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~異世界転移~ 彼女のカラダを取り戻す(何故か異世界でヒーローやってます)  作者: グリンピースの豆ごはん
第3章 禍龍(かりゅう)編
90/204

89話 デーモンヤマタノオロチ

カクヨムにても同時掲載しています


https://kakuyomu.jp/works/16817139558796768457







------(第三者視点)------☆




雷光矢らいこうや束ね撃ち!」


「ラ~イ~!」


と叫びながら太い稲妻の矢を放つと、\パッ/と10本の稲妻の


矢に別れ、城にめぐらした堀を泳ぎ石垣を登っていたカッパ達を


次々と射止めて行く。


「グァァァッ~!!」×20


稲妻の矢に射止められたカッパ達は、声をあげながら、次々と


堀へと落ちて行った。


\\ドボーン//


 それを石垣の上からカッパ達に石を落としたり、魔法で攻撃


していた上月城の魔人達が、それを見て歓声を上げる。


\わー/


その部下達の歓声に小さく頷く雷神丸(雷蔵)。


そこへ、


\ズシン/、\ズシン/、\ズシン/


と城の堀外の森から、身長20mの巨人が迫って来る。


 これは、大入道と言うあやかしにレッサーデーモンが、


憑依したものだが、本来この三日月魔王国のあやかし


多くは、長年使っていた道具や物に魂や人の怨念が付いた


物で、悪魔達が憑依できない物なのだが、同じあやかし


と呼ばれる中には元が生物で、悪魔達が憑依出来る者


もいる。


 因みにこの大入道は巨人族の亜種である。


 そのデーモン大入道の側には、悪魔子爵ゴースン配下の


ベビルデーモン級のタウ(顔がスズメバチで体は人間で


出来た女)が立っていた。


「あれをやっておしまい」


とタウ(顔がスズメバチで体は人間で出来た女)が、デー


モン大入道に命令すると、その場を立ち去って行く。


 タウ(顔がスズメバチで体は人間で出来た女)の命令


にデーモン大入道は、\バシャ/、\バシャ/と堀の中


に入って来て、そこに雷斗雲らいとうんで浮かぶ雷神丸


(雷蔵)目掛け、持っていた大きな薙刀を振るう。


”ビユン彡”


それを華麗に避ける雷神丸(雷蔵)。


そして、これはお返しだとばかりに、


雷光矢らいこうや束ね撃ち!」


「ラ~イ~!」


と叫びながら太い稲妻の矢を放つと、\パッ/と10本の稲妻の


矢に別れ、デーモン大入道を襲うが、デーモン大入道が放つ紫の


闘気に触れると、すーっと10本の稲妻の矢が消えてしまった。


「な・何っ…!」













 一方、上月城こうづきじょう上空では、禍龍かりゅう


スカイバリアンに乗った、シェリーとタミーが、191体のレッサ


ーデーモン達と対峙していた。


そして、数体のレッサーデーモンが、禍龍かりゅう目掛け持っていた


槍(魂を狩る槍)を投げるが、


「イエローバスター!」


”ビシュー”


「パープルバスター!」


”ビシュー”


とシェリーとタミーが、ビームガンで打ち落とすと、それを見ていた



禍龍かりゅうは、口を大きく開け、レッサーデーモン達目掛け


プラズマ火球を放った。


が、


191体のレッサーデーモン達は、左手に持っている盾を体が隠れる


くらいに大きくして、盾を突き出し構える……。


 しかし、禍龍かりゅうが、放ったプラズマ火球は、レッサー


デーモン達の正面で、急にふわりと上昇し、レッサーデーモン達


の頭上で停止する……と次の瞬間、禍龍かりゅうの放った大


きなプラズマ火球は、無数の小さな火球に分裂し、レッサーデー


モン達を頭上から襲う。


「グァァァッ~!!」×80


一瞬にして80体のレッサーデーモン達が消えた。


≪頭を使うんだよ、頭を≫


と呟く禍龍かりゅうだった。












「やはり、出てきたか」


 上月城の東の堀付近で上空のレッサーデーモンと禍龍かりゅう達の戦い


を見つめていたプサイ(顔がバラの花で体は茨で出来た女)が呟いた。


そこへ、タウ(顔がスズメバチで体は人間で出来た女)近寄り声を掛


ける。


「そろそろ撤退しましょう」


「……」


 しかし、その呼びかけに反応しないプサイ(顔がバラの花で体は茨


で出来た女)に再度、タウ(顔がスズメバチで体は人間で出来た女)


