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産婦人科の買収をして遺棄される新生児を少しでも助けられるようにしようか

 さて、日本では70年代辺りからコインロッカーベイビーのような新生児の遺棄事件が頻発するようになっている。


 これは60年代後半から70年代前半頃は学生闘争などもあり、男女が婚前に同棲生活を行うものが増えていたことが原因でもあった。


 地方から上京してきた若者たちは、安い下宿を借りて、親の仕送りなり自分で働くなりをしながら大学へ通っていた。


 東京などでは60年代から一人世帯が急増し、三畳風呂なしトイレ共同の下宿はそうした大学生などの一人世帯の増加を引き受ける場所だった。


 しかし、下宿の数は70年代前半をピークにしてその後は数は減っていった。


 学生闘争が終演を迎え、オイルショックで仕送りも減り、バイトを探すのも大変になったことで、貧乏な一人暮らしや同棲生活を送るよりも豊かな実家暮らしのほうがよりよい生活やデートができることに若者が気が付き、それまでの反動もあって結婚するまで性行為を行うなどはしたないとされたこともあった。


 なので逆に80年代前半は結婚数は少し増え、むしろ70年代後半から80年代前半は「ひとり暮らしはモテない」というイメージが固着していた。


 とは言えテレビでは深夜のお色気番組が普通に放送され、雑誌でも“クリスマスはカップルで過ごそう“のような記事が増え、貞操観念については「ゆるい人はとてもゆるい」「堅い人はめちゃめちゃ堅い」という極端に分かれる感じにもなっていたから、恋愛と結婚は別と軽い気持ちで性行為をした結果で望まない妊娠をする女性も多く、高校生などの場合は問答無用で退学になったり、大学生などでもでき婚のような妊娠したから結婚するということは親から見たら恥以外の何者でもないことも多かったから人工中絶や新生児の遺棄事件も多かったりする。


 “前”の日本では熊本県の病院が赤ちゃんポストを設置しておよそ5年間で453人の赤ちゃんの命が中絶などから救われたそうだが、首都圏であればそういった件数はもっと多くなるとおもう。


 ちなみに産婦人科は、診療費用が安い割に分娩に伴う設備や夜間にも対応できるように大勢のスタッフを抱えなければならなく、さらに少子化や訴訟リスクの高まりもあって人気がない診療科目になっていくのだが、このころはパチンコ屋、歯医者、産婦人科医は脱税御三家と言われるほど儲かってもいる。


 まあその理由の一つはこの頃の妊娠中絶の件数の多さにあるわけで、その際の費用は安くて10万高ければ50万円以上になる場合もあり、昭和30年(1955年)には約117万件、昭和40年(1965年)には約84万件、昭和55年(1980年)には約60万件だったが、平成2年(1990年)には約46万件、平成29年(2017年)には約16万件まで減少したが、これは平成11年(1999年)に避妊用ピルやアフターピルが解禁されたことなども大きい。


 まあ人工妊娠中絶の件数が減るのは良いことではあるが、きつい割には儲からず訴訟リスクが大きいということで産婦人科医と産婦人科病院はどんどん減少し、出産しようとしても病院のベッドなどの施設がどこの病院も一杯で盥回しされるケースがでてきたりもしたりする。


 もともと優生保護法の制定による中絶の合法化は、日本医師会指定の産婦人科医による「儲かる」中絶手術の実行権独占にあったので、中絶薬という飲んだら流産するという薬が認可されないのは、これも婦人科業界が反対しているから。


 婦人科の開業医の財源のひとつが中絶手術であるから安全で簡単に安く中絶できる薬を使うなど以ての外なわけだ。


 まあその報いと言うべきか中絶手術で母親が死亡したことで産婦人科医はますます訴えられたりするわけだが。


 それはそれとしてこのことも北条先輩に話をしてみようかと思う。


「北条先輩。

 産婦人科医を買収して、中絶や育児が困難といった社会的に孤立した状況にある女性が殺人や遺棄などの犯罪を選択することを防ぐための“命のゆりかご”を作りたいと思うんだけどどうかな」


「うーん、それは儲かりますか?」


「まあ、パチンコ屋、歯医者、産婦人科医は脱税御三家と言われているくらいだから儲かるは儲かると思うよ。

 ただ儲けの元が妊娠中絶手術なのは変えていきたいけどさ。

 育てるのが難しい新生児を病院で保護して、不妊治療をしている子どもが出来ない夫婦に養子縁組をこちらで行ったり、乳児院で育てる代わりにその対価として堕胎手術の代わりに出産や育児費用をもらうとか」


「なるほど、そういう方向性はありかもしれませんわね」


 現状世界一遅れた避妊対策や中絶手術をやっているのが日本で、それは女性や乳児の生命蔑視が理由以外の何物でない環境はやはり変えていくべきだろう。

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