アルヒラル遺跡の振り返りと報告
ご覧いただきありがとうございます!
お風呂と夕食を済ませて再度ログインしました。
そしてエレノアさんの店へと向かって、また新しくソファを注文します。
その時に若干引かれたような気もしますが、使うのは概念的存在の方々なので……!良い物を用意しなければ!
乳白色のソファと、クロイツで満月のような淡い黄色のラグマットを注文してきました。
そしてホームへと戻ってきて、アルフレッドさんを喚び出します。
「アルフレッドさん、コスモス様をお迎えするのに料理を作りたいんです。スイーツも……」
「承知いたしました。ウィローが畑で野菜を育てていましたので、そちらを使用した料理とミツキ様が入手された素材を使いましょうか」
「あ、じゃあウィローさんと畑に行ってきますね」
島は育つのが速いって言ってましたもんね。
ウィローさんを喚び出して、畑へと向かいます。
畑には立派なトマトと、キャベツとレタス、ピーマン……色々と育っていました。
「立派に育ちましたね!」
「スピカ様と世界樹のおかげですな。育ちが速いのもそうですが、最高品質で育ちましたよ。ただ……鑑定していただけますかな?」
「は、はい」
わざわざ鑑定をということは、何かが起きたということ……!
ひとまずトマトをジッと見つめます。あれ?このトマト大きいですね?
真珠星のトマト
真珠星の加護を得て大きく成長している。【緑の手】持ちが手入れした事により、最高品質となっている。
料理に使うと、料理に追加効果を付与する。
「真珠星のトマト……!?」
「スピカ様と私のスキルで、良く育ちました」
「料理に使うと……追加効果が……」
「相乗効果、ですかな……」
ウィローさんが遠い目をしました。
スピカさんとウィローさんのおかげで、野菜がとんでもないことになっています……!脳内のスピカさんがウインクしました。
これは使わせていただきましょう。
きっとお師匠様の所も、スピカさんのおかげでとんでもない野菜になっているはずです。
一つが大きいので、数個で皆の分を賄えるでしょう。
ウィローさんと一緒に収穫して、ホームへ戻ります。
ホームへ戻ると、兄がアルフレッドさんの手伝いをしていました。
「おかえりミツキ……ってデカくねその野菜!?」
「スピカさんとウィローさんのおかげで元気に育ったみたい……あと世界樹のおかげもあるかな」
「わーお」
「よし、わたしも手伝います」
「ありがとうございます、ミツキ様」
野菜を洗いながら何を作るか考えます。
トマトはカプレーゼにしましょう!冷蔵庫を覗いたらモッツァレラチーズがありました!
「ミツキ氏、リュー氏、アルフレッド氏お疲れ様ですわ!」
「こんばんはミカゲさん」
「そちらもしやコスモス様の供物用です?コスモス様の御神体も準備できましたもんね」
「コスモス様、お待たせしてしまったので盛大におもてなしをさせていただこうかと……」
「ボクもお供え用のもの探しますかね……」
「一緒にカプレーゼ作ります?」
「……ボクにもできます?」
「ぶっちゃけると切るだけです」
「……頑張ります。ってこのトマトでっかくねえですか!?」
あはは……通常の二倍くらいの大きさはありますよ。
そうしてミカゲさんと一緒にカプレーゼを作っていたら、いつの間にかホームに皆勢揃いして、料理を手伝っていました。
「コスモス様のおもてなしなら、盛大にさせていただかないとね」
「そうだね。僕は七輪使って炭焼きしてこようかな。レンくん、リーフくん一緒にどう?」
「……やります」
「はいっす」
人手がたくさんありましたので、並行して多くの料理を作ることができました!色々な種類の料理を用意できたので、コスモス様へお供えです。
ウィローさんは野菜の下ごしらえをしてアルフレッドさんにバトンタッチして消えました。
アイテムボックスに戻られましたね……まさかの任意。
皆でソファに座って一休みです。
「ミツキ氏とリュー氏はアルヒラル遺跡行ってたんですもんね。どうでした?」
ミカゲさんからの問いかけに兄と目を合わせて、本日起こった出来事を時系列で話します。
兄の転職とソウくんとの出会い、ツイン・ワイバーン、アガースラ、呪いの詰め合わせセット……
ガーディアン・ゴーレムとの戦闘、壁画、新しい天体魔法、デュラハンの事。
ダンジョンボスのドラゴンを倒したあとに入れた神殿で、ルーナ様と出会い、試練を受けた事。
