心臓がビッグバン
ご覧いただきありがとうございます!
おはようございます!
雨の音に耳を澄ませながら、起床です。
ぐぬ……また湿気が……髪の毛直さねばです。
着替えつつ、ユアストからの通知を開きます。
Your Story ‐ミツキ‐
66ページ目
アインス:ベータの助言は貴女の為になったようですね。彼女も喜んでいました。
浮島にガーデンを増築しました。
貴女の島が彩り豊かになるのが楽しみですね。
貴女だけのガーデン、素晴らしいです。
建造までに時間がかかるのは……改修点として上げましょう。貴女の冒険の妨げにならないようにしましょうね。
お疲れ様でした。
お、おお!?なんだか今日は辛口な!?
テイストが違いますね…
ま、まあ待つ時間も楽しいです。捧げ物の用意もまだでしたからね!
猶予ができました!
なので今日はお師匠様の所に向かいつつ、王都で買い物ですね。
よし、では今日も元気に行ってきます!
昼休み、花ちゃんとベンチでお弁当タイムです。
ある程度食べ終えて、花ちゃんとスクショを見せ合います。
「あの建築中の場所にあの庭を作ったのよね?」
「うん。まさかああなるとは思わなかったけど」
「ゲームの世界でアレ見るの中々不思議ね」
花ちゃんと一緒に遠い目をします。
まあ、建築中ですもんね…
「島にトレーニングスペースとか作れるのかしら」
「そう広くはないから……森の中に障害物置いたり、星座達に稽古付けてもらうとか?」
「星座の稽古が半端ないわね。でもサジタリウスさんの弓は見たいわ」
「今なら島にいるね」
「今日、庭が完成したら見せてもらえるように頼んでみたいわ」
花ちゃんやる気満々です!
サジタリウスさんの弓、すごいですからね…
「でもユアストならホームの中にジムも作れそうだよね」
「……ユアストならやりかねないわね」
ユアストならやりそうです。
色々な物まで揃えてますし。
「とりあえず、庭の完成楽しみにしているわね」
「うん!」
そして予鈴が鳴ったので、急いで教室へと戻るのでした。
放課後、部活へ向かう花ちゃんを見送って、軽く買い物をして帰ってきました。
白菜が少し安く売っていました!んふふ、豚バラ白菜にします!
ぱぱっとレシピを確認しながら作ります。
あとはブロッコリーと、卵を炒めます。レシピを探しているときにみつけた、オーロラソース炒めが美味しそうだったので!
それらを皿に盛り付けて、完成です!
ん〜!ご飯が進む匂いです!
いただきます!んーーー!美味しい!
「ただいま。いい匂いだね」
「おかえり!ごま油で炒めた味ぽん豚バラとオーロラソースで炒めたブロッコリー卵!」
「聞くだけで美味しいね」
父が笑いながら手を洗いに行きました。
いや美味しいんで!熱々のご飯に乗せて食べると止まらないです!
「いただきます」
「召し上がれ!」
「……うん、美味しい」
ふっふー!美味しいですよね!
学校であったことやゲームの話をしながら食べすすめます。母の分も残しておきます!
「「ごちそうさまでした」」
食器を洗って父に渡していると、お風呂を勧められたのでさっと入ってきました!
よし、ゲームにログインです!
ログインしてディアデムを喚び出します。
そしてクリームパンを食べます。
窓の外はとても静かです。
星明りが、森を照らしています。
よし、ラクリマの様子を見てお師匠様の所へ行きましょう。
ホームを出ると、建築中の庭が視界に入ります。
あと2時間くらいですね…
スピカさんは庭の完成を楽しみにしているのでそのまま固定しておきましょう。
花ちゃん……ジアちゃんがサジタリウスさんに教わりたいって言ってたのでサジタリウスさんも今日は固定です。
おひつじ座とおうし座も配置しておきましょう。
そして召喚したハマルのふわふわの体毛を撫でます。
そして雲から上半身を出したアルデバランの背を撫でます。
「じゃあ、またね」
「また」
返答したアルデバランがふわりと宙を滑るように移動し、その後をハマルが追いかけました。
い、移動方法が独特ですね。
そして静かな森の中を抜けて、世界樹を見上げます。
今日も変わらず元気そうです。
ラクリマも、あと少しですね。
どんな姿になるのか、ドキドキです。
「…お師匠様の所へ行ってくるね」
わたしの言葉にわさわさと揺れた世界樹に手を振って、お師匠様の島へと移動しました。
「……お師匠様、こんばんは」
「……ミツキか。よく来たね」
本から顔を上げたお師匠様が笑いました。
あ、ヴァイスさんもいます。ナイスタイミングです!
