集合・対決①
洞窟の中を掘り進み始めて丸一日が経過してしまったが、地上に顔を出しても未だにゼメツの街は見えても来ない。
何せ元々、地上を全速力で移動してようやく半日ほどでたどり着ける程度の距離にあるのだ。
まして今は地下を掘りながらの移動なのだ……最短距離で進んでいるとはいえ、どうしても時間はかかってしまう。
(これがこんな安全な場所で過ごしている間も、あの二人は昼夜を通してずっと戦ってるはずだ……真っ暗闇の中で自分より強い存在と戦うなど不安で心細いに決まってる……アリシア……アイダ……くそっ!!)
何度も落ち着くよう自分に言い聞かせるけれど、どうしても気持ちが焦って仕方がない。
しかしだからと言って一睡もせず休みなく洞窟を掘り続けているル・リダを急かすような真似は出来なかった。
そんな俺に出来ることは彼女の疲労を少しでも軽くするためにエリアヒールをかけることと、仕事に集中できるよう代わりにドラコの面倒を見続けることぐらいだ。
そう思ってドラコの傍で変わったことが無いか観察し続けていた俺は、とある変化に気が付いた。
「……ル・リダさん、少しいいかい?」
「ふぅ……はぁぁ……は、はい何でしょうか?」
洞窟を掘る手を休めないまま肩越しにこちらへと振り返るル・リダに、俺はドラコへと視線を投げかけてみせた。
そんな俺の視線を追うようにしてル・リダもまたドラコを見つめ始めたかと思うと、すぐにそれに気が付いたようで驚きに目を見開いた。
「あっ!? ど、ドラコちゃんの目がっ!?」
「ああ……少し前辺りからな……」
未だに虚ろな瞳で中空を見つめ続けているドラコだが、その方向自体はゼメツの街がある方向と一致したまま変わらない。
しかし少しずつそこに近づくにつれて、僅かに眼が揺れ動くようになったのだ。
まるで何かの動きを目で追っているかのように。
(多分距離が近づいたことでドラコが探知している存在の微妙な動きにも反応するようになったんだろうなぁ……だけど……)
「こ、これってつまり……親のドラゴンに近づいているってことですよね、きっとっ!!」
ル・リダも同じ考えに至ったようで、ドラコを見つめたまま少しだけ嬉しそうに呟いた。
俺のためにアリシアとの合流を優先してくれた彼女だが、やはり内心では一刻も早くドラコを親の元へ返してあげたいと思っているのだろう。
しかし俺は今まで情報を集める中で別の可能性に思い当たっていたがために、ル・リダの言葉を聞いても素直に頷き返すことができなかった。
「その可能性は確かにあるんだが……もう一度聞いておくけど、あくまでもドラコは同族の気配を感じてるだけなんだよな?」
「え、ええ……だから色々混ざってる多混竜も距離が迫れば反応しているのでしょう……そして、遠くに居ながらもこうしてずっと見つめている相手はそれだけ反応が強いということで、混ざりもの無しの純粋なドラゴンの可能性が高い……つまりこの子の親のはずなんです……それが何か?」
確認するように前に聞いたことを訊ね返すと、ル・リダは不思議そうにしながらも素直に答えてくれた。
どうやらル・リダはこの先にドラコの親がいると信じて疑っていないようだ。
そんな彼女に俺が抱いている疑惑を話せば間違いなく不安になるだろう。
(本当にこの先には親のドラゴンがいるかもしれないし、だとしたら俺の推測はただ余計にル・リダさんの心をかき乱すだけだ……それでも危険かもしれないんだから、ちゃんと情報は共有して警戒してもらわないとな……はぁ……)
少しだけ気分が重いけれど、それでもお互いの……ましてドラコの身の安全を思い俺は自らの考えを話し始めた。