それらを語り終える頃には、皆が難しい顔をして腕を組んだり顔の前で両肘をついて額を乗せたり……様々なポーズを取っていました。
「……まあ、ミツキ氏とリュー氏なので、普通に終わるとは思っていませんでしたよ、ボクは」
「私も」
「俺もっす……」
「まあ、ラクリマはお手柄ね。今度会った時に労らないとね」
「新しい技も素晴らしいね」
「……ドラゴン、か」
各々が色々な反応を返してくれました。
不可抗力と言いますか……偶然が重なった結果と言いますか……ラクリマのおかげです。
「ソル様の次は、ルーナ様ですか……聞く限りツンデレ女神様ですな……!くそうミツキ氏達と一緒に戦うのもいいですが、傍観者としてミツキ氏達の戦闘を眺めることでしか得られない栄養素もある……」
「わかるわミカゲさん……一緒に戦いたいけど、たまに飲み物片手に美味しいもの食べながら眺めたくなるわね……」
「そんなバラエティ見るみたいな……?」
「レベルもすごい上がってますもんね……やっぱりダンジョンが効率良さそうですな……」
「無限湧きじゃねえけど、色々な種類のモンスターが出現するからな。素材もアイテムも、経験値も安定して手に入るからレベル上げにいいな」
兄の言葉に頷きます。
あ、今のうちにステータスを操作しておきましょう。
レベルが70を超えたことで、新しいアクティブスキルも入手しましたからね。
ミツキ Lv.72
ヒューマン
メインジョブ:アストラルアークウィザード Lv.14/サブ:薬師 Lv.17
ステータス
攻撃 68 +2
防御 124 +1 (+92)
魔攻 211 +8 (+40)
魔防 120 +1 (+92)
敏捷 90 +1 (+40)
幸運 101 +2
魔攻に振りました!
装備のおかげで防御と魔防も高い値になりましたので、一安心ですね。
えっと、入手したアクティブスキルは……【起死回生】というものでしたね。
【起死回生】
HPが残り1割になると発動可能。
HPMPを全回復し全ステータスを2倍にする。継続時間終了後全ステータスが半減する。
継続時間:15分 リキャストタイム:24時間
わ、文字通り起死回生なアクティブスキルですね!
……ここぞの時に使うアクティブスキルです。
HP1割……よほどの時ですが、その時に使うとしましょう。
「それに、ソウ、と言ったわね。そのプレイヤー」
「ジアちゃん?」
「弓使いとして……気になるわね」
「それは、どんな意味で……?」
「勿論、技術的な意味で、よ。弓と銃は飛び道具として纏めれば同じだけど……同じ遠距離使いとして、戦い方が気になるわね」
「あ、ボクも気になりますわ。あのアーツといい、なんか親近感……と言うか師匠に近しいものも感じます」
「名のあるNPC、もしくは概念的存在に導かれている可能性があるとは思うぜ。なんだか微かに闇の気配がするってムーンバニーも言っていたし」
ああ、確かに戦闘が始まる前にムーンバニーが言っていましたね。
太陽の気配を纏わせる……と言うのは祝福マシマシだったわたしと兄で、微かに闇の気配を纏わせる渡り人というのは、ソウくんしかいませんしね。
「まあそのあたりはクラマスであるミツキ氏に、仲間に引きずり込むもお友達としてたまーに手伝うとかでも、判断はお任せしますわ!ボクは特に反対とか無いですし」
「私も気にしないわ。むしろ銃剣が気になるわね……」
「姉ちゃんが弓以外を持つのは怖えな……撃たれそうで」
「フレンドリーファイアが無かったらリーフの事背中から撃っていたわ」
「……冗談だよ姉ちゃん」
お、おお……なんだか皆そこまで拒否感は無さそうです。まだクランに誘うかどうかは決めてはいませんでしたが……
「……好きにしろ。お前のクランだ」
レンさんをちらりと見上げると、さらっと言われました。別にどうでもいい、という感情ではなく、本当にわたしの好きにしろっていう感情ですね。
「さすがにソウくんの事は逃がせねえなァ……あんないい子で、戦闘中に遠距離としてサポート射撃もしてくれたし、ソウくんの点てた抹茶も飲みたいし。和菓子も美味かったし」
「悪の組織みたいに言う……後半が本音でしょ」
「えっそのプレイヤー茶道家なんです!?」
「らしいですよ?」
「また特殊な……面白そうですな。知り合いに華道家はいましたが、茶道家もやっぱりあるんですな……」
むしろゲームで華道家なのも気になりますが!?
