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以前の自分と重なる



【種族:逸れレッドウルフ

 性別:メス

 lv: 31

 スキル:噛み付くⅤ 引っ掻くⅢ 嗅覚Ⅱ 

     威嚇Ⅲ(MP300) 火息Ⅰ(MP100/20秒)

 HP:22978/28485

 MP:365/665 】

 

 lv差的に逃がしはしないか。


 MPを使ったスキルを見てみたいので、一旦掴んでいる首を離して自由にしてやる。


 案の定レッドウルフは急いで逃げ出した。


 俺は追い掛けてからレッドウルフの正面に回り込む。


 すると、レッドウルフは直ぐに方向転換をして逃げる。俺は同じ要領で正面に回り込み逃げたら回り込みを繰り返した。


 8回目で漸くレッドウルフは逃げるのを諦めてくれた。


 逃げ切れないと悟ったレッドウルフの行動は、俺が終末の使徒レプリカと対峙した時と同じ、一か八かの賭けをして立ち向かうしかないよな。


 グルルゥゥゥーー!!


「これが威嚇か。確かに何か圧力が掛かっているように感じる」


 lv差の所為か殆ど効果を発揮出来ていないがな。流石lv62の体だ。


 でも言い換えれば、これだけlv差があるにも拘わらず相手に少しでも圧を与えているのは、もしかしたら結構凄いスキルなのかもしれない。


 しかもこのレッドウルフは逸れだから、ダンジョンから出て上がったのはlvだけだ。

 スキルはダンジョンにいた頃と変わらないなら、lv10台の頃から同じスキルレベルで威嚇のスキルを所持していたかもしれないという事だ。


 同じlv帯の奴から威圧系のスキルを受けたら致命的な隙が出来てしまう。


 威嚇や威圧耐性スキルがあるのなら早めに手に入れておいた方が良さそうだ。


 もっと言えば、耐性系のスキルは全部所持しておきたいぐらいだ。

 そして、いつかは10億EPが必要な物理無効も手に入れたいと考えている。


 まあ、実際にそんな無闇矢鱈にスキルを取っていたら、所持EPが直ぐに底をついて元の一般人に戻ってしまうだろうがな。


 レッドウルフは威嚇Ⅲを放った後、考え事をしていて動かない俺を見て、自分の威嚇が効いているとでも思ったのか、続けて火息Ⅰのスキルも使ってきた。


 ボヴォォォォォーー!!


「おっと」


 レッドウルフの口から吹き出す炎が迫ってきたので、俺は反射的にバックステップで避けた。


 避けて炎の射程距離から出た。しかしレッドウルフは口から炎を吹き出したまま、俺に近づこうとはしないで、その場で20秒間炎を吹き続けていた。


 火息Ⅰスキルは途中で効果を切る事が出来ないみたいだな。 


 それに使用中はその場から動けず、首で炎を放射方向を変えるのが精一杯の様だ。

 避けられたら最後、使用中は側面や背後から一方的に攻撃を受け続ける事になる。

 デメリットが死に直結しているスキルだな。


 まあ、レッドウルフもそれが分かっていたから、威嚇Ⅲを放った後、俺が動けないと勘違いして火息Ⅰ使ったんだろう。


 グルルルルゥゥゥゥゥゥゥゥ


 このレッドウルフも自分が詰んだ事に気づいてしまったのか、唯一微妙に効いているように感じる威嚇をずっと放っている。


 それと同時に腰が引けていて逃げたそうにしていた。少し可哀想になってきたな。


 殺すのはやめてやるか。


 まあ、逃がしてやるとも言ってないがな。


 俺はレッドウルフが反応出来ないスピードで近付いて、少し強めにアッパーカットで顎を打ち上げた。


 すると、レッドウルフはその場で崩れ落ち、狙い通りに気絶させる事に成功した。


 小鬼の時とは違い、lvの恩恵を隠すような過度な力加減はしていない。

 レッドウルフのlvに合った威力より少し強いかな?ぐらいの力加減で殴り付けた。


 勿論、ユニークスキルの所為でダメージは殆どないが、それでも衝撃は伝わった。


 その衝撃でレッドウルフの頭を揺らして脳震盪で気絶した。


 一番簡単なのは、ここで始末してしまう事だ。


 しかし、そうはしない。

 どうにかしてこのレッドウルフを飼ってみたい。


 別に懐かなくてもいい動物園の動物みたいな扱いだ。


 赤い毛並みが綺麗だから、鑑賞用のペットにしよう。


 殺してしまったらドロップアイテムになって、この毛皮は消えてしまうからな。


 まずは檻を何処にするかだが、lv31のモンスターを閉じ込められる場所は普通無い。

 鉄の牢に入れても、鉄の柵を曲げて出てくるのが容易に想像出来た。


 それならダンジョンは、どうだろうか? 


 俺が管理しているダンジョンだ。

 ダンジョン内のスライムが湧かない場所に、鎖で繋いでおけば、ダンジョンから出られなく上手く飼う事が出来るかもしれない。


 その内スキルスクロールでテイマー系のスキルが見つかったら、このレッドウルフもきちんとしたペットとして飼う事が出来るな。


 俺は気絶させたレッドウルフを担いで裏山を走っている。


 本当はこのレッドウルフが出てきたダンジョンを見つけに行きたいが、レッドウルフを飼う事になったので、裏山にあるだろうダンジョンを探すのは明日以降だ。


 明日、ダンジョンに入っている事をお互いに知っている慶と一緒に探すのもいいな。


 それに裏山にあるダンジョンなら、家からも比較的近くでかなり理想的な場所にある。

 警察より先に見つけたら、管理ダンジョンにするのも良いかもしれない。


 間引きも学校の登下校時に、ついでにやれば良い。


 俺と慶の両方が間引きをすれば、ダンジョン外にモンスターを出す事も無くなる。


 俺はあと少しで裏山から出て住宅街に入るという所で立ち止まる。


 流石に住宅街をモンスターを担いだまま行くのは不味いからな。



 


 


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