先々の離島防衛も見据えていかないとな
さて、もうすぐ夏休みも終わりだが北条先輩からいろいろ報告があった。
「まず、交渉を進めていたジョージ・ルークス監督の秋口の10月での来日が決定しましたわ」
俺は北条先輩の報告にうなずいていう。
「夏じゃないのはやっぱ日本の夏の暑さを知っているからかな?」
「恐らくそうだと思いますわ」
まあ、日本の夏の湿度の高さも含めた暑さは世界的にもひどいものらしいからな。
涼しくなってから来日しようというのもそれを知っていれば当然かもしれない。
ただ”前”と同じなら今年の10月19日には香港市場から暴落が始まりヨーロッパからアメリカに波及し、ニューヨーク株式市場が大暴落する、世界同時株安に陥るから秋口でも遅い時期だろうし来日中止なんてことになりかねないか。
「10月なら上旬でも十分過ごしやすいだろうしできれば早めに来てもらって映画を撮ってもらいたいね」
「そうですわね」
9月10日にはジャイケル・マクソンの、ソロ初のワールド・ツアー『バッド・ワールド・ツアー』がされ、日本ではブームが巻き起こったりもするはずだな。
これも日本のアイドルが売れなくなっていく原因の一つだったりするのはちょっと悩ましい所だ。
「それから飛行艇のPS-1ですがP-3Cの導入によって現状では完全に無用の存在となっておりましたので格安な値段で手に入りましたわ。
しかしホバークラフトといい飛行艇といいYS-11といいどれも商業ベースでは採算が取れないような気がしますが?」
「まあ普通に定期航路で使うなら利益は出ないだろうね。
でも一つとしてはどんどん廃止されているからこそ、それらに唯一乗れると言う希少性がアトラクション的な意味合いを持つと思うよ」
実際に大分ホバークラフトフェリーは珍しいという事での利用客もいたからな。
「あとは人員輸送だけでなく海難救助とか離島からの住民の避難や離島への人員送り込みにも必要になってくると思う」
「離島に人員を送り込むですか?」
「まあ、防人で試験的に運用して、将来的には海上保安庁や自衛隊でもそういう風に運用できるようにデータをとっておきたいって話だけどね」
「それは本来一企業のやることではないですわ」
「まあ、それはそうだけど今後世界的には民間で軍事的なサービスを提供する会社も増えるはずだよ」
それは冷戦構造の崩壊によるものが大きいけど。
それはともかく基本的に陸上自衛隊による離島防衛は、情勢が緊迫した時点で部隊を離島に事前展開しておいて、抑止力を高めて侵攻を未然防止するというのが基本方針であるが、実際には部隊が配備されていない島を敵に占領され可能性はあるわけで、日本諸島全体に部隊を配備するのは事実上不可能だ。
そして占領された島を取り戻すとなれば、全国に散らばった部隊を動員するほかない。
それはおよそ現実的ではないので離島対処即動部隊を早めにそうこうする必要があるはずだ。
そして離島対処即動部隊がいざというときに移動の足として使う強襲揚陸艦などが現状の自衛隊には1隻もない。揚陸・輸送用にホバークラフトは揚陸時の輸送任務において、従来型の揚陸艇よりも遥かに高速で移動でき、上陸可能な海岸線も拡大するため、揚陸作戦に柔軟性をもたらすことが可能となる。
現状の小さいペイロードでは人員や軽車両の運搬がせいぜいだが、これも技術の向上により艇体が大型化し、重量のある主力戦車などの輸送も可能となり、揚陸作戦への本格的な投入が実現していく。
ホバークラフトだけでなく飛行艇や短い滑走路でも運用可能なYS-11のような存在は離島の防衛には必要なのだ。
「まあ物珍しさで人を集めることができるという側面もありますからいいのですが」
「壱岐・対馬は沖縄に比べると娯楽施設自体は少ないからね。
観光客を増やすためにもなにかしらの売りは必要だと思う」
「まあそれはそうですわね」
そして壱岐や対馬の注目度を上げれば土地の買収や窃盗・放火などのひそかな侵略行為も難しくなるだろう。
”前”では沖縄での米兵の暴行問題などばかりを取り上げて壱岐・対馬に関しては沈黙しているマスコミのせいでかなりひどい状況にまで追い込まれていたが、そうはさせないようにしないといけない。




