84話 般若の仮面の忍者
カクヨムにても同時掲載しています
https://kakuyomu.jp/works/16817139558796768457
------(第三者視点)------☆
「か・か・影を斬った!」
自分が操る影を切られ叫ぶ鈴(魔人の女)。
倒れる次郎左衛門の手から離れ、鈴(魔人の女)が操る
影を斬った妖刀魂吸刃は、独りでにそのまま影を操る鈴
(魔人の女)のを襲おうと、鈴(魔人の女)に迫った。
「そうはさせねぇ~」
それを見た四十郎(4本腕の魔人)は、すぐさま鈴(魔人の女)の
前に立ちはだかると、持っている4本の刀で、鈴(魔人の女)に
迫る妖刀魂吸刃を弾き返す。
\カッキーン/
(((((((くるくるくる)))))))
四十郎(4本腕の魔人)に弾かれた妖刀魂吸刃は、くるくると
回転し、
\ズボッ/
と地面に突き刺さった。
すると、急に地面に突き刺さった妖刀魂吸刃の側の空間が急に歪みだし、
歪んだ空間から何者かが現れた。
頭がセミの男……ベビルデーモンのオメガである。
「後、1人で、100人の魂が集まったものを……」
そう呟くオメガ(セミの頭に人間の男)に、四十郎
(4本腕の魔人)の側に居た力三郎(相撲取り風の魔人)が言う。
「だ。誰だ貴様!」
力三郎(相撲取り風の魔人)の問いに、にやりと笑った
オメガ(セミの頭に人間の男)は、
「私は、アークデーモンゴースン子爵様配下のベビルデーモンの
オメガと申すものですよ」
その言葉に、
「あく……なんだって」
と聞き返す力三郎(相撲取り風の魔人)に、
\ハッハッハ/
と笑い、
「この国の人には悪魔は理解できないようですね」
と言うと、今度は力三郎の隣で刀を構えている四十郎
(4本腕の魔人)が言う。
「悪魔だと!それは新種の妖か!」
その言葉に、
「あなた達が言う妖なんかより、もっと高等な……
言ってしまえば、その妖や、人鬼をも使役し、
この世のすべてを統べる存在ですよ」
と言いながら、地面に突き刺さった妖刀魂吸刃を抜き、
側に倒れている次郎左衛門の背中を、
\ブスッ/
と突き刺した。
「何っ!」×2
それを見て驚き叫ぶ、四十郎(4本腕の魔人)と力三郎
に側に居た鈴(魔人の女)と平次達町方町人達も身構える。
次郎左衛門の背中を、刺した妖刀魂吸刃は、その次郎左衛門
の魂を吸い取り怪しく光るのだった。
◇
------(テンタ視点)------☆
「あっ・なんか出てきた!」
と叫ぶタミーさん。
すると、俺のヘルメット内の左モニターのエードラム様が言う。
『あれは、ベビルデーモン級の悪魔よテンタ君』
その言葉に、
『じゃ、あの人達の応援に行った方が良いのではないですか』
と俺が返すと、俺のヘルメット内の左モニターのエードラム様が
言う。
『そうね、あの魔人達の能力では、到底太刀打ちできないわね』
『わかりました』
エードラム様の言葉に俺がそう返事をし、
「あれはベビルデーモン級の悪魔らしいです、僕はあの魔人達の
応援に向かいますから、シェリーさん、タミーさんはここに居て
下さい」
とシェリーさんとタミーさんに言い、そして、側に居る犬に
向って、
「2人を頼むよ禍龍」
と声を掛け、そのまま遊郭の屋根からジャンプする。
「チョー!」
「あっ、テンタ君!」
「テンタ君たら、自分だけずるい~ぃ」
屋根からジャンプする俺の背中にシェリーさんとタミーさんの
言葉が聞えるのだった。
◇
------(第三者視点)------☆
「ふん、やっとこれで100人か……」