「あれから色々聞いて考えたんだが……ゼメツの街に居るっていう例の化け物……多混竜が三体分混ざってるらしいそいつは普通の多混竜よりドラゴン寄りというか……つまりその、ドラコは他の奴より敏感に反応するんじゃないかな?」
「そ、それはまあその可能性は……反応……強く……えっ!? あっ!?」
そこまで聞いたところで、ル・リダは俺の言いたいことに気が付いたようだ。
驚きに目を見開きながらドラコを見つめたかと思うと、心苦しそうに俺の後を継ぐように口を開いた。
「つ……つまりレイド様は……今この子が探知している存在は親のドラゴンではなくて、その多混竜がくっついた化け物ではないかと……そういうことですかっ!?」
「まあル・リダさんの言う通り、本当に親のドラゴンの可能性もあるけど……俺たちに分かるのはドラコが普通の多混竜より強く反応しているってことだけだから……」
「そ、そんな……じゃ、じゃあこの子の親はここにはいないって言うんですか!?」
ル・リダは必死にこちらを見つめて訪ねてくるが、その答えは俺にもわからない。
(だけど……もしも本当の親がここにいるのなら……やっぱり未だに姿を現さないのは……)
「……前にも話したような気がするけど、この子が多混竜や親のドラゴンを探知できるなら向こうもこっちの居場所がわかるはずだ」
「え、ええ……だからこそ多混竜はドラコちゃんの居場所を探知して……もしくは違和感でも感じていて私たちの傍をずっと飛び回っているんだと……だけど親のドラゴンは私たちの本拠地に攻め込んだ際に受けた傷が深くて動くに動けないでいるんだとばっかり……」
「俺も最初はそうかもしれないって思ったけど……そこまでして助けようとした自分の子供の反応が段々と近づいてきているのに丸一日たっても様子を見に来ない……どころか一カ所に留まったままってのは不思議じゃないか?」
「そ、それは……っ」
俺の言葉を聞いて声に詰まるル・リダ。
実際にもしも親のドラゴンが居たとして、向こうからすればドラコが俺たちと一緒に行動していることまではわからないはずだ。
むしろ地面を進む速度からしても、空を飛べない程度に傷付きながらも必死に親の元へ逃げ出込もうとしているように感じてもおかしくはない。
(ドラゴンは高い知性を持ってるって言っていたし、明らかに本部を襲っていた時は怒りに満ちていた……何より自分の住処である魔界から単独で飛び出すほどには子供への愛情も強いはずだ……だからもしもこのドラコの存在を探知していたら、それこそ多少傷付いていようが助けに来ないはずがないんだが……)
尤もそもそもが遠くに居ても親のドラゴンは子供のドラゴンの居場所を探知していて、それを利用して魔獣達はおびき寄せたと言っているぐらいだ。
だから仮にこの国に居なかったとしてもドラコの居場所ぐらいはわかるはずなのだが、それでも今まで全く姿を現していないことが不思議で仕方がなかった。
(それこそ下手したら魔獣から受けた傷が原因ですでに死んで……やめよう、こんな考え……ル・リダさんを不安にさせるだけだ……)
そう思ってそれ以上は言わなかったが、多分ル・リダも同じ考えに至っていたと思う。
その証拠とばかりに、彼女は洞窟を掘り続けながらもドラコのことを悲痛そうに見つめ続けるのだった。
「……」
「……」
「……?」
元々何もしゃべらないドラコは当然として、俺もル・リダも黙り込んだことでこの場に重苦しい沈黙が広がっていく。
(やっぱり余計な事だったかなぁ……だけどこうして注意しておかないと、それこそ反応が近くなった時点で洞窟を飛び出しかねなかったから……はぁ……だけど空気が重い……何か切り替えるいいきっかけでもないかな?)
