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お肉ゲット!


 

 では、お金節約の為の実験を行なっていこうと思う。


 まず俺が考えた事は、返り血についてだ。


 消えたり消えなかったりする原理についてはどうでもいい。


 問題は返り血が消えなかったという事だ。


 返り血が消えないという事は、今現在、俺の体から滴り落ちているモンスターの血液を採取する事が出来てしまう。


 返り血は体から離れて地面に落ちても、消えたりする様子は無い。


 まあ、血液を採取しても俺には使い道が無いんだけど。


 国の研究機関とかなら、幾らでもこういったサンプルは欲しいだろうな。


 俺はバレたくはないからそんな事には関わらないけどな。

 

 今はそんな事よりもモンスターの血が採取出来るという事が重要な話になる。


ーーー


 まずはウルフを見つけて、面倒だが丁寧に倒す。


 今回はドロップアイテムに変わるのを待つのではなく、倒して直ぐにウルフの解体を始めた。


 動物の解体はネットで見たものの見様見真似で再現しているだけだから、プロから見たらお粗末に見えるかもしてない。

 これでも自分では結構上手く解体出来たと思ったが、作業が終わると、殺人の隠蔽工作に死体をバラバラにした様な惨状が広がっていた。


「これは解体とは呼べない」


 まあ、実際の解体現場を神眼で見れていたら、もう少し上手くやれていたかもな。


 皮や骨、内臓はグチャグチャになっても構わないと考えて、肉だけは上手く切り出してブロック状に切り分けた。


「何とか上手くいった」


 時間はとっくに30秒経過している。

 普通なら消えるかドロップアイテムに変わるモンスターは、今は死体が全部残っていた。


「予定とは違ったが、実験は成功だ」


 元々はモンスターが消えるまでの30秒間に、本体から肉を切り取れば消えずに残ると思い実験をしてみた。


 普通に全部消えなかったみたいだけどな。


 モンスターを倒した後も触れていたから消えなかったのか?


 今はもう触れていないが消える様子は無い。もう少し検証を続けてみよう。


 ウルフのブロック肉をマジックポーチに仕舞ってから、新たな犠牲者を探す。


ーーー


 それから暫く検証を行なった。


 最初は倒したウルフが触れていると消えないのかの実験。


 結果は30秒経過してウルフはドロップアイテムに変わった。


 触っていた手に多少の毛が残っていたが、これは返り血と同じ様な扱いなのかな?


 次は倒したウルフを頭、胴、手足に切断してみた。


 軽く吐きそうになった。解体と思っていた時とは違い、死体を只々バラバラにするのは気持ち悪かった。


 我慢して30秒待つと、ウルフが消える。


「違ったか」


 細かく切り分けたから最初のウルフは残ったのだと思ったのにな。


 そう言えば、力任せに倒したウルフもミンチになって細かくバラバラなのに、綺麗に消えてドロップアイテムに変わっていたな。


 じゃあ、最初に解体した時と今切り分けた時の違いは何だ?


 思い付かないか。


 しょうがない。試しにもう一度最初に解体した時と同じ様にやってみる。


 ウルフを倒してから死体を解体をしていくと、30秒経過しても死体が消えず解体し終えた。


「う~ん、何が違うんだ」


 頭を抱えそうになった時、腕時計が目に入った。


「あ、もう7時半」


 もうちょっと調べたかったが、流石に時間切れだ。


 ダンジョンから出て着替える時間を考えたら、もうダンジョンを出ないとな。


 間引きもしながら、ダンジョンの出口に向かう。


ーーー


 ダンジョンから戻り、時間も無いので、血塗れの服を脱いでマジックポーチに入れてから、取り出したペットボトルの水を頭から被る。


 返り血を落としてからタオルで体を拭いていき、もう一度水を被り新しいタオルで体を拭く。


 赤くなったタオル二枚をマジックポーチに仕舞い、服を着て靴を履き制服を着る。


 マジックポーチから、高校のカバンを取り出して中にポーチを仕舞って、準備完了。


 マジックポーチが全体的に赤くなっている事と赤い色を見過ぎて目がおかしくなっている事以外は、問題無さそうなのでさっさと学校へ向かおう。


ーーー


 俺は裏山を走り抜け、遅刻せずに高校に到着した。


 校庭から自分の教室に向かう。


 教室に行くまでに何故か色々な人が此方を見てきた。


 学校では、人に見られている事も多いが、今日はいつも以上に視線が多い気がする。

 何か服装でおかしい所があるのか?


 俺は慶ではないので、流石にその視線がどう言った視線なのか感情は読めない。


 敵意では無い事は周りの雰囲気で分かってはいる。


 教室に着いて扉を開けると、相変わらずよく見られている。


 自分の席に着きカバンを机に置いて、始めて気が付いた。


 カバンをよく見ると、飛沫血痕があった。

 

 パッと見は分かり難いが、見れば飛沫血痕だ分かる。多分血が付いたのは最初にウルフを潰した時だろう。


 あの時はまだ返り血が残るなんて知らなかったからな気にしていなかった。


 あの時は鞄よりも、ズボンと靴に付いた返り血の方に気を取られていてすっかり忘れていた。


 まあ、それでも汚れても良い服に着替える時には、鞄もきちんとマジックポーチの中にしまったけどな。


 朝からいつも以上に視線を感じていたのは、この鞄の飛沫血痕の所為か。


 そうだよな。普通の生徒で通っている俺がある日いきなり血の付いた学校指定の鞄を持って来ていたら、何が有ったんだと驚かれるのも必然だ。


 くそっ このままでは俺の学校での真面目なイメージが崩れてしまう。


 誰かに聞かれた時のために何か言い訳を考えないと。


 

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― 新着の感想 ―
[一言] 血飛沫もあるだろうが、多分今の主人公…かなり臭うと思うよ
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