ま、まあソウくんの事は今度アイテムについて話をした時に、相談してみることにします。
ソウくんの力は中々珍しく、遠距離を扱うプレイヤーはこのクランにはジアちゃん以外いませんし。
「そういや微妙に話を戻しますが、ミツキ氏ダンジョン攻略が終わったのであれば、今後の予定は?」
「今後は……まずコスモス様のおもてなしをして、ルーナ様の祭壇の準備もして……あぁ、お師匠様とリゼットさんに報告もして……星のキュアポーションも作って……案外やることはありますね」
「忙しいですな……ボクは今レベル上げと師匠の試練をこなしつつ、マーレで日輪の国と海に関する情報を集めています。何かあれば報告しますね」
「私とリーフもレベル上げをして依頼をこなしつつ、サブジョブに関するイベントを進めているわ」
「っす。アイオンさんに弟子入りするために、技術を磨いてます」
ほうほう……皆それぞれ進めているものがあるようですね。
「僕はソラと一緒にレダンとクリスティアの境にあるダンジョンへと挑んでいるね。アンデッド関連かな」
「ええ。恐らくクイーンから貰った装備をつけているから起こったイベントかもしれないわ」
「父さんも母さんも色々とやってんな……」
「少しずつね。ログインできる時に進めているよ」
「幸い時間制限とか無いから、自分たちのペースね」
「……俺はレベル上げと情報収集、地形の把握。その間で踏んだイベントは熟してる」
「俺はトニトルスと訓練か……依頼やらないと」
わたしも依頼をこなさないとです!
やること、案外たくさんあります!
「ひとまず明日、コスモス様の祭壇を完成させたいのですがよろしいですか?」
「料理の準備はバッチリですな!……今も甘い香りがしますし」
「アルフレッドさんがケーキを焼いていましたからね……太陽島のフルーツとプラムを使ったケーキです」
「美味そうだな……」
「勿論皆様の分もご用意しております。完成いたしましたので、冷蔵庫へと入れますね」
「ぐう有能……!」
「わ、ありがとうございます!」
アルフレッドさんのケーキが美味しいことは前回のタルトで味わいましたからね!
きっとコスモス様も満足していただけるはず!
「私とサクヤは遅めのログインになってしまうかもしれないけど……」
「仕事忙しいもんね。ひとまず明日の夜九時目安で……」
あ、コスモス様の祭壇の事は、お師匠様とヴァイスさんにも言わないと……!
明日ログインしたら、真っ先に向かわないとです!
色々と話をしていたら、そこそこ遅い時間になってきました。
明日は学校ですし、早めにログアウトです。
「では、本日は解散ですね」
「はい!おやすみなさいですわー!」
「おやすみなさい」
「また明日っすね」
皆が部屋に戻るので、わたしもアルフレッドさんに再度お礼を告げて、部屋に戻ってログアウトしました。
「やることを纏めておかないと……」
ベランダでストレッチをしながら、星空を見上げます。
アイテムの確認、お師匠様とリゼットさんへの報告……おつかいの報告もありますからね。
入手したアイテムの確認が時間かかりそうなので、ゆっくりとやりましょう。
まずはコスモス様と、ルーナ様の祭壇です。
……春の星座は傾き、夏の星座が空を彩る時期になってきました。夏の到来です。
今年の夏はユアストです。色々と進められるよう、日々コツコツとページを埋めましょう。
よし、明日に備えて寝ましょう。
おやすみなさい。
普通の野菜なわけありませんて( ◜ω◝ )
宇宙が こちらを 見ている !
これからもミツキの物語をよろしくお願いします!