「ヴァイスさんもこんばんはです」
「元気そうだな」
「とっても元気です!」
とりあえず邪魔にならないように離れたソファに座ります。
本題本題です。
「色々と報告にきました!」
「ほう?聞かせてもらおうか」
本をテーブルに置いて、お師匠様が足を組んでこちらを見つめました。
ヴァイスさんも手元の羊皮紙をテーブルへ置きました。
「……ということで、庭はあともう少しで完成します。ラクリマも、明日の今の時間くらいに羽化しますので、その時は島にいらっしゃいませんか?」
「……中々興味深い事をする」
「庭ときたか。神殿より面白いね」
お師匠様がカラカラと笑いました。
神殿は辞めておきましたのですよ。
「そうさね。お邪魔するよ」
「師匠と共に向かうとする」
「お待ちしております!わたしが島にいれば、わたしの所へ来れますか?」
「お前さんは懐中時計を持っているからね。今の時間あたりになったらお前さんの所へ邪魔するよ」
「わかりました!」
よし、これでお師匠様とヴァイスさんはオッケーです。
……お、王様とかも呼んだ方が良いのでしょうか?
プラムの件でソル様にお礼言いたいとも言ってましたからね。
「プラムの件で王様はソル様にお礼したいって言ってましたが、王様もお呼びして良いのでしょうか?」
「良いだろうが……予定を聞いてみるといい」
「えと、連絡方法があるのですか?」
「魔導具がね」
お師匠様はブラックホールから何か不思議な形をした石のようなものを取り出しました。
「これは通信石と呼ばれるアイテムでね。二つで一つ、お互いでしか通信は繋がらないものなのさ。片方を王が持っているから、繋いでやろう」
「えっちょ、あの忙し」
「ホレ」
ひょいと軽く投げられて慌てて受け止めます。
はやいはやい!まだ心の準備が!
『……エトワールか?どうした』
「ヒョッ!」
『……ミツキか?』
「おおお忙しい所申し訳ございません!ミツキですっ!」
『…構わん。どうした』
緊迫したような雰囲気で応答した王様のトーンが柔らかくなりました。
お師匠様からの連絡だと驚きますもんね。
……わたしの心臓は今高鳴っていますけどね!緊張で!
「今日、概念的存在の皆様の為に作った庭が、完成します。そしてわたしと契約しているラクリマが、明日羽化するので、明日、お時間があれば王様も足を運んで頂けるかどうかご予定をですね、お伺いしたくてですね…」
『……ほう。何時だ』
「お、遅めなのですが、今くらいの時間帯です」
『…ふむ、問題ない。行こう』
「!」
『王族を代表して俺とローザが向かう。エトワール、よろしく頼む』
「はいはい任せな」
王族を代表して王様と王妃様がいらっしゃる???
ツートップでは???
「お、お待ちしております!」
『此方こそ。プラムの礼を伝える機会を用意してくれた事、感謝する』
「い、いいえ!ありがとうございます!失礼いたします!」
そしてお師匠様へと石を返します。
ふええ、ドキドキしました。心臓がビッグバンしそうでした。
深呼吸して落ち着けます。
「……プラムを渡した人は全員連れて行くべきだろうな。太陽神に、こちらも礼を伝えねばならない。ミツキ、後誰に渡した?」
「えっと、リゼットさんとカレンさん、スカーレットさん、クレハさん。それとグレナダさんとナタリアさんでしょうか」
王族を省けばそのメンバーに渡しましたね。
「………ミツキ、これを持って行くといい」
「?」
今度はヴァイスさんがブラックホールから大きめの石を取り出しました。
こ、今度は何でしょう!?