と呟くオメガ(セミの頭に人間の男)に
「やろ~」
と四十郎(4本腕の魔人)が襲い掛かるが、
「ふん、魔人風情が」
と襲い掛かる四十郎(4本腕の魔人)の4本の刀の攻撃を、
片手に持った妖刀魂吸刃で、きれいに捌くオメガ(セミの頭に
人間の男)。
そして、徐に四十郎(4本腕の魔人)に向け、
(((((ミーンミーンミン)))))
セミのような鳴き声を浴びせると……。
\バキン/
”ぼろぼろ”
四十郎(4本腕の魔人)が持っている4本の刀が粉々になった。
「ぬゎに!?」
驚く四十郎(4本腕の魔人)にオメガ(セミの頭に人間の男)
がニヤリと笑って言った。
「共振だ、今私はお前の刀の固有振動数に合せて、その刀を砕いたが……今度は
お前の骨にでもあわそうかな」
その言葉を聞いて、脇に居た力三郎(相撲取り風の魔人)が、
「なめたまねしやがって~」
とオメガ(セミの頭に人間の男)に出てくるが、オメガ(セミの頭に人間の男)
に妖刀魂吸刃の切っ先を向けられ、
「じゃ、お前から魂をいただこうか?魔人」
オメガ(セミの頭に人間の男)にそう言われ、
「……」
手を挙げたまま固まる力三郎(相撲取り風の魔人)。
その時であった。
「レッドバスター!」
”ビシュー”
と赤い光線がオメガ(セミの頭に人間の男)を襲うが、オメガ
(セミの頭に人間の男)は、妖刀魂吸刃を向け、光線を吸収する。
\スタッ/
そして、オメガ(セミの頭に人間の男)の前に、
「宇宙シェリフバルバン!」
とポーズを決めるテンタの姿があった。
◇
------(テンタ視点)------☆
遊郭の屋根からジャンプする俺は、空中でビームガンを放つ。
「レッドバスター!」
”ビシュー”
と俺が放った赤い光線がオメガ(セミの頭に人間の男)を襲うが、オメガ
(セミの頭に人間の男)は、妖刀魂吸刃を向け、光線を吸収する。
\スタッ/
そして、オメガ(セミの頭に人間の男)の前に、
「宇宙シェリフバルバン!」
とポーズを決める俺。
(うーん、なんか癖になってるな俺)
俺を見たオメガ(セミの頭に人間の男)は、
「うん?……日向天太なぜお前がここに……」
と少し驚き俺に問うので、
「お前ら悪魔を倒しにだ!」
とちょっとカッコつけて言う俺に、
「相棒の猫はどうした!」
と聞くので、
「さーな」
とこれも少々カッコつけて行ってみる俺に、
「ならば、お前の体に聞いてみるまでだ!」
そう言うと、俺に向け
(((((ミーンミーンミン)))))
セミのような鳴き声を浴びせようとしたところで、
すぐさま俺のヘルメット内の右モニターのオトアが、
「リフレクターソーサー!」
と叫び、俺の背中のスリットから円盤状のリフレクターソーサー
が飛び出し、オメガ(セミの頭に人間の男)が放つ振動波を跳ね返した。
”びよ~ん、びよ~ん”
「グァァァッ!」
自身が発した振動波をオメガ(セミの頭に人間の男)自身が浴び苦しむ
オメガ(セミの頭に人間の男)。
思わず、手から妖刀魂吸刃を落とすと、突然
、”サー彡”
と現れた犬が、刀の柄を加え持ち去って行った。
「な・なに~、禍龍もここに来ているのか!」
妖刀魂吸刃を咥える犬にオメガ
(セミの頭に人間の男)は、そう叫ぶと、犬は、くるっと
オメガ(セミの頭に人間の男)の方に振り向き、
≪悪いな、俺こいつらに使役されてんだ≫
とテレパシーで答えると、
「えぇ~い、こうななりゃ、ここに居る全員殺してヤル~!」
と叫んだと思ったら、オメガ(セミの頭に人間の男)の後ろに空間の
歪みが生じて、中からぞろぞろと忍者のような奴らが出てくる。