そう思うのだけれどこういう時に限って多混竜もやってこないようで、中々会話のきっかけを掴めずにいた。
「……あの、そう言えばレイド様は探しておられる人達と合流した後で多混竜を倒すようなことを言っておりましたが……本当に戦うおつもりですか?」
「え? あ、ああ……仮にもここは俺の……俺たちの生まれ故郷だし、その為に来たんだから……」
そこでル・リダから声をかけられて、少し面喰いながらもちょうどいいと思い口を開く。
「そうですか……それだけ大切な場所なのですね……」
「いや……そこまでじゃなかったんだけど……ル・リダさんも見た通り、俺は嫌われてましたから……」
「そう言えば先ほどの人達も最初はレイド様のこと……それなのに放っておけないって理由だけで助けに来たのですか?」
「……まあそう言う理由もあるけど……それ以上に俺はアリシアの居場所を……」
守りたいと言おうとしたがそこで、俺は少しだけ考え直した。
「……いや、やっぱりそうだな……何だかんだで俺にとっても大切な場所だったんだ……アリシアとの思い出のある……だからこそ滅茶苦茶にされたり、なりそうだとどうしても放っておけなかったんだ」
実際に俺はこの国に来て滅茶苦茶にされている事情を知って、怒りに囚われそうになった。
何よりも王族の中で残ったあの第二王子の情けなさに呆れてしまい、この国の行く末を案じてしまっていた。
そうでなければ、アリシアの両親と別れる際にあんな忠告はしなかったはずだ。
(アリシアのことを何も知らないのに婚約者面されて腹が立ったってのもあるけど、色々酷すぎたもんなぁ……だけどそうして気にするってことは意外と俺はこの国を……まあそうだよな……アリシアと出会えて、一緒に思い出を積み上げてきた場所だもんなぁ……)
辛いことや苦しいことはたくさんあった……だけどそれでもアリシアに会えて共に過ごせたというだけでいい場所だと思えてしまうのだろう。
だからこそそんな彼女に嫌われていて振られたと思い込んだら、その時点でもう何の未練もなくなって飛び出してしまったのだが。
「……気持ちはわかります……嫌なことがいっぱいあっても、生きてきた日々の中には良い思い出もありますから……やっぱり生まれ育った場所は特別に感じるんでしょうね……」
「……ル・リダさんもですか」
「ええ……ドーガ帝国と言う国の貧民街で……本当に苦しい生活をしていたんですけどね……ふふ、尤もこれはかつてのリダとしての記憶ですから……マリア様からすればエルフの森がそうなのでしょうけれど……尤もあの方の記憶だと人の里に作った監き……育児部屋が自分の居場所だと思っていたようですが……無数の子供に囲まれて……あぁ……私も子供たちに内緒のレッスンを付けて回りたいわぁああっ!!」
せっかくしんみりとした空気だったのに、子供のことを妄想でもしたのかル・リダはエルフのように鼻息荒く興奮し始めてしまった。
「ル・リダさん……お願いだから洞窟を掘る手は止めないでください……後、ドラコをそんな犯罪者のような目で見ないでください……」
「はぅっ!? す、すみませぇんっ!! うぅ……け、けど子供可愛いから……はぁはぁ……ベイビィちゃんとイチャイチャチュッチュッしてネンネさせて……」
「だから手を止めないでくださいってばぁ……はぁ……他の方に比べてル・リダさんはマリア様の影響を色濃く受けてるみたいですね……」
「……?」
手をワキワキさせながら迫ろうとしたル・リダからドラコを守ろうと背中に庇いつつ呆れたように呟くと、すぐに正気に戻ったル・リダが頭を下げつつ口を開いた。
「はうっ!? す、済みませぇん……で、ですがむしろ逆というか……私はその、数体分しか合成されていないので特徴とか感情が強化されていないというか……だから大元の方の記憶と性格が程よく混ざっているというか……」
「それは……どういうことでしょうか?」
しかしそこで彼女が呟いた言葉は、何やら妙に気になる内容で思わず尋ね返してしまう。
そんな俺の勢いに押されるように頷いたル・リダは、改めて魔獣のことについて語り始めた。
「あ……は、はい……魔獣と言うのが人と魔物が合わさっていることはご存じですよね?」
「ああ……転移魔法を使って人と魔物の特徴を合わせた存在を生み出しているとか……」
「ええ、その通りです……しかし中には同じ魔物同士だったり、それこそ人と人を合成し合うこともあったのです……そうすることで特徴を重ね合わせて強化できるとかで……」
「重ね合わせ……強化……」
ル・リダの言葉に、ふと前に元ビター王国に居る魔獣との戦闘中にもそんな単語を聞いたことを思い出した。
(確かリーダー格の奴がこれだけ特徴を重ね合わせたのにとか何とか……そう言えばあの時もそうだが、魔獣達の使う惑わす能力は本家の魔物よりずっと強かった……まさか重ね合わせての強化ってっ!?)
