帝都レガリア爆買い珍道中
ご覧いただきありがとうございます!
この物語上だと七夕の日になりますので、少しだけ七夕の話をしています( ˘ω˘)
おはようございます!
ぐぬぬ……せっかくの七夕の日なのに、どんよりした天気です。
せめて夜には晴れると良いのですが……!
ひとまず着替えましょう。
ユアストの通知も確認します。
Your Story -ミツキ-
80ページ目
新しいアイテムを作成する為に、デザートフラワープラントとデザートツリーの討伐依頼を受注しました。
デザートフラワープラントは砂漠地帯に生息し、昼も夜も関係なく花開きます。
新しい出会いがありました。時に権力者との繋がりはとても有効となります。
友から新しいアイテムを入手しました。
使う場所は考えた方が良いでしょう。
お疲れ様でした。
……ミカゲさんのアイテム、使う場所を考えろと書いてありますね。運営からのメッセージでしたか??
威力高すぎるので、砂漠や荒野などで使いましょうね!変な所で使うなよという圧力を感じました。
よし、本日はお買い物とポーション作成、です!
お買い物楽しみですね……!
よし、学校に行きましょう!
「昨日アルフレッドさんが作った料理を食べたのだけど……とても美味しかったわ」
「執事さんなんだけどね……すごい美味しいよね。今日はレガリアで買い物するから、また増えるかも?」
「……満月に振り込めばいいわね。あとで食事代としてお金渡すわ」
「冷蔵庫の中の食材と畑の食材だから実質無料って奴だよ!?」
「価値があるものにはお金を払いたいじゃない」
「それは……わかる」
好きな写真家さんの写真集を買うとき、もっと値段高くて良いのでは!?といつも思ってます。
「あとはワルドゥの雫ってアイテムがフルポーション類を作るのに必要だから、花ちゃん持っていたら欲しいです」
「……いくつかあった気がするから、保管庫に入れておくわね。二葉にも言っておくわ」
「ありがとう!」
他のメンバーにも声掛けをしましょう。
素材とフルポーションを交換で!
本日花ちゃんはレベル上げと黄金のダンジョンに行くそうです。
私も、ヘラクレスさんとオリオンさんを召喚すればたくさん倒せるかもしれませんね……!今度行きます。
午後の授業を乗り越えて帰宅しました。
兄は部屋でリモート打ち合わせ中のようなのでささっとシャワーを浴びて、夕食の準備をします。
この即席麺アレンジレシピを使って、野菜炒めを入れて……よし!
完成です!では早速!
「いただきまー……!」
「……」
「声かけてよ!」
気配を感じて振り返ると、兄が壁に寄りかかりながらこちらを見ていました。
びっくりしました……!
「腹へった……」
「食べる?」
「いや、自分で作るわ……この野菜炒め貰っていいん?」
「いいよー」
わたしは食べるのが遅いので、先に食べます。
うん!美味しい!塩ラーメンの即席麺を使いましたが、野菜タンメン風になりました!
黙々と食べ進めていると、反対側に兄が座りました。
あ、みそラーメン。
「はー、染み渡る」
「打ち合わせ終わったの?」
「おう。表紙に使いたい写真で揉めてよ……こっちがいい俺とこっちのが良さげでは?っていう編集者さんとの仁義なきじゃんけん大会が始まって」
「仁義なきじゃんけん大会」
「あいこ十二回やって俺が勝った」
謎の戦いが繰り広げられていました。
兄、じゃんけん強いですね……
「結局違う写真になったけどな」
「じゃんけんの意味」
「話し合いなんてそんなモンだろ」
「えぇ……ごちそうさまでした」
「満月、今日の予定は?」
「帝都で買い物」
「おー。俺はソウくんから相談受けてるから会ってくるわ」
「……無理な勧誘や無理強いは駄目だからね」
「大人だからしませんが??」
変な笑い方してたじゃないですか……
器を洗ってタオルで拭いて、部屋に戻りました。
雑誌を読みながら食休みをして、ログインです!
買い物なので、ディアデムはお休みでよいかと。
身なりを整えて、アルフレッドさん達を喚び出します。
ラクリマは……ゆっくりと休んで貰いましょう。人混みに向かう予定ですからね!
アルフレッドさんが一礼してキッチンへ向かいました。食事の用意をしてくれるそうです!
では今のうちに、ウィローさんと畑の手入れをしましょう。
軍手を装着して雑草を抜きます。
浮島でも生える雑草……恐ろしい繁殖力……
雑草を抜きつつ、島の星座の配置も変えます。
さそり座、かに座、おおかみ座、やぎ座、ふうちょう座にします。
星座達を見送って雑草処理をして手を洗ってホームへ戻ると、お店で出てきそうな一皿が用意されていました。
「お、お肉……!」
「ほっほ。美味しそうですな」
「どうぞお召し上がりください」
「いただきます……!」
切り分けられたステーキをソースにつけて口に運びます。
途端に口の中に広がるこれは……ベリーソース……!