黒い忍者衣装に白い手袋をはめ、顔には般若の仮面をつけていた。
総勢……、約100人。
100人のうち、20人ほどが犬を追いかけるが……。
「ヤー!」×2
と遊郭の屋根から飛び降りて、犬を追おうとしている20人
の般若の仮面をかぶった忍者達の前にシェリーさんとタミーさんが
立ちはだかり、
「私達が相手よ」
「掛かってきなさい」
と啖呵を切ると同時に、
「イエローバスター!」
「パープルバスター!」
”ビシュー”、”ビシュー”
とビームガンから光線を放つが、2人が放った光線は、般若の
仮面をかぶった忍者達の胸に命中するも、そのまま”パッ”
と消えてしまった。
「えー、なにそれ~」
とぼやくタミーさんに、シェリーさんは言う。
「タミー、例のあれを使いましょう」
その言葉に、
「うん、わかった」
とタミーさんが頷ずくのだった。
一方、町方の平次さんや魔人の前に40人ほどの般若の
仮面をかぶった忍者達が取り囲む。
「へん、町方をなめんなよ」
と言うと、4本腕の魔人は、すぐさま自身の周りに居た4人の
般若の仮面をかぶった忍者達に襲い掛かり、柔術に似た技で、
般若の仮面をかぶった忍者達の持つ刀を次々に奪うと、残り
の忍者達と対峙する。
その間に、相撲取り風の魔人も、数人の般若の仮面をかぶった
忍者達に高速で繰り出す張り手を繰り出し、
「オラオラオラオラ!」
と次々に般若の仮面をかぶった忍者達を突き飛ばしていった。
だが、数人の般若の仮面をかぶった忍者達が、平次さんと
その横に居る女の魔人さんを襲うとした。
「あぶない影のお嬢!」
そう言うと平次さんは、懐から貝独楽取り出すと
それを投げた。
”ピシュ”
((((クルクルクル))))
\バシッ/
平次さんが投げた貝独楽が、般若の仮面をかぶっ
た忍者の般若の仮面を捉えパッカーンと面を割ると、髑髏の
顔が見えた。
「な・なにシャレコウベ!」
驚く平次さん。
面を割られた忍者は慌てて顔を手で覆おうとするが、
顔から紫の煙を噴き出し、やがて倒れ……服だけを残して
消えて行った。
その時、俺は、オメガ(セミの頭に人間の男)と般若の仮面を
かぶった忍者達40人と対峙していたのだが、それを見た俺の
ヘルメット内の左モニターのエードラム様が言う。
『なるほど、スケルトンにレッサーデーモンを憑依させてるって
訳ねぇ、どちらも日の光に弱いから、これ、楽勝をテンタ君』
すると、今度は俺のヘルメット内の右モニターのオトアが言う。
『テンタ君、みんなにそのことを教えてあげなきゃ』
俺は、オトアの言葉に頷き、大きな声で言った。
「みなさぁ~ん、忍者の面を割ってください~!」
と俺の言葉に町方の魔人達も俺の言葉に黙って頷き、
シェリーさんとタミーさんが、
「わかった」
「面を割ればいいのね」
と返事を返してくれた。
「ぬぅ~~っ、小癪な」
俺の言葉にオメガ(セミの頭に人間の男)は、肩を震わせ
怒りをあらわにし、手に三俣の槍をどこらかともなく出し
てきて、俺に向かって槍で攻撃をしてきた。
俺は左腕のガントレットから、剣をイメージしてナイフを
抜き応戦するも、俺の付け焼刃の剣技では、攻撃どころか
防戦もままならなかった、俺が防ぎきれない分の攻撃は
オトアが、リフレクターソーサーをコントロールして、
かろうじて防いでいる状態で、しかもまだ40人ほどの
般若の仮面をかぶった忍者達が居る。
『エードラム様、確か楽勝なんですよね』
と俺がヘルメット内の左モニターのエードラム様に言う
と、
『ええ、普通なら楽勝何だけどねぇ~』