「はい……転移魔法でくっつくと魔物の中でも特に強い特徴が表に出てきます……そして同じ魔物同士でくっつけるとその特徴がより強化された状態になるのです……これを利用して防具のように頑丈な皮膚を作り、魔獣に施して……ってこれは余談ですけど……」
「そ、そんなことができたのか……」
俺の推測を裏付けるかのようなル・リダの言葉に驚きを隠せない。
(道理であれだけの人を一度に操れたわけだ……そして皮膚もあれだけ固いわけだ……ようやく納得がいったが……だけどそれじゃあ多混……)
「そ、それでですね……人間同士をくっつけた場合はその特徴として記憶力と言うか理性と言うか感情と言うか……とにかく知性を主体とした面が強化されるようでして……だからこそもともと幼い精神だった魔獣達はともかくとして、沢山合成されたリダ達は怒りとか憎しみとか……或いはプライドだとかが肥大化していて……自分で言うのもなんですが、元々のリダって人は自分たちを虐げて見下している相手や自分たちの境遇を憎んでこそいましたけど無関係の人を巻き込むような人じゃなかったんです……だけど……」
虚しそうに呟いたル・リダだが、思い返してみれば俺が今まであってきたリダ達は冷静そうに見えて感情的な面を隠し切れていなかった。
(おまけにリダ同士で野心を抱き合ったり、部下の魔獣を道具みたいに見ていたかと思えば同士として扱ってるようでも……あの違いは合成された人間の数と言うか、その相手の思想だとかに影響されてのことだったのか……)
そして比較的に余り合成されていなかったというル・リダは、だからこそ元々の冷静さを保っていて……他のリダ達は無数の合成された素体の一つでしかないマリアの存在にもこれだけ引っ張られているということなのだろう。
(或いはマリア様は沢山の人達の影響に混ざって薄まらない限り、ここまで強烈に性格を変えてしまうほど子供への情熱が強かったということなのだろうか……まあエルフだもんなぁ……ってそうじゃなくて、俺はさっき何か重要なことを考えていたような……)
ル・リダの言葉によって遮られたが、先ほど特徴の重ね合わせというのを聞いた俺は何か重要なことを考えていたような気がする。
だから必死に思い返そうとするが、そんな俺にル・リダは気づくことなく再度話しかけてきた。
「……元々、私たちは理不尽に追い詰められて苦しんでいる同士を助けたくて行動していたんです……他の魔獣達もただ迫害されずに普通に暮らしていきたくて……最初は純粋にその為の居場所だけを求めて活動していたんです……魔獣としての力も理不尽な権力者たちから身を守るために……だけどその力は私たちには過ぎた物だったのでしょうね……今まで自分たちを虐めてきた奴らにやり返せる力を手に入れたと知ったら我慢できなくなって……今までのお返しをするんだって……止めようにも他のリダ達は自分たちが安心して暮らしていける社会を作るためには必要な犠牲だと言って……挙句の果てに関係のない人達まで巻き込んで……ごめんなさい……」
「……?」
「……」
ル・リダは心底申し訳なさそうに俺とドラコを見つめて頭を下げた。
そんな彼女の悲痛そうな様子に俺はまたしても何も言えなくなってしまい、ドラコは首をかしげるばかりだった。
(なるほどなぁ……そりゃあ正気を保ってるル・リダさんは逃げ出すわけだ……同格の仲間もおかしくなってるんじゃ止めようもないし……そんな仲間たちの行動のせめてもの償いとして動いているからこそ、ここまでドラコに入れ込んでいるのか……まるで自分たちが受けていた実験をそのままやり返されているような無関係なこの子を助けようと……ならきっとこの後、もしも親のドラゴンが居なかったら……)