「美味しいです!ベリーソースも作れるのですね!?」
「執事たるもの、ですね」
……今日は何でも言ってくださいね!買います!お財布の紐は取り払っておきます!
「ごちそうさまでした。では、準備して向かいましょう」
「はい」
ウィローさんはガーデンの手入れ、アストラエアさんは島で鍛錬するとのこと。
今のうちにクランメッセージに求むワルドゥの雫、魔力神草、月光神草と書き込んでおきます。
皆の手持ちにあると良いのですが……!
アルフレッドさんと共にレガリアへ移動しました。
「アルフレッドさん、ご入用のものは何でも言ってくださいね!」
「ありがとうございます。ミツキ様も、私の事は気にせずご覧になってくださいませ」
「……では、ひとまず歩きましょうか。わたしが迷子になりますので隣にいてくださいね……」
執事だからか、下がった位置にいるアルフレッドさんに声をかけると、苦笑しつつ隣に並んでくださいました。
よし、お買い物です!
「そこのお嬢さん!この壺なんてどうだい?笛を吹くとフラワープラントが出てくるのさ」
「フラワープラントが!?」
「品種改良されているから水をやれば育つぞ!」
「あらあ!この箱が気になるの?この箱は中に入れた物がいつの間にか消えてしまうという曰く付きの箱でね……」
「き、消えてしまう!?」
「なーんてね!ただの転送箱さ!」
「転送箱……?」
「転送箱が設置されている場所であれば、手紙や小包などを転送できるんだよ」
「ほう……そのようなものが」
「レダン国内限定だけどねぇ!」
「うぬん……」
「お目が高い!これはドラゴンの爪だぞ!」
「ふむ、ドラゴンの爪は大丈夫です」
「これは腕のいい、レダンの宝石彫刻師の作品さ!」
「……買ったらお師匠様チェックが入りそうですね」
「おや?気になるのかい?これは魔法の絨毯さ」
「魔法の絨毯!?空とか飛べますか!?」
「ヒャヒャヒャ!飛べないよ!これは魔力を流すと発熱、保温されるあったかい絨毯さ」
「……寒い所で役立ちそうですね!買います!」
「ヒャヒャヒャ!」
「こちらは鉄鉱石を使ったカッティングボードさ!傷一つ付かない優れものだよ!」
「むむむむむ……傷が付きにくいのは有り難いですが……真っ黒……」
「珍しいフルーツだよ!銀華帝国産の銀華桃さ!中々流通しないが、運良く仕入れられたのさ!」
「ふおおお!桃に不思議な模様が!」
「一つ100万リルさ!」
「ヒィ」
「……またの機会に。行きましょう」
アルフレッドさんに手を引かれ店から離れます。
色々なものが露店で売っていて、目移りしてしまいますね……!
「……ミツキ様、騙されないようお気を付けくださいね」
「…………気を付けているんですけどね。騙されてました……?」
「銀華桃の相場は一つ10万リルですね。砂漠までの流通コストを考えてもあの値段は論外ですね」
「なんと……足元を見られましたか……」
「ちなみに模様も異なりましたので偽物ですね」
「悪質では!?」
恐ろしい目に合いました……
アルフレッドさんがいなければ買っていたかもしれません……!
「……アルフレッドさん、何か良いものありました?」
「そうですね……あちらの食器を見ても良いでしょうか」
アルフレッドさんの視線の先には、モダンな雰囲気の食器店がありました。
おお、素敵な雰囲気!行きましょう!
店に入ると、入り口に立っていた店員から腕輪を受け取りました。
この腕輪をディスプレイされている品物のネームプレートに近付けると、記憶してくれるそうです。
謎技術!でもお皿持って歩くのは怖いので、有り難いです!
多くの種類の食器があります。
コスモス様たちの祭壇に供えるのに使っている食器も安いものではありませんが、こちらは柄がとってもおしゃれです!
これは星がおしゃれに描かれて……これは太陽モチーフですね!月も!これはルーナ様に良さげです!
「料理によってお皿を使い分けるのも良いですよね。アルフレッドさんも選んでいただけますか?」
「承知いたしました」
「お客様用のカップアンドソーサーも欲しいですよねぇ……」
当たると危ないのでポンチョを外しつつ、食器を眺めます。唐突にVIPがいらした時の食器も欲しいです。
「ミツキ様、こちらのデザートスタンドを購入してもよろしいですか」
「良いですね!」
アルフレッドさんの目の前には三段のデザートスタンドがありました。
こ、これは憧れのアフタヌーンティーが!
