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まさか、そんな、あり得ない



「ん? 何で俺、床で寝ているんだ?」


 うつ伏せで倒れている状態から起き上がると。


 ピチャ ピチャピチャ


「あれ?」


 自分が寝ていた床を見ると、水溜りのようなものが出来ていた。


「!?」


 あまりの驚きに言葉が出なかった。


 驚きと言うよりは、衝撃と絶望だ。


「まさか、あり得ない、そんな筈は無い、俺はもう高校生だぞ⁉︎」


 そんなものは既に幼稚園で卒業済みだ!


 段々と目眩がしてきた。頭がクラクラしている。


 貧血のような状態になり、バランスを崩して床に手を突くと。


 カランカラン


 手で何を弾き飛ばしたのか見ると、それは槍だった。


「何で槍がこんな処に? 思い出した!」


 そうだ! 思い出したぞ! 昨日ネット通販で洗剤を頼んだ後、神槍の再現、適応の稽古をしていた。


 その後に記憶が無い。


 床で寝ていた事と、側には槍が落ちていた事から考えて、俺は昨日稽古に集中し過ぎて体力の限界にも気づかず気絶した。

 そして、今こうして目が覚めたという訳だ。


 だからこの水溜りは唯の汗だ。


 良かった~ 後もう少しでトラウマになる処だった。


 そうだよな。高校生にもなって俺がそんな事する訳が無いよな。


 さあ、そうと分かったらシャワーを浴びに行こう。


 槍をマジックポーチに仕舞い、制服と着替えを持って風呂に行く。


 服を脱いでシャワー浴びてから、制服に着替えて自室に戻る。


 汗の水溜りをタオルで拭いて、着ていた服と一緒に洗濯籠に放り込んだ。


 鞄とマジックポーチを持ってリビングに行き、昨日の中華丼の余りを温めて食べる。


ーーー


 食べ終わって暇になった。


 スマホで時間を確認すると、まだ4時と学校に行く時間までかなり時間があった。


 レッドウルフが逃げ出していないか、少し心配だな。


「確認しに行くか」


 鞄にマジックポーチを入れてから家を出た。


 時間的にまだまだ薄暗いので人気も無い。この暗さなら見られる心配もないだろう。


 俺は走ってダンジョンに向かった。


ーーー


 ダンジョンに着いた。


 入り口前には異常なし。昨日置いておいた洗剤の袋も消えずに残っていた。


 破けた袋が無いという事は、スライムもダンジョンから出てないようだな。


 確認も済んだ。ダンジョンに入りレッドウルフに会いに行こう。


 試練の扉まで来て、レッドウルフが居るのを見つけた。


 逃げ出してないな。


 魔鉄の鎖も大丈夫そうだ。ストッパーの短剣は首に着けた物は残っていたが、供物の杯に付けた短剣は無くなっていた。


「流石に駄目だったか」


 まあ、レッドウルフは逃げ出せてないみたいだから良いけどな。


 グルルルルゥゥゥゥゥゥゥゥ


「お、威嚇Ⅲか」


 飛び掛かって来ない処を見ると、鎖が外せないのは理解出来たのか。


 俺の事を忘れているのは相変わらずだけどな。


 ボヴォォォォォーー!!


「おっと、今度は火息Ⅰか。まあ、物理的に届かないならこれしか無いよな」


 俺を忘れているなら思い出してもらおうか?


ーーー


【種族:逸れレッドウルフ

 性別:メス

 lv: 31

 スキル:噛み付くⅤ 引っ掻くⅢ 嗅覚Ⅱ 

     威嚇Ⅳ(MP400) 火息Ⅰ(MP100/20秒)

 HP:27564/28485

 MP:165/665 】


 威嚇のスキルレベルが4に上がっていた。


 昨日も格上の俺相手に結構使っていたからな。それで上がったんだろう。


 レッドウルフにあまりダメージを与えるのも可哀想だったから、俺との実力差を分からせる為に1分間空中サンドバックになってもらった。


「これで思い出してくれたかな?」


 ボヴォォォォォーー!!


「危な!」


 レッドウルフが放った火息Ⅰを何とかギリギリ避けることが出来た。


「後ちょっとで制服が燃える処だっただろ!」


ーーー



【種族:逸れレッドウルフ

 性別:メス

 lv: 31

 スキル:噛み付くⅤ 引っ掻くⅢ 嗅覚Ⅱ 

     威嚇Ⅳ(MP400) 火息Ⅰ(MP100/20秒)

 HP:18782/28485

 MP: 65/665 】


 レッドウルフはグッタリしている。


 少しやり過ぎてしまったが十分に鞭になっただろう。


 マジックポーチから鹿の足を一本取り出してレッドウルフの前に置く。


 俺の攻撃は手加減には丁度いい能力だが、相手に1ダメージしか与えられないので、受けた相手も大した痛みは感じないようだった。


 まあ、9703発も殴られ続けてHPを3分の1も削られれば、流石にレッドウルフも実力差に気づいてくれた様だ。


 思い出してくれたかは分からないけどな。


 俺はレッドウルフが食事しやすい様にダンジョンを出た。


 さて、日課の稽古といきたいところだが、昨日はぶっ倒れてしまったので、やる気が出ない。


 時間を確認すると、まだ4時半で30分しか経ってなく暇だ。


 そうだな。学校の裏山にあるダンジョンでも探すか。


 登校時間になったら、そのまま学校に向かえば良いだけだからな。


 裏山に向かおう。


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― 新着の感想 ―
[一言] 主人公くん、わりとサイコパス気味よね(・_・;
[良い点] レッドウルフにお水もあげて。
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