浅井さんは今や人気声優だな
さて、ジュエルス2のメインキャラと、マックロデス2のメインヒロインの声を当てたことで浅井さんも人気声優の仲間入りを果たしたと思う。
「いまじゃ、浅井さんはすっかり人気の声優さんだね。
こんどCDデビューするみたいだし」
「え、そ、そんなことはないですよ。
私なんてまだまだです」
「え、そうかな?」
ちなみに四石琴乃さんや岡畑有希子さんと一緒に出演しているマックロデス2の視聴率も上々だ。
前作のマックロデスは新規アニメ枠の開拓を狙って日曜の午後2時に放送されたせいで視聴率は平均6.4%と振るわなかったが、水曜午後5時30分に放送した系列外の山形テレビでは視聴率36%を記録したり、1984年のオリコン年間ビデオランキングで1位を獲得したりもしている。
このアニメは可変戦闘メカを使って軍隊が圧倒的な戦力を誇る異星人との星間戦争を行い、あっさり登場人物が死んでいったりもすると言ったミリタリー好き向けなハードな要素と、芸能界や三角関係を含めた学園ラブコメ的な恋愛ドラマといったソフトな要素がバランスよく詰まった「カタログアニメ」で、視聴者はミサイルの飛び交う戦闘描写を楽しみたい人でも、美少女との恋愛を楽しみたい人でもどちらでも楽しめるということでもあった。
無論、そういった要素がまぜこぜに成るのを気に入らないという視聴者もいるのはたしかだが。
そしてある意味斬新なストーリーとか、キャラクターの深い掘り下げなどよりも、最初は一般人でそこまですごい操縦テクニックがあるわけでもない主人公が乗る変形するロボットが戦場でミサイルを派手にプッ放して暴れ回り無双して、タイプが違うヒロインに主人公が振り回されて三角関係をしていれば十分視聴率は取れるとも言えることがはっきりわかった作品でもあると思う。
社会的に認知されるほどブームになったガイアックスのエヴァンジェリオンも日常的に接しているキャラはタイプが全く違う女性3人だったしな。
無論それまでのアニメでも女性キャラが出ていなかったわけではないし、人気の女性キャラだっていたわけだけど、女性キャラはあくまでも添え物というかそれで人気を取りに行こうとはしていなかったように思うんだよな。
実際の所人気の声優になれるかどうかというのは主役やメインヒロインとして出演するアニメなどがヒットするかどうかによる所が大きいうえに、80年代以降の60年代生まれ以降はサンデー系漫画のアニメ化作品のヒットもあって、女性声優を目指す人数もぐっと増えているので競争は激しいとは思うけどな。
「これからはゲームにも声が入るのが普通になっていくと思うし、まずはプリンセスプロデューサーのヒロインの声を当ててもらうことになると思うからよろしくね」
「は、はい、任せてください!」
プリンセスプロデューサーのヒロインも魔族との戦争で親を失ったところを勇者に引き取られた女の子という設定なんで多分問題はないと思う。
ただそういう設定に縛られないでもっと違うタイプの声もあてられるようにフォローもして行かないとな。
「そう言えば浅井さんの秋葉原とかのバイトの方も問題ないかな?」
俺がそうきくと浅井さんはコクっとうなずいた。
「あ、はい、大丈夫です。
あ、でも一度お店に来てもらったほうがいいかもしれません」
「それはたしかにそうかもな、経営の状況とかはどうなんだろう」
俺が北条先輩にそうきくと先輩は答えてくれた。
「まあ、経営状況に関しては全く問題ありません。
一風変わった店であることもありますし、秋葉原ではゆっくり飲食を出来る店がそもそも少ないというのもありますしね」
「ん、ならよかった」
「もっとも似たような形態の店を出すところもポツポツでてきているようですけど」
「まあ、儲かると思えばすぐ真似するものだしね」
喫茶店といえばこの頃はブティックとともに脱サラして始めたいお店の代名詞の一つでもあるが、特に60年代から70年代頃は個人経営の店が主流となり、店主のコーヒーに対してこだわりが店の個性として色濃く反映され、「音楽系喫茶」はシャンソン喫茶、ジャズ喫茶、ロック喫茶、歌声喫茶、ロカビリー喫茶、ゴーゴー喫茶など多数の業態の店が誕生していたが、これはLPレコードやその再生装置がまだ個人レベルでは入手が困難であった時代であったことが理由でもあり、80年代には安価なラジカセやCDなどの普及もありこうした音楽鑑賞を中心とした業態の喫茶店の需要は無くなって、1981年(昭和56年)以降は喫茶店はドンドン減少し、ノーパン喫茶が風営法改正で全滅した後はそのテナントが決まらない状態でもあった。
これはファーストフードで安く早くコーヒーが飲めるようになってきたのが大きいだろうと思う。
俺は秋葉原の雑居ビルの中の店の経営そのものには現場で直接口を出しているわけじゃないし、たしかに一度現場を見ておいたほうがたしかにいいかもな。
オーナーとしてではなく客として。




