表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/52

13 美弥子さんちに行ってみた(SIDE:雄樹)

 美弥子さんの部屋に行けることになった。

 初めてできたカノジョ。女の子の家に行くなんてのも初めてだ。

 最初の時、起きたらいなくなってたもんだから、夢だったんじゃないかって思ったりもした。テーブルの上に箱入りのアレが残ってなかったら、夢だと信じたかもしんねえ。

 情けない話だけど、美弥子さんと付き合うことになったのも、もしかしたら夢だったんじゃないかって不安になる。

 パインに「みやこ」ってアドレスがあるし、美弥子さんとまた会えたのは間違いないのに、どうしても不安になる。

 この天井の上に、美弥子さんが住んでる。まだ信じられない。




 土曜、部活の最中はまだ集中してられるけど、終わった途端に落ち着かなくなった。

 行ってみて、別の人が出てきたらどうしよう。

 すっげえドキドキしながら、306号室のインターホンを押した。


 「えっと、美弥子さん?」


 「うん、今開けるね!」


 よかった、美弥子さんの声だ。

 すぐにドアが開いて美弥子さんが出てきてくれた。美弥子さんの部屋に入るのか。緊張するな。


 「や、なんか、もしかしていないんじゃないかとか、不安だったから」


って素直に言ったら、美弥子さんは


 「呼んどいていないとか、ないでしょ~」


とか笑った。そうだよな、付き合ってんだよな、俺達。




 部屋に入ってみると、ホントに俺の部屋と同じレイアウトだった。これなら、寝ぼけて混乱してもしょうがないかな。




 「ハンバーグ焼くから、ちょっと待っててね」


なんて言って、美弥子さんはキッチンに入った。

 ハンバーグを焼きながらサラダや箸を並べたり、ご飯や味噌汁を運んだりと、手際がいい。

 ご飯茶碗が小さくて、男物じゃないのにホッとした。聞いたら、余ったご飯とか入れるためのスペアだって。




 ハンバーグは、さすがに鉄板には載ってないけど、熱々で、ニンジンとコーンが一緒に盛られてて、店のみたいだった。割ったら肉汁がダラーって出てきて、こんなん家で食えるんだって驚いた。

 なんか、つなぎとか、肉じゃがの話とかしてて、気が付いたらもう11時で、そろそろ寝ないと明日の部活がヤバい感じだ。


 自分ち帰って、ふと気が付いた。キスもしないで帰ってきちまった…。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ウソーッΣ(゜Д゜) でもそうか、お喋りだけでも満ち足りたってことか。 いいねぇ(*´艸`*)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