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友達の家に行こう



 とまあ、それを切っ掛けにそれから一年の間、佐久間との親睦を深めていき、高校2年に進級した。


⚫︎⚫︎⚫︎


 不良数十人を同時に相手出来る奴と比べられても山田が可哀想だという話だったな。


 俺も慶みたいに数十人に囲まれても相手を気遣い手加減しながら戦うのは難しい。


 それに武器を持っている相手には手加減しないと決めているからな。


 下手をすれば人を殺してしまうかもしれない事をやっている訳だから、多少の痛い目は見ないと反省にならない。


 それに武器を使った代償が骨の数本ならかなり良心的と言えるだろう。


 まあ、慶はステータス関係なく強過ぎるって事だ。


 俺は退屈な授業を受けながら時間が過ぎるのを待つ。


 そして午前中で授業が終わり放課後になった。


 時間はまだ11時過ぎ。1時に慶の家に集合だから、まだ2時間も時間がある。


 鞄にマジックポーチがある事を確認してから、荷物を詰めて帰る準備をする。


「光希、1時にうちの家だからな」


「分かってる」


 慶は俺にそれだけ声を掛けると、教室を出て行った。


「俺も帰るか」


 俺も帰る準備が済んだので家に一旦帰る。


ーーー


 家に到着。


「ただいま」


 玄関の扉を開けて声をかけるが、返事が返ってこない。


 まあ、当たり前か。神眼の気配感知で今家の中には誰も居ない事は分かっているからな。

 声が返ってきたら逆に驚く。


 習慣と言うか癖で帰ってきた時には玄関の扉を開けると「ただいま」ってつい言ってしまうな。


「春はまだ帰ってきてないか」


 中学の方も高校と同じく午前中で学校が終わる筈だから、もうそろそろ帰ってくる頃だろう。


 自室に上がると、ポーチ以外の荷物を机の上に置いて、着替えを持って脱衣所に向かった。


 一応、今日の朝、高校に行く前に体を洗ったが、何と無く洗い足りない気がしたのでシャワーを浴びる。


 きちんと洗いはしたので綺麗な筈なんだけど。


 汗で体がベタついて気持ち悪いような不快感がまだ少し残っている。


 まあ、しょうがないと思う。


 例え自分の血液だとしても、血塗れになるなんて経験はした事が無いからな。


 と言うか、あれは確実に致死量の出血だっただろうけどな。


ーーー


 シャワーを浴び終えて、動き易い私服に着替えてからリビングに行く。


 集合は1時からだからな。ご飯食べてから出掛ける事にしよう。


 面倒だから簡単なチャーハンを作る。


 俺の作る焼肉チャーハンは焼肉のタレで味を整え誤魔化す簡単な料理だ。急いでいる時や面倒な時に俺はよくこの焼肉チャーハン作っている。


 ご飯に生卵を混ぜて置いておき、フライパンに油をしき野菜ミックスと切ったハムを炒める。

 そこに、醤油、胡椒、塩を適量入れ炒め終わったら、生卵を混ぜたご飯を入れて強火で一気に炒める。

 焼肉のタレで味を調えて、何ちゃって焼肉チャーハンの出来上がり。


 一緒に春の分もと思って多めにチャーハンを作っておいた。


 作ったチャーハンを録画したテレビ番組を見ながら食べる。


 そうしていると、神眼の気配感知に家の玄関に近づく気配を捉えた。


「春が帰ってきたな」


 気配の人物が玄関から家に入りリビングの扉を開けた。


「ただいまー」


「お帰り、テーブルにチャーハンがあるから適当に食べて」


「うん、お姉ちゃん」


「だから俺は兄だと」


 春は俺の言葉を聞き終わる前に、リビングから出ていった。


「もういいや」


 春の事は放っておいてテレビを見ながら約束の時間まで時間を潰す。


ーーー


 12時半になり、そろそろ家を出て慶の家に向かう事にした。


 春の部屋に行き、声をかける。


 コンコン


「春、俺ちょっと遊びに行ってくるから、もしかしたら遅くなるかも知れないって母さんに伝えといて」


「OK!伝えとく。それでどこに行くの?」


「慶の家に行くけど、その後どこに行くかは分からん」


「美月さんと咲良ちゃんの家か。私も行こうかな?」


「やめとけ。美月と咲良は明日入学式なんだから今日遊びに行くのは迷惑になる」


 慶の妹2人は双子で今年から高校一年になる。


 慶に合わせたのか2人とも慶と同じウチの高校を受験して見事に合格した。


 妹が2人とも優秀で羨ましい。


 ウチの春なんて、今年受験生だけど俺と同じ理由で家から一番近い一緒の高校に行きたいようだが、うちは結構偏差値高い所だから、春の学力だとギリギリなんだよな。


 まあ、その辺は春が責任持って頑張ると思うから任せる。


「じゃあ、お姉ちゃんと慶さんに付いて行きたい」


「付いて来れるなら別に良いけど」


 春が俺と慶に合わせるのは辛い筈だ。と言うか無理だろう。


 いつも自然の中で遊んでいる俺と道場で無双している慶だからな。


 普通の遊びなら連れて行くのも良いが、今日はダンジョンを探しに行くから付いて来られるのは面倒だ。


「え~無理~」


 だろうな。


「と言う訳で、出かけてくるから」


「うん。行ってらっしゃい、お姉ちゃん」


 マジックポーチを腰につけ、財布とスマホをポケットに入れてから玄関を出る。


 自転車に乗り、慶の家に向かう。


ーーー


「ん~やはり家と言うより屋敷だよな」


 俺は慶の家の門前で思わず声を漏らした。








 


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