が、


「聞いてるプサイ?」


と声を掛けると、プサイ(顔がバラの花で体は茨で出来た女)は、


「ええ、聞いてるわよ……でも、あれだけは始末しておかないと」


と上空の禍龍かりゅうを見つめ言う。


その言葉に、タウ(顔がスズメバチで体は人間で出来た女)が、


「しかし、私達は引きつけるのが役目で倒すのは……」


と言いかけると、


「わかってる、倒すのはあれに任せるわよ」


とタウ(顔がスズメバチで体は人間で出来た女)言い放つと


プサイ(顔がバラの花で体は茨で出来た女)は、上空に居る


禍龍かりゅうの方に手をかざすと、


「バインド!」


と叫ぶと、地面から太い茨のツタが伸びてきて、そのまま上空


に居る禍龍かりゅうの体に絡みつき、そのまま禍龍かりゅう


の体を地面へと引きずり下ろす。


\\ズバーン//


茨のツタに絡めとられた禍龍かりゅうは地面に思い切り体を


打ち付け、


「グッハッ!」


と声をあげる。


それを見てニヤリと笑うプサイ(顔がバラの花で体は茨で出来た女)


だった。















 突然、禍龍かりゅうが、拘束され地上へと落とされ、その場に


居たシェリーとタミーは、


「えっ!」


「なに・なに・なに!」


と驚き、スカイバリアンを操縦するシェリーは慌てて、禍龍かりゅう


追いかけようとするが、それを目の前のレッサーデーモン達が、


持っている槍を投げたり、魔法で攻撃しそれを阻む。


レッサーデーモン達の攻撃を避わしながら、後ろに乗っている


タミーが、


「イエローバスター!」


”ビシュー”


と反撃するも、レッサーデーモン達は持っている盾でタミーの攻撃を


無効化する。


「どうするお姉ちゃん?」


スカイバリアンの後ろに乗るタミーが操縦する姉シェリーに尋ねると、


「どうするって……アストラル体のレッサーデーモン達には、実弾攻


撃のミニガンは効かないし……」


と少し考え、あることを思い出す。


「あっ、そうだ!」


と言うと、左太ももの装甲版を開け、ガレン・アノル(エメラルド柱)


からもらった3枚のカードのうち1枚を出し、レッサーデーモン達


の前に掲げると、


「たのんだよ、ウインタム!」


と叫んだ。


するとシェリーの持っていたカードが


\ピカーッ/


と光り輝き、光の球が飛び出すと、それは見る見る大きくなり、


やがて大きな銀色の怪鳥の姿になる。


「クェー!」


出現するなり、叫ぶ巨大な銀の怪鳥ウインタム。


クリスタルマンエメラルドが持つカード怪獣の一体である。


「クェー!」


ウインタムは出現するなり、口から冷凍光線を吐く。


シュー彡


 しかし、レッサーデーモン達は持っている盾でその冷凍


光線を無効化した。


それを見たシェリーとタミーは、


「こいつ、つかえねぇー」×2


とぼやくのだった。













”ボー彡”

 

 空中に浮かぶ雷神丸(雷蔵)目掛け、口から火を吐くデーモン


大入道。


それを雷斗雲らいとうんに乗った雷神丸(雷蔵)がひらりと


かわしながら、あることに気づく。


(口から炎を吐くとき、奴はあの闘気をひっこめるな)


”ならば”とばかりに


「雷神刀!」


と叫びながら腰の刀を抜くと、刀身に雷を纏った刀が現れる。


そして、乗っていた雷斗雲らいとうんから飛び降り、


「天地稲妻切り!」


と叫び、デーモン大入道の吐く炎を真っ二つに切り裂きながら、


デーモン大入道の頭上まで落ちて行き、


\\ズバーン//


とデーモン大入道を頭から真っ二つに切り裂くのだった。















「出でよ、デーモンヤマタノオロチ!」


プサイ(顔がバラの花で体は茨で出来た女)がそう叫ぶと、


\ズン/、\ズン/、\ズリズリ/


と地響きを響かせながら、八つの首を持つ龍が現れた。


「オロチよ、やっておしまい」


プサイ(顔がバラの花で体は茨で出来た女)が命令すると、


八つの首のうち、一番右の龍の首が大きく口を開け、


地面で茨に拘束されもがく禍龍かりゅう目掛けて、


石化ブレスを吐く。


”シャー彡”


\パキ/、\パキ/、\パキ/


デーモンヤマタノオロチの石化光線によりあっという間に石に


されてしまう禍龍かりゅう


それを黙って見つめるプサイ(顔がバラの花で体は茨で出


来た女)に空を見つめていたタウ(顔がスズメバチで体は


人間で出来た女)が言う。


「あれは!」


その声に、プサイ(顔がバラの花で体は茨で出来た女)も


思わず空を見上げ、


「あれはクリスタルマンエメラルドが持つカード怪獣の


一体ね」


とタウ(顔がスズメバチで体は人間で出来た女)に答えると


「我等の陽動作戦は成功ねタウ」


とにっこり笑い言う。


その言葉に、タウ(顔がスズメバチで体は人間で出来た女)


は、


「では、撤退しましょう」


とプサイ(顔がバラの花で体は茨で出来た女)に声を


掛けるも、


「いや、先に行ってゴースン様に報告してタウ、私は


こいつの止めを刺すところを確認してから行くから」


と返すと、タウ(顔がスズメバチで体は人間で出来た女)


