頷きます。レンさんは無反応です。
「ボクはのらりくらり躱してますけどね!」
「わたしは話しかけられた事はありませんね……」
「レン氏とか一番話しかけられないと思いますよ、怖いですし。ミツキ氏に話しかけられないのは……まあお互いに話しかけさせねえぜという牽制かと」
……よくポンチョのフードを被ってますので怪しくて声かけられないのかと思っていました。
まあ知らないプレイヤーと話すのは勇気が必要になるので、ギルドはサッと行ってサッと帰りましょう。
「さて少し話を戻しますが、私はクエストに参加するプレイヤーのレベルに制限をつけても良いと思います。むしろ付けてください」
「無制限で初心者に参加されてもフォローはできませんし、悪魔のレベルが不明な今参加させるメリットは無いかと。参加人数を消費するくらいなら同じレベル帯で固めても良いですよね」
「所詮烏合の衆だからな。互いの足を引っ張らない程度のレベルは欲しい」
アーサーさんと嵐スロットさんの言葉にカメリアさんが頷きました。
ふむ、レベルの制限ですか……
「ボクはレベル65か70からって考えてましたが、さすがに70は高すぎます?」
「プレイヤーの参加レベルは65からでも良いかもしれませんね。そこまで上げていれば、個の戦闘力にも期待が持てます」
「不平不満は出ると思いますが、確実に悪魔を倒し、被害を最小限に抑えられるプレイヤーを採用した方が良いです」
「アイテムの持ち込みにも制限がないのであれば、様々な攻撃手段を持つクランやパーティーに声を掛けたいが……ソロも参加出来るか?ミツキさん、クエストの詳細で試しに人数の場所とか触れてみて欲しい」
カメリアさんの言葉に頷いてクエスト欄を開きます。
参加可能クランの場所に触れると、参加クラン:0と表示されます。
参加可能プレイヤーの場所に触れると、参加プレイヤー:0、周辺のプレイヤーを招待させますか?
という表示が浮かびました。
「……パーティーじゃなくても、クエストに招待出来そうです」
「それは良いね。プレイヤーを募れば一瞬で参加招待を送ることが出来る」
「個別招待なんてクソ仕様だったらクレーム入れるね俺は」
クランを組んでいる、パーティーを組んでいる、ソロでプレイしている……プレイヤーは様々です。
クランの参加数に制限ありますが、プレイヤーは100人からです。むしろプレイヤーを100人集めなければなりません。
「NPCに蘇生薬は使えないらしいので、プレイヤーをたくさん集めないと……!」
わたしは頭を抱えつつ、小さく呟きました。
作者もこの手のクエストは手探り状態なので可笑しい所がたくさんあるかもしれません。皆様の感想でハッとなったりしています。ありがとうございます!
これからもミツキの物語をよろしくお願いします!




