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便利な鑑定



「小池さんは唯の門下生なのか?」


「唯のって、凛ちゃんとは昔からの友達ですよ」


「ん」「はい」


「そうか。因みに実力は如何程で?」


 流石に慶より強いなんて事は無いと思うけど、佐久間の門下生だからな。


「う~ん、私ではなんとも言えないですね。兄さんは分かりますか?」


 美月では相手の強さを正確に計るのは難しいか。咲良も美月の言葉に頷いている事から同じ様な感じみたいだ。


 まあ、俺もそんな事は出来なかったけどな。


 でも、慶なら流石に分かるだろ。天眼で誤魔化していた俺の動きも見抜く事が出来たくらいだからな。

 普段、道場で見ている小池さんの実力を測るくらいは余裕だろう。


「凛ちゃんの実力ね。光希には段位で説明しても分からないだろうから簡単に言うと、練度的には美月達より上になるけど、実際に戦うとなったら多分互角かな」


「その心は」


「凛ちゃんは何か自分でこれだけは誰にも負けたくないって物が無いんだよね。それは俺もだけど」


 確かに慶は得意不得意が無いように思える。それでも超人には変わりないがな。


「得意な事がないオールラウンダーという事か」


 成る程、自分の得意な事は他の事よりも1段も2段も上になるのは当たり前だ。

 慶とギリギリ競り合えていた俺に、慶の得意な得物を使われてはあっさりと負けてしまうだろう。


「そう言う事だな。美月なら母さん譲りの薙刀。咲良だったら大太刀だな。俺も刀って言いたい処だが、美月や咲良みたいに自分の中で飛び抜けて扱えないからね。俺と同じタイプの凛ちゃんの実力はそんな感じだよ」


 小池さんが少し下を向いて落ち込んでいるのを、隣の咲良が頭を撫で回して慰めていた。


 自覚している欠点だったのかな。


「別にオールラウンダーでも慶みたいに強くは成れるんだろ」


「まあ、そうだな。オールラウンダーを突き詰めた極地とも言えるのがウチの祖父さんだからね。側からは全てが飛び抜けている様に見えるよ」


 慶の祖父さんは何でも出来る雰囲気ではあったけど、全てが得意だから得意な物が無いと言える領域に居るのか。


 益々そんな祖父さん相手に一本取らないといけない慶が可哀想になってくる。


 まあ、そんな祖父さんでもオールラウンダーである限り、神を冠する神槍の様なスキル持ちに遭遇すれば勝つ事は難しいのだろうけどな。


「流石佐久間の元当主」


「まあな。自己紹介も終わったし昼食を食べようか」


「そうだな」


「わかりました」


「ん」「はい」


ーーー


 サンドイッチを食べ始めて最初に思った事は、野菜ってこんなに美味しいんだな、ではなくステータスの確認をしないと、だった。


 勿論、俺のステータスではない。


 俺のなんてlv62だから中々経験値が稼げなくてlvは上がらず変わりばえが無い。

 唯一変わる所と言えば、振動魔法の経験値表示くらいのものだ。


 見たいステータスは慶のでも無い。昨日見たから大して変わっているとも思えないからな。


 俺が確認したいのは、その他の3人のステータスだ。


 元々は美月と咲良の二人だけの予定だったが、別に増えても問題ないどころか嬉しかった。


 まずは美月から鑑定。


【名前:佐久間 美月(みつき)

 性別:女

 年齢:15

 職業:学生

 lv:17

 スキル:夜目Ⅱ P 4/10(200EP)

 HP:2219/2219

 EP:665/865 】


 そう。俺が確認したかったのは、美月達のlvが上がっているのかだった。


 俺の予想では、ほぼ確実に佐久間家の敷地内にダンジョンの入り口があると思っているが、そのダンジョンについて誰が知っているのかも知っておきたかった。


 予想通り佐久間家にあるダンジョンは慶だけが知っているものでは無い様だな。


 まあ、家の敷地内に居るのに何時間もダンジョンに入り居なくなっていたら不審に思われてしまう。家族にダンジョンに存在を隠すとしても、家族の中に協力者が居なければ到底無理な事だろう。


 家族ぐるみで知っているかは分からないが、その可能性は高いだろう。


 例え家族全員がもしダンジョン外にモンスターが出てきたとしても余裕で対処出来るとは分かっていても、自分の家の敷地内にダンジョンの入り口がある状態で学校に行ったり他のダンジョンを探しに出かけたりする事が普通出来るだろうか?


 俺なら適当な理由をつけて学校を休み、暫くはダンジョンの様子を見るけどな。


 慶が外にダンジョンを探しに行ったのは自分達の自由に出来るダンジョンが欲しかったからだろうな。


 俺も折角面白そうなダンジョンってものがあるのに、親に「ゲームは1日1時間」と言われる感じでダンジョンの出入りを制限されるのは嫌だ。


 もしそうなったら俺も、自分達だけが知っている未発見ダンジョンを探しに行っていたと思う。


 まあ、違う目的で結局は探しに行ったけどな。


 さて、一応咲良の方も鑑定しておくか。


【名前:佐久間 咲良(さくら)

 性別:女

 年齢:15

 職業:学生

 lv:17

 スキル:切るⅣ A 10/20(200EP)

 HP:2219/2219

 EP:865/865 】


 咲良のステータスは所持スキルこそ違うが、レベルとかその他は美月と同じ様な感じだった。



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