「……ル・リダさんは、もしもこの先に親のドラゴンがいなかったとしたらどうしますか?」
「そんなの決まってますよ……親のドラゴンさんが見つかるまでこの大陸中を探して回ります……それでも駄目なら、せめてお仲間の居る魔界へ送り届けるつもりです」
「……?」
はっきりと力強く言い切ったル・リダの言葉は俺の予想通りのものだった。
だからこそ俺もまたある覚悟を決めると、彼女にとある提案をしてみることにした。
「その……俺はこの後……アリシア達と合流してこの国の多混竜を殲滅したら……魔獣達が成体のドラゴンとの合成体……竜人族とやらを作る前に本部を襲うつもりでいます……」
「……そうですか……そうですよね……ええ、多混竜の脅威を見ればそんなの許せるわけないですもの……仕方ないですよね」
悲しそうにしながらも俺を止めようとせずに頷いて見せるル・リダ。
幾ら袂を分かった後とは言え、彼女にとっては元々は同士であり同じ境遇の仲間だったのだから見捨てるような心境なのかもしれない。
それでも魔獣達の凶悪さとドラゴンの恐ろしさを知っている身としては、避けられないことだと悟っているのだろう。
しかし俺が告げたいのはそれではなく……その後のことだ。
「ええ……そしてもしその後でよければ……恩返しもしたいことですし……親ドラゴンを探すお手伝いしたいのですが……どうですか?」
「えっ!? で、ですがその……き、危険ですよっ!? この子の親はきっと気が立ってるでしょうし、下手したら攻撃されても……だ、駄目ですよっ!! お気持ちは嬉しいですが、こんな危険なことに付き合わせられませんよっ!!」
必死に首を横に振って見せるル・リダに微笑みかけながら、もう一度口を開いた。
「危険なのはわかりますが、今さら気にしませんよ……むしろこれだけお世話になっているル・リダさんを一人でそんな危険な行動をさせる方が気がかりです……何よりそれはドラコへの恩返しでもありますから……」
「ど、ドラコちゃんへの……?」
驚いたように呟くル・リダにはっきりと頷き返しながら俺はドラコの頭を撫でてあげる。
「……?」
「この子がいなければ自分は元よりアリシアの両親も……彼らと共に居た生まれ故郷の人達もみんな死んでいましたからね……そうなったらアリシア達の救助にも迎えなかった……つまりこの子とル・リダさんは俺にとって一番大切な人の命を救ってくれた大恩人なんですよ……だからこそ手伝わせてほしいんです……どうかお願いします」
「れ、レイドさん……」
そう言って思いっきり頭を下げる俺に、ル・リダは少しだけ困ったような声を上げた。
しかし少しすると、僅かに微笑みを湛えながら頷いてくれるのだった。
「……ふふ、ありがとうございます……レイド様は本当にお優しいのですね」
「そんなことはないと思いますが……あくまでも俺の恩人に恩返ししたいだけで、むしろ自分勝手というか……」
「そんなことありませんよ……凄く心強いです……ドラコちゃんもそう思いますよね?」
「……?」
そう話しかけられたドラコはいつも通り虚ろな瞳のまま……だけど探知している相手が揺れ動いたのか、俺の方をほんの少しだけ目線で負ったように見えるのだった。
(はは……魔獣事件が解決したらランド様にお礼を言いに行って……ギルドや皆にも報告しないとだし……それにル・リダさんとドラコに付き合っての親探し……或いは魔界にも……もちろんアリシアとアイダにも答えを言わなきゃ……予定がたくさん詰まってるじゃないか……これは何があっても生き延びないとっ!! 約束は守らなきゃだからなっ!!)




