建国祭 1日目 ④
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ミツキの物語をよろしくお願いします!
「……金コインです」
「金コインですな……」
「金コインね……」
とりあえずアイテムボックスへ仕舞います。
そして先程のリューイさんの事を伝えます。
「先程の黒ずくめの方はリューイさんと言って、情報屋をしてらっしゃいます。このイヤリングをくれた方です」
「ああ、なるほどプロフェッサーの時の……」
「お師匠様と同じ異名持ちなので、情報に関してこの国で頂点に立つ方ですね」
「確かに、只者じゃない気配だったわ…」
ミカゲさんが納得行ったと頷き、ジアちゃんが真剣な表情で呟きました。
……屋根の上を駆けていった事に突っ込んで良かったのか。
神出鬼没な方ですね……
お会い出来ると思わなくて、驚きました。
……そろそろミカゲさんとジアちゃんには自由にしてもらいましょう。付き合ってもらいましたし。
「さて、ここからは自由行動にしましょうか」
「ふむ、そうしましょうか」
「何かあったらすぐに連絡入れるのよ?」
「……わたしは子供じゃないですが???」
「目を離したら何かやりそうで……」
そんな事ありませんよ???
普通ですとも。
「わたしとじゃなくても二人も色々やるかもですし」
唇尖らせて目線を逸らすと、二人はくすりと笑いました。
「そうですなー。隠された王都の地下迷宮とか探しますかね」
「コイン集めつつ美味しいものでも食べようかしら」
「レン氏達もそんなずっと戦う訳じゃないと思いますしね」
「後でプレアデスで情報共有しましょうか」
「はーい!」
わたしも、王都を歩こうと思います。
アイテムボックスほぼお肉なので、パンとか欲しいですね!
その道中も困ってる人に声を掛けましょう。
何かおかしいものも、見逃さないように気を引き締めます……!
「ふわぁ……」
王都の噴水広場近くでお店と人で賑わってる通りは、花の飾り付けでいつもより華やかです。
ふらりと引き寄せられるように、一軒のパン屋さんに近寄ります。
「お、いらっしゃい!建国祭限定で〈クリスティア〉って名付けた特別なパンがあるよ!」
「!」
「王様イメージのダークチョコレートに、王妃様のラズベリー、王子様のブルーベリーと王女様のストロベリーを使ったパンさ!こじつけだけどな!」
「ふわ……とっても美味しそうです!」
「生地もふわふわにしたんだ。一つ500リルだが、食ってみるかい?」
パン屋のおじさまが見せてくれたカゴの中には、ダークチョコレートコーティングされたパンの上に宝石のように乗せられた、刻んだベリーが目を惹く可愛らしいパンがありました。
すごい、ケーキみたいな……!
「…何個まで買えますか!」
「そりゃ買ってくれるなら何個でも!」
「全部買います!」
「…太っ腹だな嬢ちゃん!」
クランメンバーと食べたいです!
タイミングが合えばお師匠様やリゼットさんにも!
「……こちら、王様には献上されないのですか?」
「さすがに不敬じゃねえか?勝手に作ったモンだしな」
「でもすごく綺麗で、美味しそうです」
「嬢ちゃんが気に入ってくれりゃ嬉しいよ」
「……仲間たちと、分けながら食べますね!他のパンも買いますー!」
「も、持って帰れるか?」
「渡り人はアイテムボックスありますから!」
パン屋のおじさまはぱちりと瞬いて頷きました。
お腹すくと倒れますから!食事はたくさんあって良いのです!
パンは食べやすいですし!
色々な味がどこでも食べられるのは良いですよね。
「はっはっは!また作らにゃいかんな!」
「は!何も考えず買い占めてしまいました……!」
「……なんてこともあろうかと裏にまだあるから、店頭にはそれを並べるさ。嬢ちゃん、良い建国祭を!」
「ありがとうございますー!」
リルを払って、パンを受け取ります。
アイテムボックスに入れて、おじさまにお礼を言ってお店を離れます。
ふへへ……
パンたくさん買えました!
ログインしたらお肉ばかりでしたが、お肉の合間にパンも食べます!
……少し休憩しても良いですよね?
ベンチに座って、クリスティアと名付けられたパンを取り出します。
はわ……可愛い……
いただきます!
!ダークチョコレートとベリーの相性抜群です!
ふわふわのパンはほんのりバターの風味です。
おいし……すごいおいしい……
漫画だったら花を飛ばせる気がします……!
「…おかーさん、わたしもあのパンたべたい」
「ええ、買って帰りましょうね」
「うわ、すごい美味しそう…あそこか。買おう!」
「美味しそうに食べるね、あの子」
「………やっぱり美味いもの食おーぜ。携帯食飽きた」
「せっかくだしな。食事に金かけようぜ」
……本人は幸せそうにパンだけ見つめていたため、この会話は本人へ届かなかった。
よし、食べ終わりました!