ととぼけた様に言うので、
『何とかなりません、この状況』
と再度エードラム様に言うと、
『しかたないねぇ~あれを使いますか』
と言って、俺から体のコントロールを奪うと、俺は
瞬く間に赤い光に包まれ、光の速さで俺の周りに居る
般若の仮面をかぶった忍者達の面を次々と持っていた
剣で割って行き、そして、
ついでにとばかりに目の前のオメガ(セミの頭に人間
の男)を、
『バルバンクラッシュ!』
とエードラム様が叫び真っ二つにする。
ただ、光の速さで斬ったので、斬られたオメガ(セミ
の頭に人間の男)自身まだそれには気づいていないが……。
エードラム様が俺を包赤い光を解除する。
(うーん、少し体の節々が痛いが……)
「ふふ、もらった!」
自身が斬られたとまだ知らないオメガ(セミの頭に人間
の男)は、そう言って、三俣の槍を俺につきだそうとした
時だった。
”ピー”
て感じでオメガ(セミの頭に人間の男)の体は左右に分か
れて行く。
「な・ば・ばかな……」
そう言ってオメガ(セミの頭に人間の男)は体は左右に
崩れて行き黒い煙を出しながら体が消えて行った。
その間にシェリーさんとタミーさんは、
「パープルハンマー!」
「スピンソーサー!」
と叫び、それぞれが、ニュースーツに付与された新しい
武器を使い、次々に般若の仮面をかぶった忍者達の面を
割って行き、忍者達を倒して行った。
因みにシェリーさんのパープルハンマーは、腰の左右にある
ソフトボールくらいの半球を1つの球に合せると、見る見る
バスケットボールくらいの大きさの球になり、ボールの周りに
は、トゲトゲが飛び出す仕組みで、ボールに付いている鎖を
振り回し相手を倒しと言う武器で、鎖は長さ6mまで伸び、
しかも、そのボール状の鉄球をロケット噴射を使っても
撃ちだすことが出来る武器、これはアロムさんのバンダム
が使うバンダムハンマーがヒントになっているらしい。
そして、タミーさんのスピンソーサーは、俺のリフレクター
ソーサーをヒントに2つの円盤の周にトゲトゲが付いた円盤を
背中のスリットから飛び出す仕組みで、しかも飛び出した
円盤は、高速で回転し物体を切り裂くと言う代物だ。
操作の仕方は俺のと同じ、脳波コントロール。
俺や、シェリーさんタミーさんがも般若の仮面をかぶった
忍者達や悪魔オメガ(セミの頭に人間の男)を倒したころ、
町方の魔人達も般若の仮面をかぶった忍者達を丁度倒し終え
たところだった。
すると、俺の前に犬が妖刀魂吸刃の柄を加え現れると
、俺のヘルメット内の左モニターのエードラム様が、
『テンタ君、腕伸ばして』
と言うので、何をするか察した俺は、犬が咥える
妖刀魂吸刃に右腕をあげ右掌を
開くと、
『ソーラーフラッシャー』
とエードラム様が叫ぶ。
\パシュッ/
眩いばかりの光のフラッシュが俺の右掌から放たれると、
妖刀魂吸刃の刀の刃から、人魂のようなものが無数に出てきて、
妖刀魂吸刃に斬られた人達の所に向かいそして、
消えて行くと……。
次々に倒れた人達が起き上がって来る。
そして、この事件の発端の人物である次郎左衛門さんも
起き上がり、
「ここは、いったいどこですか、私は何をしてたのですか?」
と側に居た平次さんに聞くのだった。
その様子を見ていた4本腕の魔人が、俺の所に来て
「あんたらいったい何者なんだ?」
と聞くので、
(いやー、唯の冒険者ですが……)
と俺は心でそう呟くのだった。
今年のアップはこれで終わります。
皆さんもよいお年をお迎えください。