は、少々あきれ顔で、


「わかった、気を着けなさいよ」


とだけ声を掛け、\ボワ/っと姿を消すのだった。














シェリーとタミーが、ぼやいていると、怪鳥ウインタムは、


急に上昇する。


「えっ、、まちなさい!」


「私達をおいてどこ行くんだよ」


とシェリーとタミーが怪鳥ウインタムに文句を言うと、


怪鳥ウインタムは、体をドリルのように回転させながらさらに


上昇し、空を覆う黒雲へと突っ込んでいった。


すると、空を暗く覆う黒雲が見る見る吹き飛ばされ、太陽の光が


射す。


「グァァァッ~!!」×111


111体のレッサーデーモン達は日の光に焼かれ消滅して行く


のだった。













------(テンタ視点)------☆




 俺は、城の東側の森の中を進んでいる。


「レッドバスター」


”ビシュー”


時折、現れる”砂掛けババア”や"のっぺら坊主"や"垢嘗め"


などのあやかしを倒しながら進んでいるのだが、


(こいつら……戦闘力ほとんどねーじゃん)


と心でぼやきながら進んでいると、


『あれよ、テンタ君』


と俺のヘルメット内の左モニターに映るエードラム様が言う。


「えっ」


俺がエードラム様に言われ見てみると、そこには頭でっかちの


小柄な僧侶のような男が目をつむり座禅を組んでいた。


 俺に気が付いたのか、その小柄な坊さんは、目を”か”っ


と見開き俺の方を向くと右掌を突き出した。


”ブオーン”


突然俺は、衝撃を受け後ろに飛ばされる。


「うわぁ~!」


が、俺は後ろに跳ばされながらも、ビームガンを抜き、


「レッドバスター」


”ビシュー”


とその小柄な坊さんの大きな頭を撃ち抜いた。


\ズボッ/


小柄な坊さんの額に穴が開き、そのまま坊さんは


\ドサッ/


と倒れたかと思うと、”スー”っと体が消えて行くのだった。


(なんだか……あっさりだな)













『テンタ君!あっちに強い反応が』


と言うエードラム様の言葉に俺は森を抜け、城の東側の堀の側に出ると


……。


「なんだこれ!」


そこには八つの首の龍が居た。


『ヤマタノオロチ?』


と俺のヘルメット内右モニターに映るオトアが言う。


『ああ、そうみたいだな』


と俺がオトアに返すと、


『あそこにベビルデーモンよ』


俺のヘルメット内左モニターに映るエードラム様が言う。


そして、今度はまた、俺のヘルメット内右モニターに映るオトアが、


『あれは、禍龍かりゅうじゃない』


と叫ぶ。


「何っ!」


オトアの言葉に見ると、ヤマタノオロチの側に石化した禍龍かりゅう


が横たわっていた。


そこに俺に気が付いた顔がバラの花で体は茨で出来た女の姿のベビル


デーモンが、俺を”キッ”と睨みつけ、


「チッ、小僧が来たか」


と言うと、側に居たオロチに向かって言う。


「先にあの小僧をやっておしまい」


顔がバラの花で体は茨で出来た女の姿のベビルデーモンの命令に、


ヤマタノオロチは八つの口からそれぞれのブレスを吐く。


一番左の頭は、水、次が風、その次が音波、冷凍、火、雷、毒、


そして、石化と次々に俺に攻撃を浴びせるが、オトアが張った


バリアーで俺はかろうじてそれを弾いた。


「っく~」


(このままじゃ攻撃が出来ない)


と俺が思った時、またもやエードラム様が動く。


俺から体のコントロールを奪うと、俺は瞬く間に赤い光に包まれ、


光の速さでまず、顔がバラの花で体は茨で出来た女の姿のベビル


デーモンを、左腕のガントレットからナイフを引き抜き、剣に変え


そして、


『ソーラーブレイド』


と剣を光で包み込むと、それを思い切り袈裟懸けに振り、


『バルバンクラッシュ!』


とエードラム様が叫び、顔がバラの花で体は茨で出来た女の姿


のベビルデーモンを真っ二つにする。


そして、そのまま、ヤマタノオロチの八つある口のうちの真ん中


あたりの冷凍ブレスを吐く口の中に入って行った。


(えっ、オロチの中に入るの!?)


驚く俺であった。













『ここは……』


『多分オロチの胃袋の中じゃない』


俺の問いに、軽く答えるエードラム様。


『で、ここからどうやって』


と俺が再び質問すると、


『さぁ、どうーしよーか』


と悪びれることなく言い放つエードラム様。


『えっ、考えてなかったんですか』


とオトアが少し呆れて言う。


『考えるわよ、今!』


と少し強めの口調でオトアに言い返すエードラム様。


その時、どこからか


「どこの方か存じぬが、ここから出してもらえぬか」


と弱弱しい声がした。


(んっ!?)


と思いながら、声のする方に目をやると……


そこには刀が一振り立っていた。


『え―――――っ、刀がしゃべった!!』×2


と俺とオトアは声をそろえ驚くのだった。



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