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これからちゃんと若手の実力派俳優を育てないとな

 さて、昨年の夏はスタジオジブチの”天空城塞ラピュタ”が大ヒットしたが、今年はガイアックスの”帝立宇宙軍 ネオアミスの翼”がヒットを飛ばしている。


 これは架空の世界だが地球における1950年ごろに主人公が史上初の宇宙飛行士に志願し、仲間とともにロケット打ち上げを目指すという作品だな。


 緻密でリアリティある作画に加えて声優もベテランや中堅の実力派が多数起用されているうえに、TVアナウンサー役は実際のアナウンサー、敵対勢力である共和国側の人物の会話は全て架空の外国語によって進行するが、その声優には全て外国人が充てられ、より外国としての現実感を出すための演出として取り入れられているのだ。


 そのためリアリティや演技力は抜群でさらに音楽監督などのメンバーも実に豪華。


 そして、宣伝費もケチらずに投入したが興行収入は制作費を十分超えてもとは十分とれたと思う。


「これでスタジオジブチに続いてガイアックスの買収分も元は取れそうだね」


 俺がそういうと北条先輩は苦笑して言った。


「このまま赤字ばかり増えていくのではないかと心配していましたが杞憂に終わってよかったです」


「まあ、実力は間違いなくあったからね。

 問題はスタジオジブチと違って無名だったってことだけど」


「そうですわね」


 実際に日本では監督や役者の知名度のほうが観客の入りに大きくかかわることが多い。


 だがそれが邦画はつまらないし面白くない、洋画は好きだけどとか言われる原因になったのだと思う。


 これは映画に限らずドラマでもアニメでもラノベでも同じだと思うのだが、80年代前半で門川映画がアイドル映画をヒットさせてしまったのが一つの原因だと思う。


 もっともそれ以前から日本の映画は大ヒットでなくても確実に収益が期待できる人気俳優のシリーズ物であって、そういった特定の俳優が中心のプログラムピクチャーによって固定したファン層を掴むことで70年代ぐらいまではある程度安定した興行収益を上げていたわけだが、テレビの普及や時代の変化による人気シリーズの人気の低下とそれの消滅が映画界を危機に陥らせていた。


 そこで映画の上映中はひたすらアイドルのかわいい顔が出てきて、あとは訳の分からない映像でめくるめくアイドル映画というアイドル映画が作られていったわけだが、映画評論家筋からは全く評価されなかった一方で、若い世代には支持され、全国のキャンペーンを通じて瞬く間に人気が出てアイドル目当てのお客さんが増えていった。


 女優とアイドルはほぼ正反対だ。


 女優はその役に合わせてメイクをするし、時には歯も抜くし、体重を10キロ減らしたり増やしたりして、つまり自分ではない役になり切ってその人物の人生を表現する。


 しかし、アイドルは、本人のままで出る。


 だからセリフの棒読みをしているだけ、なんとなくそれっぽく振る舞っているだけ、原作の衣装を着ているだけという小学校の学芸会かよというレベルになってしまうわけだ。


 しかも主役級なのに演技が壊滅的に下手な場合もよくあったりしたし、演技が大げさすぎで、喋り方も不自然に溜めを作って、監督や役者はセリフを聞きやすくしているつもりかもしれないけど、セリフが隙間だらけで素人っぽい印象しか残らない。


 原作の知名度の高さにキャストの知名度の高さが重なればそれを見る視聴者は増えるが原作ファンはもう二度と見るかという事になりやすい。


 そして邦画はつまらないからドラマはつまらないになっていったわけだ。


 これはアニメに人気の声優を当てたり、ラノベに人気のイラストレーターを当てたりすれば、中身とあっているかはどうでもいいという方向に発展していって映像や文章コンテンツの衰退を招いたと思う。


 そしてアニメのマンガやラノベからのアニメ化はアニメでは話が完結しないという尻切れトンボ状態なわけだがそんな作品が量産されればアニメから人が離れていくのも当然だと思う。


 そういう点では子供向けとはいえ特撮物はちゃんと完結してるのは大したものだと思うし、若手俳優の登竜門にもなっていたな。


 話として完結しないアニメ作品がたくさんあって視聴者がその作品を一通り見て話が中途半端で終わってるのに面白いと思うのか、制作させている側はもう一度考えるべきだと思う。


 アイドルにはアイドルに、声優には声優に、俳優には俳優にそれぞれ求められるものがあり、それらを並行して同時に行うのは実際にはほぼ不可能なのだから、演技力があり役作りをできる俳優は俳優でちゃんと育てていくべきなのだ。


 というか欧米ではそれが当たり前だけどな。


 そして、お金をかければ良いものになるのかと言えば、決してそんなことはないとは思うが日本の場合は制作費が少なすぎるのだ。


 日本はクリエイター達の成果に対する報酬が低すぎ、釣り合っていないのだよな。


 むろん「金がなくて制作現場がこんなに大変なのだから、その結果つまらないものが出来上がってもつまらないと言うな」といわれても困るのだが、映画館へ行って2000円近い金払って2時間近く暗闇の中で大人しく映画見た感想がつまらなかったじゃあ、実写の映画から人が離れていくのは当然だよな。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 現在のコンテンツ業界が抱える問題を的確についていて面白いです。 [一言] 事実、アイドルイケメン俳優主体に実写映画が主体になってしまって、色々制約もかけられてしまった結果邦画がほぼヒットし…
[良い点] 主人公がポリコレ、リベラル、グローバリズムという名の修正に対する遮断の役割を担ってくれそうで羨ましい限りです。 [気になる点] 主人公が作るであろうようつべに相当するものの収益化問題も無能…
[気になる点] 日本のクリエーターには「成果報酬」が無いから。 ヒットした時ぐらい、良い思いが必要ですよね。 コケた時のために、ヒットした時の利益を隠そうとして、 ガイア君のように脱税で召し上げられる…
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