次のお店に向かいましょう!
美味しいものを食べてお腹が膨れたわたしは、軽やかな足取りでお店を覗くのでした。
「これで大丈夫ですか?」
「ありがとうねぇ」
道路で袋の底が抜けてオレンジを転がした老齢の女性を家まで送り届け、オレンジも女性が持ってきたカゴに入れて渡しました。
こんな漫画みたいな事起こるんだな……と思いました。
女性は銅コインをくれました。
これで銅コインは4枚になりましたね。
色々買い物していたら、目の前でオレンジが転がったので送り届けたという訳です。
……まだ建国祭は始まったばかりですし、人が多くて少し疲れました。
プレアデスで休憩しましょう。日も暮れてきました。
わたしは路地で、プレアデスへと飛びました。
「ふう」
世界樹に水をあげて、その根本に座ります。
落ち着きますね……木の葉同士が重なる音……ヒーリングミュージックです……
このあとはログアウトして食事とお風呂を済ませるとして………夜はポーション作りしましょう。
皆がポーション瓶を保管庫に入れてくれてる筈ですし!
そして作ったポーションを保管庫に入れておけばWin-Winです。
よし、ではログアウトしましょう!
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-ミツキがログアウトする前、王城では-
「乾杯」
「「「乾杯!」」」
シュタールの掛け声に合わせて、晩餐会への参加者もグラスを掲げた。
晩餐会と言っても、立食式パーティーに近い。
貴族や騎士、商人など様々な人物が参加している。
その中で金紅の異名を持つ宝石彫刻師のエトワールは、壁際のソファに腰掛けグラスを傾けていた。
その隣には、翠玉の異名を持つ薬師のリゼットが腰掛けている。
「あら金紅、これ美味しいわ」
「へぇ……美味いね」
テーブルに料理を並べながら二人でグラスを傾けて談笑する。
立食パーティーにしては、あまりに自由だが。
テーブルもエトワールの私物だ。
ちなみに、お互いを異名で呼ぶのは、周りの人間に名前を呼ばせないための牽制である。
「金紅、翠玉」
「あら、黒玉」
そんな二人に近付いたのは黒玉、情報屋のリューイだ。
二人にチーズとローストビーフを手渡しながら、リューイは口を開いた。
「…今日二人の弟子に王都で会った。随分と成長していた」
「おや、そうかい」
「建国祭を楽しめているかしら」
「窃盗犯を捕まえていた。温い捕まえ方だったから、もっと痛めつけろと助言しておいた」
「……あの子は優しいからねぇ」
「窃盗犯だなんて、お手柄ね」
「……あら、あの子王都にいるのね」
グラス片手にソファに近寄ってきたのは、藍銅、人形師スフィア。
人形のような無表情で、リゼットの隣に腰掛ける。
「どいつもこいつも自分の自慢ばかりで辟易するわね」
「一つも覚えてないよワタシは」
「ふふ、重要なことしか私も覚えてないわ」
「……あまりに露骨でわかりやすすぎるんだもの、あの貴族達」
ため息をついて視線を貴族が集まる集団へ向けて、皿のチーズを口へと運んだ。
「あの子にはどんな人形が良いのかしら。戦闘と管理って言っていたのだけれど」
「ああ、島の管理だね」
「あら、藍銅が直々に?」
「わたくしの人形を買うじゃなくて、人形と縁を繋ぐって言ったのよあの子。素直な子は好きよ」
「……なるほど、弟子も浮島を所有しているのか。前に王が俺に言ったな」
「……お、なんの話をしてるんだい??」
料理片手にソファに近寄って来たのは碧玉、家具職人エレノア。
テーブルに皿を置いて、ローストビーフを頬張る。
「んー、美味い!いい食材使ってるね」
「碧玉、貴女なら気になる子に渡す人形にどんな機能をつけたい?」
「…なんだ、あたしはコイバナは苦手だぞ」
「恋の話じゃないわよ。気に入った子に渡す人形よ」
「ふーん……ま、ソイツの苦手な所を補える人形とかが良いんじゃないか?戦闘が得意なら守りに秀でてる奴とか、家事が出来ないなら家事が得意な人形とかさ」
「…なるほど、いい案ね。金紅、後で苦手な事聞いて頂戴」
「はいはい」
ワインを傾けながらニヤリと笑うエトワールに、スフィアはため息をついた。
「……お、皆様お揃いで。私も混ぜてくださいよ」
「解散」
「ちょ、ひどくないですか!?」
胡散臭い笑みを浮かべながら近寄ってきたのは菫青、商人のシエロ。
それをエトワールがぶったぎると、皆その場から離れるのだった。
「うう、皆様酷くないです?ねえ、黒玉」
「………」
「無視!」
「……どうせ聞いていただろう」
「……皆様の口から直接聞いてないので、さすがの私も確証が無ければ言えませんよ」
口元を隠すように笑って、シエロはその場から離れた。
リューイは、本心なのに何でもかんでも胡散臭く見える商人の背を複雑な想いで見送った。
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ログインしました!