即答です。
わたしもこの縁が波のようになっているお皿を買いましょう。お皿も種類があって目移りします。
皆が集まった時には多くのお皿が必要なので、たくさん買って揃えておきましょう。
「たくさん選びましたね!」
「料理も映えるでしょう」
「じゃあ買ってきますね!」
色々な種類の皿やカップ、マグカップなどを購入しました!
店員へ腕輪を渡すと、目の前にウィンドウが出現しました。
えっと、総数三十二点で……350万リルです。
わあ……とんでもない買い物をしました。
手持ちで足りたので、そのまま支払います。
するとアイテムボックスへ収納されました。この辺り本当に便利で、助かります。
「ありがとうございました」
「またのご来店をお待ちしております」
アルフレッドさんと通りを歩きます。
アルフレッドさんの審美眼は確かなので、道中お得にホームに飾れそうなランプのインテリアも買えました。
他にスパイスや見慣れない野菜、魚を買いました。
やはり買い物は楽しいです!
「アルフレッドさん、買い忘れなどはありませんか?」
「本日の目的は果たす事ができましたね」
「では、ホームへ戻って買ったものを収納しましょうか」
「はい。本日は私の我儘を聞いてくださり、感謝申し上げます」
「我儘ではないですよ。アルフレッドさんも大切な仲間ですからね。ホームも飾り立てて良いのですよ」
「……ふふ。それは皆様の意見を取り入れなければなりませんね」
小さく笑い合いながら、アルフレッドさんとホームへと帰ってきました。
「ミツキ様、収納は私にお任せください。コスモス様方への供物のご用意をいたしますので、ミツキ様もポーション作成に取り掛かっていただいて」
「えっ大量ですよ!?」
「これくらいであれば問題ございません。時間も遅くなってしまいますし、お任せください」
「……ありがとうございます、よろしくお願いします!」
ここは収納のプロにお任せします。
アルフレッドさんの方が、綺麗に収納してくれそうです。
買い物で時間も使いましたし、言葉に甘えてポーション作ろうと思います。
世界樹の近くでポーション作りの準備をします。
サダルスウドを喚び出して、手伝いをお願いすると笑みを浮かべて頷きました。
よし!ではレシピのおさらいです。
フルポーション
魔力草+妖精の雫+ワルドゥの雫+精製水
フルMPポーション
魔力草+魔力キノコ+月光草+星の砂+ワルドゥの雫+精製水
蘇生薬
魔力神草+月光神草+カマル草+ワルドゥの雫+精製水
今読めるのは、このページですね。
クランメッセージで一部のメンバーから反応があったので保管庫を開くと、既に投入されていました。
お、おお……それなりの数のワルドゥの雫と魔力神草、月光神草があります。
みんなよく見つけましたね!?
それらを使って、【神秘】も使って、ポーション作製しますよ!
「【17:星】【星の祝祭】」
星が周囲に浮かんだのを確認します。
すると世界樹の枝が頭上を素通りしていきました。
-世界樹の祝福が付与されました-
おや、祝福が。ちらりと世界樹を見上げます。
プレアデスの《枝》
世界樹から浮島プレアデスへと伸びる枝
《枝》:新しいものが生まれる所を見るのは楽しいからね
おお、高い目線からのコメントです。
わたしも初めて作りますからね。よし!
レシピの通りに、丁寧な動作で素材を入れます。
精製水のことは……今までもサダルスウドの水を利用していましたし、継続しましょう。
鍋の水面に反射する天の川を見て、空を見上げます。
ユアストでは何も無さそうでしたが、現実では七夕です。
七夕とは簡単にまとめると織姫と彦星と呼ばれる二人が、一年に一度だけ天の川を渡って出会える日であると言われていますね。
後は技術を授かれるように祈りを捧げる日であるとか、上達を願ったりなど……色々とありますね。
浮島なので雲はありません。天の川も美しく煌めいています。わし座のアルタイルと、こと座のベガも明るく瞬いています。
きっと会えたでしょう。
まあサボタージュは時と場合によると思いますが!
再び手元に視線を戻します。
七夕パワーで、立派なフルポーションができますように!
「【精製】」
フルポーション
HPを完全回復する。
5分間の間、1分毎にHPを1割回復する
フルMPポーション
MPを完全回復する。
5分間の間、1分毎にMPを1割回復する
蘇生薬
HP20%で蘇生する
-サブジョブレベルが上がりました-
うむ!ちゃんと作れましたね!
新しいアイテムを作ったからか、レベルも上がりました。
……これを【複製】で量産すると、星のポーションができるはずです!
よし【複製】!
鑑定しながら仕分けます。
世界樹の祝福のおかげか、星の、とつくポーションが多くできています!
