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モフモフ



 今までの話を総合すると、体力と言う欠点を除けば王獣化(猫)と言うスキルは、lv0の小池さんにとってlv60相当の速度を出せるチートスキルという事になる。


 これだけ聞けば、同じlv0だった場合、王獣化の使用者と天眼の使用者が戦えば、王獣化の使用者が圧勝する様に思える。


 だから、俺の持っていた天眼よりも強スキルの様に聞こえるが、これが殺し合いだったなら話は別だ。


 これは天眼の使用者が上手く使いこなせるかと言う事も大事だが、俺なら天眼で肉体のリミッターを外して戦えば、例え王獣化を使っている相手が同じ俺だったとしても相討ちに持ち込む自信がある。


 肉体のリミッターを外せば、ある程度動けるようになる。

 そこで空間把握能力を使えば、王獣化を使われていたとしても5分間は死なずに耐えきる事も出来る。


 天眼の空間把握能力は、終末の使徒レプリカの攻撃さえ、捉える事が出来る程の能力だからな。王獣化の身体能力程度なら見逃す事はまず無いだろう。


 まあ、終末の使徒レプリカ戦の時は、攻撃が見えていても格が違い過ぎて全く対応が出来なかったけどな。


 あの時、最初からリミッターを外していれば、唯の犬死になっていただろう。


 それに終末の使徒レプリカ戦で、肉体のリミッターを外す事で死んでさえいなければ動く事が出来るのは確認している。

 何とか王獣化のタイムリミットまで耐え抜き、相手の王獣化が切れた所でトドメを刺す。


 そうすれば倒す事は出来るが、王獣化に対応出来るくらい体を酷使すれば、当然使い終わった後の道は一つしかない。

 どんなに頑張っても相討ちという結末にしかならない。


 正確な事は言えないが、王を冠するスキルと天を冠するスキルは同格のスキルだと考えている。


 屋上で小池さんが俺の鑑定に気付いたのは、あの時には既に第一開放をしていたからだろう。


 ここと来た時も小池さんは第二開放から使っていたな。


 獣化と言っても第四開放までは見た目に変化は無かったから、使っていても普通は気付かない。


 さて、王獣化(猫)のスキル能力はこんなものだが、俺が一番気になっているのは、そんな事ではない。


 一番の問題は、王獣化すると手足がモフモフの毛皮になると言う所だ。


 今はもう無いが、戦っている時に攻撃を逸らす為に軽く触ってみたら凄く手触りが良かった。


 何と言うか、ふわふわで柔らかいんだが、適度な硬さもある絶妙なバランスの猫の毛だった。


 あれがもし神を冠するスキルの神獣とかになったら、全身がモフモフになるんだろうか?


 見てみたいし触ってみたい。どうせなら俺も獣化のスキルスクロールを手に入れてモフモフになりたい。


 これは唯の戦闘用スキルというだけではなく、モフモフと言うオプションまで付いてくる。

 それだけでも十分にEPを削る価値のあるスキルだと思う。


 まあ、戦闘用でも戦闘スタイルを変えられるだけで、十分に使い勝手は良いけどな。


 スキルスクロールを手に入れたら、俺が使う前に春か母さんに使わせるべきかもしれない。


 どうにかして4つ以上手に入れたいところだ。


 (猫)という事は、他にも獣化には種類があるという事だよな。


 王獣化(猫)は速度重視の獣化だったので、それなら速度特化型以外にも攻撃力特化や耐久性特化の獣化もありそうだ。


 まあ、それがどんな獣化かはまだ分からないけど。毛皮だけとは限らないか。


 そう言えば獣化と言う割には、小池さんは獣っぽく無かったな。見た目はそうなんだけど戦い方とかな。


 もっと4足歩行の変則スタイルになったりするのかと警戒もしていたんだけど、小池さんは普通に佐久間の門下生として戦えていた。


 それに実際に爪もあったが使ってくる様子は無かったな。まあ、使ってきてもどの道あまり意味は無かったと思うけど。


 小池さんを起こす時刻まで、まだ時間があるな。スマホでネット小説でも読んで時間を潰して待つか。

 ダンジョン内ではないので問題無くネットに繋がる。


 その前に先に春に遅くなると連絡しておくか。


『もしもし、お姉ちゃん、何?』


「今日は遅くなるから、母さん達に伝えておいて欲しくてな」


『高校で何かあるの?』


「いや、違うが兎に角遅くなる。今日知り合った人と遊んでから帰る」


『ふぅ~ん、もしかして探してるの? モンスターが外でも出るって学校で言っていたけど』


「中学の方でもその話があったか、お前は探してなんかいないよな?」


『ささ、探してないよ~』


 スマホの向こうからふぅーふぅーと聞こえる。


「鳴らない口笛をスマホの向こうでやられてもな。それよりもまさか注意喚起されたその日に探しに行っているとはな」


 まあ、俺も似た様なものか。


 それよりも探すのはまだ良い。春ならその辺の雑魚モンスター相手には負けないと思うからな。


 でも運悪く逸れモンスターに遭遇してしまったら危険だ。


 春が直ぐに逃げると言う決断をしてくれたらいいが、俺と同じで思い切りが良過ぎる所があるからな。


『お姉ちゃんだって遊んで帰るんでしょ?』


「それとこれは別だろう。それよりも一人でモンスターを探しているんだよな、春?」


『えっーと、代わります?』


 代わるって誰かと一緒に居るのか?


 春の足手纏いになる様な奴だったら春が危険にさらされる。春だけでも逃げる事が出来たら良いんだけど。


『代わりました』


 春のスマホに出たのは、美月だった。





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