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町家暮らしとエルフさん ――リノベしたら庭にダンジョンができました――  作者: FUKUSUKE
第一部 出会い・攻略編 第6章 第1層攻略

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第52話

 体重計が無事発掘されたところで一時は食べすぎてポッコリとしていたミミルの腹も落ち着き、ダンジョンへと向かう準備が整った。

 俺も再度、腰に2本の短剣を佩いて、重いブーツを履いた。


 因みに、ツノウサギの肉はかなり大きく、たいへんな量が残ってしまったのだが、ミミルが空間収納に仕舞ってくれた。

 食品ロスがないって素晴らしい。


 業務用の冷蔵庫に仕舞っても、身が固くなるし、脂も固まってしまう。

 レンチンすれば肉汁は断面から全部外に流れ出してしまうので、時間経過がない空間収納に保管できるのは実にいい。

 ただ、肉ばかり食べていてもよくない。今後は野菜やキノコなどをつかった料理なども用意することにしよう。


 などと考えている間に、ダンジョンへと繋がる階段にまで到着する。


『にそう、もくひょう』

「――ん?」


 返事をするが早いか、ミミルは俺の手を握り、反対の手で転移石に触れる。

 いつものように目の前が真っ白になるほど明るく輝き、あわてて目を伏せると既に視界は第1層の入口部屋へと変わっていた。


「2層ってことか?」

『ん、そのとおり』


 正直なところ、俺は不安だ。第1層はとても広く、すべてを網羅するまで数日かかるだろう。

 この第1層は地球上と比べて時間の経過が遅いとは言え、今日だけで第2層へ向かえるだけの実力が俺につくとは思えない。


「俺はもっと実力つけた方がいいんじゃないのか?」

『ん、うん』


 ミミルは一瞬目を宙に向けると、すぐに返事を送ってきた。


『かぜ、みず、つち……まほう、おしえる。いい?』

「ああ、もちろんだ。だが……」


 それで第2層へと足を踏み入れるほど強くなるわけではないだろう。

 確かに魔法を覚えて攻撃手段が増えればいいのかも知れない。

 これまでもミミルが魔力の塊をぶつけてくれた敵の止めを刺しているだけで、俺自身が倒した魔物の数なんてたかが知れている。

 つまり、経験、知識、体力、技術……いろいろのものが足りていないはずだ。


「充分な実力がついてから第2層に行きたい。いいか?」

『まもの、すこし、つよい、いい。おなじ、つよい、せいちょう、ない』


 なるほど……。

 じゃあ、いまの俺にとって第1層はあまり成長を見込めないってことなのか。


『カード、だす』

「カード? ああ、あれか……えっと……」


 ミミルの言葉に応じて先日受け取ったカードを取り出す。


「あ、あれ?」


 先日受け取ったとき、カードの色は赤胴色だったのだが色が変わっている。

 真鍮のような黄銅色だ。


『なに?』

「色が違うよな?」

『まもの、たおす。まそ、すう。せいちょう』


 ちょっと待て。

 俺自身が成長するなら理解できるが……。


「カードも成長するというのか?」

『ん。いろ、かわる。

 まもの、まそ。たおす、まそ、でる。しょーへい、まそ、すう。カード、まそ、すう』


 魔素は霧散しているように見えるが、その一部を取り込んでるってことなんだろうな。

 それで体力が強化されたりするんだろう。

 確かに、最近調子がよかったのだが、それはダンジョンの魔物を倒していたからってことなんだろうな。


『いろ、こうどう……にそう、いい』

「なるほど、わかった。ミミルは何色なんだ?」

『わたし……いろ、かんけい、ない』


 ふと気になって聞いてみたが、ミミルは自分のことは話さないよなぁ。

 このダンジョンを踏破できるくらい強いみたいだし、そうなると色とか関係ないのかも知れないが……。


「教えたい時にでも教えてくれよ」

『ん――』


 階段を上がりきって草原に出る。

 相変わらず快晴。そしてだだっ広い。


『こっち』


 ミミルが向かったのは先日、綿花のようなものを採りに行ったのとは逆の方向。

 東西南北がわからないので、どう説明すればいいのかわからないな。

 スマホにもコンパス機能はあるはずだけど、ダンジョンの中ではモバイルバッテリーなしで充電はできないからな。

 長時間潜っていても大丈夫なように、とりあえず方位磁石くらいは買っておくほうが良さそうだ。

 ここから出たらネットで買うことにしよう。


 そんなことを考えながら、ミミルの後ろをついて歩く。

 もちろん定期的に音波探知を使うのを忘れない。


「この先、ツノウサギ」

『にく……』


 どうやらツノウサギはミミルにとっては肉にしか興味のない魔物にまでおちたらしい。

 ツノウサギはミミルの魔法でポンポンと首を刎ねられ、俺からご愁傷さまですと声を掛ける間もなく魔素へと還っていく。


『にく、でない……』


 既に8体ほどがミミルの魔法の餌食になっているが、肉がドロップしない。

 俺の場合、最初の2体で肉が2個も出たので甘く考えていたが、そのときにミミルが「運がいい」と言っていた意味がわかるような気がする。


 それにしても、よほどディアヴォラが気にいったんだな……。


 とりあえず1体分は調理したが、2体目も残っているのだからそんなに焦らなくても良いと思うのだが違うのかな?


ミミル視点はありませんが。彼女の食いしん坊は健在です。


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