表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/28

第21話:使者の魔道士カスミ



〈運命〉のカードを手に入れた翌朝。

リディアたちはルミナリアの宿で静かな朝食をとっていた。

だがその空間に、突如として魔力の波が走る。


「転移魔法……!」

リュカが巻物を握りしめる。


空間が裂け、和装の女性が現れる。

黒髪を結い上げ、瞳は鋭く、背には魔導の杖。

彼女の名は――カスミ。〈ヒノカ〉の宮廷魔道士。


「契約者の方々ですね。あなた方の助けが必要です。我が国を救ってください」


リディアは立ち上がり、警戒しながらも応じる。

「何が起きているの?」


「影に潜む魔物が、夜ごと人々を襲っています。結界も破られ、王都の力では防げません」


その瞬間、リディアのカードケースが震えた。

〈太陽〉のカードが微かに光を放つ。


「……この国にも、カードがあるみたい」


ヴァルグが立ち上がる。

「ならば行く理由はある。魔物を狩り、カードを奪う」


リュカは頷き、剣を腰に収める。

「そして、リュカを取り戻す手がかりもあるかもしれない」


カスミは杖を掲げ、転移陣を展開する。

「〈ヒノカ〉へご案内します。どうか、我が国を――」


光が三人を包み、空間が揺れる。

次の瞬間、彼らは異国の地へと降り立った。


霧に包まれた静かな街。

だが空気は重く、遠くから不気味な咆哮が響いていた。


「……始まってるわね」

リディアは〈太陽〉のカードを握りしめ、前を見据えた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