表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
125/126

お腹を刺されている様に見える

 

 森を抜けて校庭に戻ってきた。


 美月達の事を気遣って歩いて森を抜けてきたから、もうすっかり辺りが真っ暗になって、校内にも生徒は残っていなかった。


 職員室は明るいから教師は居るみたいだ。見つからない様にしないとな。


 慶と美月コンビはまだ良いが、俺と咲良の方は咲良が腹を刺されたかの様に血が服に付いているから、見つかると言い訳のしようがない。


 職員が使う裏門は見つかるリスクが高いので、表の校門に向かった。


 流石に時間的に校門の柵が閉まっていたが、俺と慶はlvの身体能力を活かして軽々と柵を飛び越える。


 あとは少し遠いが慶の屋敷まで咲良を負ぶっていけばいいだけだ。


 そう言えば、咲良の服の血にばかり気を取られていたが、春と凛もダンジョン入ってたからそれなりに返り血浴びてる。まさか、そのまま家に帰ったりしていないだろうな。


 連絡しておこう。

 凛の連絡先は今日も聞いていなかったから知らないが、春の方には念の為に連絡を入れておこう。


 既にコンクリートの道に出て、足元が安定しているので、片腕でも咲良を負ぶれてスマホの操作も問題無くは出来た。


光希:着替えたか?


春:何が?


光希:服だ、服。お前がlv上げたいと言って、ウルフ狩っていただろうが。返り血の付いた服を着替えてから家に帰れよ。


春:あ、本当だ。全然気にしてなかったよ。だって今日はダンジョンに入ったと思ったら、直ぐに帰る事になったから。全然ダンジョンを探索したって感覚がなかったんだよね。


 やっぱり忘れていたのか。危なかった。


 まあ、俺も言い忘れていたぐらいだからな。連絡を取っておいて良かった。

 この分だと、凛の方も多分忘れていそうだ。


光希:春。お前、俺のマジックポーチ持っているだろ?


春:え? 何のこと? お姉ちゃんのマジックポーチなんて、私知らないけど。


光希:そんなので誤魔化そうと思っているなら、お前は約束以前の問題だぞ?


春:すいません! 調子に乗っておりました、お姉様! マジックポーチは私が現在装備しております。


 ビキッ


 お姉様と言っている時点で煽ってきているよな? その事、春は分かってて言っているのかな~?


 そんな事でもないが、今はそんな事よりも頼んでおくべき事がある。


光輝:よろしい。春、マジックポーチから美月か咲良のスマホを取り出して、もしパスワードとかを知っていたら、返り血の服の事を凛にも伝えておいてくれ。


春:パスワードは分かるけどさ。 何でマジックポーチの中に美月さん達のスマホがあるの?


光輝:いや、ダンジョン探索するのにスマホとか邪魔だろ? ダンジョン内だと圏外でライト代わりくらいにしか役に立たない割に脆いからな。


 スマホは貴重品だ。ダンジョン内に持ち込むと、戦闘時に気を遣って全力で戦い難い。


 俺の場合は今の所、難易度的に超余裕だからポケットにスマホ入れていたから、今こうして連絡取れている訳だ。


春:ダンジョン内って圏外なの?


光希:知らんかったんかい! 

  はあ、凛には伝えてあるから、多分美月達も制服や鞄と一緒にダンジョンの外に置いて入ったと思うから、マジックポーチに入っていると思う。


春:ちょっと待ってて


 もしかしてだけど、春はダンジョン内でもスマホを持ち歩いていたのか? 


 いざと言う時にはライト代わりになるから、持っておいても良かったかもしれないが、もし壊れていたらと思うと、まあ俺は関係ないか。

 壊れたら自己責任という事で。


 俺もダンジョンでスマホ消滅の危機にあったが、自分で乗り越えた。

 だから、春も自分の事には自分で責任を持たないとな。

 いや、情報の伝え忘れは俺の所為だけどな。


春:あった。鞄の中にスマホが入っていたよ。じゃあ、これで連絡しておくから。


光輝:頼んだ。それが終わったらお前も着替えて帰れよ。


春:何度も言わなくても大丈夫だって


光輝:それと俺は美月達を送ってから帰るので、遅くなると母さん達に伝えてくれ


春:分かってる


 よし、これで大丈夫そうだ。


 問題は春達よりもこっちの気絶している2人の方だった。


 気絶しているから自分達で着替えてもらう事も出来ない。


 幾ら兄の友人とは言え、男の俺が美月達を着替えさせるのは普通に不味い。


 そして、妹に毎朝弁当を作ってもらっている様な変態シスコンお兄ちゃんに着替えを任せるのも少し不安だったりする。


 それにマジックポーチが無いので、美月達の服もここには無く、着替える以前の問題だった。


 これは誰か協力者が必要だな。


 訳を話しても口外しない様な佐久間家の人間と言えば?


 思いつかない。


 俺は佐久間家の人間とは、あまり関わりがないだがな。


 慶の両親は2人とも多分ダメだ。この2人にバレたら警察に連絡される。

 少なくともうちの両親には話が行く事になるだろう。


 なら、あの化け物爺さんは? 


 それも多分ダメだ。バレたらダンジョンを取り上げられそうだ。


 それでもダンジョンには入れると思うが、多分爺さんの許可制となり、佐久間の門下生にさせられ扱かれる羽目になる。


 実は以前会った時も門下生にならないかと、しつこく勧誘された。

 

 俺にはもう神眼という頼れる師匠が居るので、もう別の師匠は要らない。


 それに俺はあくまで自分の自由にダンジョンに入って勝手に冒険がしたいので、やっぱり却下だな。


 あと佐久間家で知っている人物は、使用人のユリさんくらいだ。


 あの人はよく分からない。


 一応、使用人と言う立場上、雇い主に報告しないとは思えない。

 まあ、ユリさんなら黙って秘密を守ってくれる可能性もあるかもしれない。

 しかし、やはり確証には程遠く、リスクが高い。


 誰か(都合の)良い人は居ないものかな?


 






 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 安易なハーレム展開にならないのが救いですが、女子メンバーがアタマヨワイのが見てて不快になります。 特にコソ泥妹と、猫娘。
[良い点] 色々酷な事書かれているけれど、この独自の世界観嫌いじゃないけどなぁ 頑張って続けて欲しい、、
[一言] 慶が弁当もらってるだけで変態認定されてて笑う
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