表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/126

運ゲー



【名前:佐々木光希

 性別:男

 年齢:16

 職業:学生

 lv:24

 スキル:鑑定偽装Ⅹ P 

     振動魔法Ⅱ A 9/100(10kHz、1/10EP)

 エクストラスキル:天眼 AP (10000EP)

 HP: 3985/7950

 EP: 427/5428+5000 】


 さて、どうしたものか?


 HPが半分以上あるとは言え、未だに俺は瀕死状態。


 リミッターを戻せば動けなくなるし、逆にリミッターを外せば動けるがHPがかなりの速度で減っていく上に筋肉や骨にもダメージがいく。


 回復ポーションの在庫が切れたら、本当に終わってしまう。


 俺が生き残るにはどうにかしてあのlv99の巨大スライムを倒してから、ダンジョンを脱出して病院に行くしかない。


 それでも、助かるかは半々って処だと思うけどね。


 これは一か八かの賭けをしてみるしかないか。


 まあ、戦うと言ってもどの道洗剤を使ってなんだけど。


 スライムとしての特性が消えていなければ、この巨大スライムにも洗剤は効く筈だからな。


 巨大スライムの攻撃範囲外から洗剤を投げて当てるって手もあるが、最初なら兎も角、今は瀕死の状態では洗剤を巨大スライムへ投げる力なんて無い。


 攻撃範囲外からの攻撃は無理だ。


 でも、攻撃範囲内に入ったら最後、次は殺されるだろう。


 他に効きそうな魔法攻撃も俺には無いからな。


【種族:終末の使徒レプリカ(スライム)

 性別:無し

 lv: 99

 スキル: 魔法耐性Ⅵ P(EP60000)

エクストラスキル:物理無効 P(EP1e9)        

          神鞭 P(EP1e8)

          神槍 P(EP1e8)

 ユニークスキル:固定ダメージ1        

 HP:6.9015e9/6.9015e9

 MP:1.4658e12/1.4671e12 】


 改めて鑑定してみたが隙は無さそうだな。


 やはり洗剤が唯一の突破口と言えた。


 そして最初の攻撃でなぜ即死しなかったのか、今やっと分かった。


 最初鑑定した時は、ユニークスキルの固定ダメージ1が何なのか分からなかったが、俺が即死しなかった事を踏まえて考えると結構簡単に分かった。


 このユニークスキルは、天眼みたいに名前だけでは効果が分からない様なスキルでは無く、言葉通りに自らの攻撃のダメージが全て1ダメージに固定されるというスキルのようだ。


 だから巨大スライムの神槍をくらった場所は、服以外に傷が付いていなくてダメージは1だった様だ。

 しかし、神槍を受けた衝撃までは消えてなく、俺は吹き飛ばされ壁に打ちつけられた。そのダメージはしっかりと入り、今の瀕死状態になっている訳だ。


 このユニークスキルのお陰で俺は即死せずに済んだのか。


 もしこのユニークスキルを巨大スライムが所持していなかったら、俺にとっては相手の攻撃全てが一撃必殺になり死んでいただろう。


 まあ、天眼の為にlv上げしていたから、何とか死なずに耐える事が出来た所もあるみたいだった。

 出来ればもう2、3lv上げていれば、今の状況ももう少し楽になっていたかもしれないけどね。


 lvが20超えていなかったら、HP的に本当にヤバかった。


 しかし、巨大スライムを倒そうにも、近づいても駄目、遠のいても駄目ときたか。







 よーし、ここは一か八かの賭けをしようか!


 どの道このままだと死ぬだけだからな。

 どうせ死ぬのなら、この巨大スライムに挑んで死のう。


 覚悟は決まった。早速準備をしようか。


 まず今の俺では、リミッターを外したとしても少し速く歩く事ぐらいが限界だ。


 なので、俺もこの巨大スライムと同じ接近戦のカウンター攻撃で戦う事にするよ。


 準備は簡単だ。マジックポーチから水を取り出してから、そこに粉末洗剤を入れ溶かし洗剤の水溶液を作る。


 作った洗剤の水溶液を頭から被る。ちゃんと全身がこの水溶液で濡れるように。


 それから粉末洗剤を溶かさず粉末のまま頭から被る。こちらも同じく隙間無く全身にだ。


 次にまた水溶液を上から掛ける。今度はさっきかけた粉末洗剤が流れ落ちない様に調節して掛けていく。そしてまた粉末を被る。


 これを何回も繰り返して洗剤を固めていき、洗剤を全身に装甲の様に纏う。


 これで準備完了だ。


 こんな方法は普通なら絶対に試さない。


 命を賭けている状況だから出来る事で、死ぬ確率の方が圧倒的に高い危険な方法だ。


 洗剤を纏い、巨大スライムに近づくだけの簡単な方法だが、試す価値は十分にある思う。


 さて、この巨大スライムを狩りに行ってくるか。


 この洗剤の鎧が乾いて崩れてしまう前にな。


「ふぅー、やるか」


 洗剤を4袋を一纏めにしてから手に持つ。


 俺は巨大スライムに近づいていき、その攻撃範囲へと足を踏み入れた。


 バスッ 「ギュウゥゥゥ~~!!!!」


 天眼で攻撃を感知したと同時に風が吹き抜け、巨大スライムから悲鳴が上がる。


 どうやら上手くいったようだな。


 巨大スライムの鞭の様な攻撃は俺の皮膚に到達する前に、鞭に使った体の一部が洗剤で消滅した。


 これで一先ず賭けには勝ったな。


 俺は追撃がくる前に攻撃範囲外に一歩出た。


 やはり巨大スライムの本体は玉座から動いて来ないようだ。


 俺は巨大スライムの触手を消滅させた分、減ってしまった洗剤を纏い直す。


 巨大スライムは俺と同じで痛みに対する耐性がない様だった。

 さっきも追撃する時間は幾らでもあっただろうに、叫ぶだけで何も仕掛けて来なかった。


 まあ、魔法でダメージを負う事はあっても、一方的に体の一部を消されるなんて、巨大スライムのステータスからすれば、本来あり得ない事だろうしな。


 検証も出来たし、次で勝負を決める。


 今の一撃で俺の危険性は理解しただろうからな。

 この洗剤の攻撃に巨大スライムが慣れてしまう前に倒してしまわないと、今度こそ殺されてしまう。


 今なら、この巨大スライムも多少は混乱しているだろう。


 倒すなら今しか無い。相手に捨て身になられて削り合いになったら、まず俺に勝ち目は無い。


 なら先に俺が捨て身の特攻で先手を取り、倒す!


 HPの残量を気にせずに走る。


 今までは体を出来るだけ傷つけないよう丁寧に扱ってきたが、これが最後の一本勝負。


 後のことは考えずに兎に角スライムに向けて走る!


 スライムの攻撃範囲内に入ると、攻撃が開始された。


 避ける事が不可能な攻撃が放たれていくが、俺が死んでいないって事は、ちゃんと問題無く防ぐ事が出来てるって事だ。


 でも、予想よりも巨大スライムが痛みに慣れるのが早い。


 巨大スライムは痛みを感じているようだが悲鳴を上げなくなり、攻撃の間隔が短くなってきていた。



 走り始めて巨大スライムまで後10mに迫った。



 後8m、洗剤の装甲が薄くなってきた。



 後5m、今にも素肌が見えてきそうだ。



 後3m、もう素肌が見えて洗剤の装甲が無い部分が出てきた。素肌の部分に攻撃がいかない事を祈る。



 後2  




 


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