表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/126

初日から遅刻です


 

 まだ少し目が痛むが、神眼は使えるようだから大丈夫の筈だ。


 念の為、痛みが完全に引くまで瞼を閉じておくか。


 別に空間把握が使えるなら、見えなくても大丈夫だろう。


 何か直接物を見たいなら瞼を透視すれば良いだけだからな。

 

 歩き続けダンジョンを出る頃には、もう痛みもすっかり引いていた。


 やっとダンジョンを出れた。


 もう外はすっかり日が暮れていた。


 確かダンジョンに入ったのが土曜の9時だったから、学校登校日まで後1日はあるな。


 今日は疲れたから、明日はもう家に帰って、一日ゆっくりと家で過ごす事にしよう。


 明日もダンジョンに潜るなんて気力は流石に湧かなかった。


「あれ?」


 スマホで時間を確認すると、今日は日曜日の夜19時と表示されていた。


「丸一日以上、経ってる」


 確かにあの巨大スライムと戦った時は2回も気絶したが、そんなに時間が経っていたのか。


 じゃあ明日はもう高校の始業式じゃないか。


 今日はもうここで寝てしまおう。


 明日、朝早起きして急いで家に帰れば、始業式には間に合うだろう。


 兎に角、今日は疲れたのでもう寝る。


 テントに入り、眠りにつく。


 おやすみ。


ーーー


 お早うではなく遅よう。


 現在、午前7時になりました。


 起きた瞬間から何となく「ああ、今日は遅刻だな」って悟ったよ。


 lvに物言わせ全力で走れば、今からでも間に合うとは思うけど。


 今、人間業じゃない行動をして国などに俺の事がバレる事を考えると、あまり得策とは言えない。


 それにlv20台の時なら最悪バレても大丈夫だとは考えていたが、現時点でlv60台の人なんて他に居るとは思えないので、絶対に面倒な事になる。


 どうやってlvアップしたのかを聞かれたら困ってしまう。


 自分で言うのも何だけど、この結果は俺の行動力があってこそのものだと俺は思っている。


 それに俺があんな思いをして倒した終末の使徒レプリカを、他の人に簡単にクリアされたらと考えただけで許せない。


 だから絶対に攻略法を教えてなるものか。


 この気持ちが落ち着くまではネットにも情報を上げるつもりはなかった。

 もちろん見つかるつもりも無い。


 始業式には遅れるが、そんな事はどうでも良いくらいはその気持ちが強かった。


 ぐぅ~~~!


 お腹が減ったので、朝はここで食べてから家に帰って準備しよう。


 1日以上何も食べてないから、朝ご飯はカップ麺を2個食べる。


 例え、遅刻が決定していたとしても、始業式が終わるまでには教室に到着しておきたいな。


 食べ終わったら、テントを解体してから持ち、森の中をダッシュで出た。


ーーー


 自転車にテントを積んだら、カモフラージュとしてマジックポーチから空のリュックを取り出して背負う。


 背負った空のリュックにマジックポーチを入れて、準備完了。


 家に帰った時に、持っている物がテントと小さなポーチだけでは怪しいからな。


 早く家に帰るか。


ーーー


  家に到着した。


「ただいま~」


 玄関の扉を開けて声をかけるが、もう家には誰も居ないのか返事は無かった。


 みんなもう仕事や学校に行っている様だな。


 俺も高校に登校する支度しないと。


 自分の部屋に持っていた荷物を置き、高校の制服を持って脱衣所に移動する。


 昨日戦いの後、自分の血で血塗れな体をタオルで拭いたが、それだけでは上手く綺麗になってないと思うので、シャワーを浴びてから登校しよう。


「まだ少し鉄の匂いがするな」


 ボディーソープとシャンプーで、この5日間の汚れを落とす為、2度洗う。


 サッパリしたら濡れた体を拭き、制服に着替える。


 通学カバンにマジックポーチを放り込むと、それを持って家を出た。


「もう8時過ぎてるな。既に始業式も始まっている頃か」


 自転車を乗り、高校に遅めの登校をする。


ーーー


 学校に到着して、駐輪場に自転車を停めてから校内に入る。


 まずは職員室に行って遅刻の報告をしてから、自分のクラスの教室に行くか。


 職員室で聞かないと自分のクラスすら分からないからな。


 昇降口には、もうクラス分けの紙が貼られてなかったから、職員室で一緒にその事も聞いてこないといけない。


 職員室の扉をノックする。


 コンコン


「失礼します」


 扉を開けて中を覗くと、職員室には事務の先生しかいないみたいだった。


 まあ、他の先生は始業式に出ているからな。


「はい、どうしました?」


「見ての通り遅刻しました」


「えっと確か、元1-1の佐々木さんでしたね。分かりました。副担任の先生に伝えておきます」


「はい、お願いします」


「そうしたら、佐々木さんは始業式が終わるまで自分のクラスで待って下さい。クラス分けは職員室の表の掲示板に貼ってあるのでそこで確認してください」


「はい」


 事務の先生への報告を終え、職員室を出てクラス分けを確認する。


「今年も1組か」


 教室の位置を確認してから1組の教室に向かう。


 教室に着くと、既に黒板に席順が書いてあったので、その通りに座る。


 席は窓側の一番後ろだ。

 もしかしたら教室に来た順番で席が決まったのかもしれない。


 勿論、遅刻した俺は一番最後の席になる。


「始業式が終わるまで暇だな」


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