星のフルポーション
HPを完全回復する。
5分間の間、1分毎にHPを1割回復する。
ランダムなステータス1つを5分間向上させる。
星のフルMPポーション
MPを完全回復する。
5分間の間、1分毎にMPを1割回復する。
ランダムなステータス1つを5分間向上させる。
星の蘇生薬
HP20%で蘇生する。
星の力により、蘇生後30秒間受けるダメージが大幅に減少する。
「蘇生薬にも星の力が……!?」
はわ……受けるダメージが大幅に減少!
これはとんでもないやつです!お師匠様とリゼットさんに見せなければ……!
作れる数に限りがありますが、量産量産!
鍋を混ぜていた所、枝が目の前で揺れました。
プチッと小さく音を立てて、鍋に葉が一枚落ちました。
「葉っぱがーーーっ!?」
「ーーーっ!!」
入っちゃいましたよ!?
隣でサダルスウドも慌てて、水瓶から水が溢れました。
プレアデスの《枝》
世界樹から浮島プレアデスへと伸びる枝
《枝》:何か新しいアイテムができるかもしれないでしょ?そこの素材全部混ぜてみない??
……なんかワクワクしてますね!?
失敗しても知りませんからね!?
でも本当に今日は何か新しいアイテムができそうで怖いんですよね……
蘇生薬のため魔力神草、月光神草、カマル草、ワルドゥの雫を入れていたので、ここに世界樹の葉と……星の砂と妖精の雫、魔力キノコを投入します。
うーん、大丈夫ですかね……素材が素材の性能を相殺しませんかね……?
不安そうに見つめるサダルスウドの頭を撫でて、頷きます。
ええいままよ!
「【精製】!」
出来上がったものを瓶に注ぐと、星空のようなキラキラした液体になりました。
別に星空を反射している訳では、無さそうです。
宇宙の秘薬
製作者:ミツキ
あらゆる素材を混ぜ合わせて出来上がった謎の秘薬。
HP、MPを50%回復し、ランダムなステータスを5分間上昇させ、アーツの熟練度への増加ブーストがかかる。
「うちゅうのひやく」
レシピを無視したら、謎の秘薬が出来上がりました。
製作者としてわたしの名前も表示されました。
なんでえ……??
プレアデスの《枝》
世界樹から浮島プレアデスへと伸びる枝
《枝》:やっぱり君は面白いね!
「偶然の産物……!まさか本当に出来上がるとは……」
これもお師匠様達に報告ですね……
世界樹の葉と多くの素材を入れたら、出来上がりましたと……
「……手伝いありがとうね、サダルスウド」
レガリアで買ったジンジャークッキーを渡して頭を撫でます。
サダルスウドは軽く首を横に振って、笑みを浮かべました。
遅くなってしまいましたし、そろそろログアウトしましょう。
ポーション類をしまって、片付けて……クッキーを食べ終えたサダルスウドを還して、ゆっくりとホームへと戻りました。
アルフレッドさんのおかげであれだけ買った食器や野菜などもしっかりと収納されています。
「こちらのハニージンジャーケーキとフルーツゼリーはコスモス様達に」
「わ、ありがとうございます!」
明日朝ログインしたらお供えしましょう!
一皿ずつアイテムボックスへとしまいます。
「こちらがミツキ様へ、こちらは冷蔵庫に入れておきますので、皆様でお召し上がりくださいね」
「やったー!ありがとうございます!」
「軽食もご用意いたしましたので、ぜひ」
いたれりつくせり!アルフレッドさんの軽食楽しみですね!明日の楽しみにします。
では本日はゆっくり休んでいただきます。
また明日、ですね!
わたしもゆっくり休もうと思います。
部屋でログアウトしました。
現実は無情にも雨……ここ何年か七夕の日に晴れているの、あまり見たことないですねぇ……
兄の天体写真集を引っ張り出して、ページを捲ります。
夏の大三角形と天の川を写した写真を見つめます。
もしも、わたしも大切な人ができたとして。
一年に一度しか会えないとなったら……
どうにかして会える方法を探すのか、その日を待つのか。そんな事態にならないように、会えるようにしたいですけどね!
よし、明日はお師匠様とリゼットさんの所に星のポーションの報告をして、王宮で世界樹の世話です!
……備えて、寝ましょう。
おやすみなさい。
文章詰め込みました!そこまで珍道中ではありませんでしたね……
これからもミツキの物語をよろしくお願いします!
そして11月になったのでリマインドさせていただきます。
こちらのミツキの物語、TOブックス様より11月9日(土)発売です。美しいカバーと口絵と挿絵によってミツキの物語の解像度がぐんと上がりますので、手に取っていただければ幸いです。
登場人物を素敵に描いていただけました!




