表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/28

第28話:正義の覚醒と氷の崩壊



氷刃のメルゼスが消えたあと、王都には静寂が戻った。

だがその空気は、ただの安堵ではなかった。

人々は、目の前で繰り広げられた“契約者の戦い”に言葉を失っていた。


リディアは〈正義〉のカードを手に取り、ゆっくりと見つめる。

先ほどの戦いで、カードは新たな術式を生み出した。

《審光断罪・アストレア》――それは、裁きの光を放つ力。


「このカード……均衡を保つだけじゃない。正しき秩序を、導く力だったのね」


ヴァルグが肩を叩く。

「お前の意思が、カードを変えた。それが“契約”ってやつだ」


カスミは微笑みながら言う。

「あなたが選んだ“正義”が、世界を照らしたのです」


そのとき、王都の枢機院が姿を現す。

かつてリディアを追放した者たち――その顔には、深い後悔と敬意が浮かんでいた。


「契約者リディア・ヴェルシュタイン殿。あなたの力が、王都を救いました。今こそ、正式にその名を讃えさせてください」


リディアは静かに頷く。

「私は、誰かに認められるために戦っているわけじゃない。でも――この街が、私を必要とするなら、応えます」


枢機院は契約者の証を差し出す。

それは、かつて剥奪された“光の紋章”。

リディアはそれを受け取り、胸元に掲げる。


「この紋章は、私の過去の証。そして、未来への誓い」


王都の人々が歓声を上げる。

「光の令嬢が、戻ってきた!」

「契約者が、王都を守ってくれた!」


その夜、王都の空には星が広がり、氷の霧は完全に消えていた。


だが、リディアの瞳は遠くを見ていた。

リュカの気配――そして、次なるカードの震え。


「次は〈塔〉。崩壊と再生の力……その先に、リュカがいる」


物語は、いよいよ魔王の居城へと向かっていく。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