ホームで瓶と素材を貰います。
……あれ、保管庫がもう半分も埋まってます。
8人で1500枠だと、結構埋まるものですね。
そのうち増築も視野に入れましょう。
世界樹の近くの空間でテーブルを置いて、準備します。
「〈みずがめ座〉〈いて座〉〈おおいぬ座〉〈ケンタウルス座〉」
サジタリウスさんとケンタウルスさんには、お礼もしないとなので喚びました。
シリウスもいつも共に来てくれるので、労いですね。
「……おや、戦闘ではないのですね」
「今回は労い、ですね」
実は天空竜に作った料理がアイテムボックスに余っています。
それぞれ皿を手渡します。
シリウスには布を敷いて、その上にお皿を乗せました。
「いつもありがとうございます!」
「……ふふ、はい。こちらこそ」
「労いに感謝を。いただくぜ」
(む、美味いなこれ)
シリウスはもう食べてます。
シリウスはお肉好きですもんね…
サダルスウドは水瓶抱えて準備万端です。
わたしもポンチョを外して、頬を軽く叩いて気合いれました。
「よろしくねサダルスウド」
頷いたサダルスウドと一緒に、ポーション作りです!
「【複製】!」
出来たポーションの隣に空のポーション瓶を並べて、【複製】を使います。
-サブジョブレベルがあがりました-
いやぁレベルが上がる上がるです……
ポーション作ってる最中にもレベル上がってたので、薬師のレベルは15になりました。
特に何も覚えませんでしたね。
リゼットさんからお借りしたレシピ本には見覚えのない素材の名前もありますし、入手したいですね。
「ありがとうサダルスウド。サダルスウドは果物か甘い物が良いんだよね?」
こくりと頷いたサダルスウドに今日買ったクリスティアと名付けられたパンを渡します。
サダルスウドの目がキラキラしました。
「とっても美味しかったからお裾分け」
サダルスウドはにぱあと笑って、水で手を洗ってからパンを受け取りました。偉いですね。
サダルスウドの頭を撫でて、片付けます。
ポーションも【複製】使いましたし、300は作りましたね。
フルポーション、フルMPポーションはまだ作れませんので、それ以外をですがね。
ホームに戻ったら全て入れておきましょう。
サジタリウスさんとケンタウルスさん、シリウスは…反応は近いですが森にいますね。
まあ大丈夫でしょう。
「ミツキ」
突如出現した気配にびっくりしました。
レンさん、気配感じられない時多いのです……
「レンさん」
「お疲れ」
「依頼については何となくわかりました?」
「報告に来た」
レンさんの話を聞きます。
レンさんは本日銅コインを5枚、銀コインを3枚手に入れたようです。
わ、すごいです。
「他のメンバーも個人で受けてたからな。集めてる筈だ」
「なるほど、普通の依頼でした?」
「王都周辺の依頼が多い。レベルの低いモンスターは銅、レベルが45からのモンスター討伐が銀だった」
「……結構高めですね」
「金の依頼は見かけなかった」
「…なるほど、わたし達はですね…」
王都でわたし達がうけた依頼について伝えます。
レンさんは顎に手を当てて考え込む様子を見せながら、時々相槌入れてました。
「……俺には向いてねェな」
「そうですか?」
「討伐メインにするが……まァ目の前で起これば手伝うくらいにする」
「わたしは半々を目指しますかね」
イベントですし、どちらもやりたいところです。
レベルももう少し上げますかね……武闘祭もありますし。
もっと戦いに慣れないと。
「…そろそろ帰る」
「わたしもログアウトします」
「じゃあな」
レンさんはホームの方向へと歩いていきました。
わたしも明日は学校ですし、そろそろログアウトしましょう。
サダルスウドを撫でて、還します。
「シリウスー、サジタリウスさん!ケンタウルスさん!」
森へ向けて叫ぶと、皆森から出て来ました。
「そろそろ戻りますね」
(おう。またな)
「いつでも呼んでくださいね」
「じゃあなー」
シリウス達も還して、わたしもログアウトするとします。
あ、王都でベッド探さないと……
今日はお師匠様は晩餐会と言ってましたし、今日はここでログアウトしますか。
わたしは世界樹に背を預けて、ログアウトしました。
「んんん」
明日の準備をしてベランダで伸びをします。
薄く雲がかかってますが、合間から星が見えます。
よし、明日からもイベントを楽しみましょう!
まだ見ぬ美食も待ってるはずで……ご飯の事しか考えてませんでした。
コインもイベント終了後にアイテムと交換出来ると言ってましたし、たくさん集めましょう!
よし、では寝ましょう。
明日から学校が終わったらのログインです。
おやすみなさい。
イベント楽しいですね(白目)
次回は掲示板挟みます!
これからもこの作品をよろしくお願いします!