「時限のある転移石だ。設置すれば、紐付けた使い捨ての転移石で誰でも転移できるアイテムだ」
「そ、そんなアイテムが……!」
「……錬金術師達は本当に何でも作る」
錬金術師すごいですね……!
ミカゲさんもすごいって思っていましたが、他の錬金術師さん達もとんでもないですね!
その大元の転移石とやらを受け取ります。
これを世界樹の近くに設置すれば良いのですね!
「これは今名前を上げたメンバーに届けておこう」
「よ、よろしいのですか!?わたし向かいますが!」
「構わん。図書館へ向かう道すがらポストへ入れておく。…こちらの世界のポストは、家主の魔力を感知して開くから、心配しなくて良い」
ポストの下りで驚きに目を開いたら、補足するかのように教えてくれました。
ポストすごいですね……!セキュリティばっちりです。
「じゃ、じゃあせめて手紙を!」
たくさん買っておいたレターセットを開いて、急いで記入します。
簡単に招待の旨を記載して、封筒に名前を書きます。
それをヴァイスさんへ渡すと、転移石と共に届けてくれるそうです。ありがとうございます!
「あ、後美味しい飲み物が売っているお店はありますか?持ち帰りできると良いのですが…」
「……それは供える用のか?」
「そうですね……後はわたしの分もですが」
「…私はそう言った物には詳しくはない、が……以前ミーアが《大地の輝き》の野菜スムージーや、その隣の果物屋、《大地の煌めき》の飲み物が美味しい、と言っていた」
「!ありがとうございます!レジアさんの所とその果物屋に行ってみます!」
「ワタシは珈琲を扱う店なら知っているが、今度教えようか」
「是非!」
レジアさんの所は知ってますので大丈夫です!
近くに果物屋さんありましたかね……
それに珈琲店も気になります!是非教わりたいですね!
「あ、あとはマレフィックさんの事について軽くお聞きしたく……ひょえ」
お師匠様とヴァイスさんが顔を顰めました。
そ、その反応はどのような!?
「……喚び出したのか?」
「い、いえミカゲさんが冥界で追いかけられたみたいで……」
「あの馬鹿は一体何してるんだい……」
二人がため息つきました。
問題児ってことですね!?
「……と言うことが昨日ありまして」
「なるほど、転職できたんだねミカゲは。奴に追い掛けられたのは……災難だったね」
「そう簡単に脱獄させるのか冥王は…」
「…さてマレフィックの事か……奴は【神秘】で喚べる悪魔でね。対価を渡せば働くのに違いはない……星座達と同じように誓約もあるからね」
「星座も【神秘】で喚び出した彼らも、あくまでサポートだ。故に生命を奪うことは許可されていない……が、それを奴は気に入っている。死なせなければいつまでも戦えるとな」
「強さはお墨付きさ。奈落に収監されるほどだからね」
……聞けば聞くほど問題児です。そして戦闘が好きすぎる方ですね。
「……わたしに攻撃とかも無いですよね?」
「それは無い。気に入らなければ彼らは勝手に還る」
「戦闘させておけば問題無いだろうが……ワタシもそう喚ぶ事は無いからね。知ってる事は少ないのさ」
「……こ、今度お話ししてみます」
「…気を付けろ」
「お前さんは気に入られそうだけどねぇ」
神妙に身を案じたヴァイスさんと、カラカラ笑うお師匠様。うーん正反対です。
……一発本番ではなく、近い内に喚んでみたいと思います。対価……食事でもいいですかね……
っと、そろそろ買い物行きましょう。
お店も何時までかわかりませんしね!
「そろそろ買い物に行ってきますね」
「明日を楽しみにしているよ」
「気を付けて行ってくるといい」
お師匠様とヴァイスさんに挨拶して、ルクレシアへと移動します。
お店、開いてるといいのですが!
レダンへ向かうためにスパートかけてますので、なるべく早く更新出来るように努めます!作者もミツキの物語を皆様にお届けしたいですからね……
これからもミツキの物語をよろしくお願いします!




