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研修旅行一日目の函館観光は俺には悪くなかった

列車&青函連絡船では観光の時間は取れないとの指摘がありましたので前の話と合わせて移動は飛行機に変更しました。

 さて研修旅行の当日になった。


 一日目の観光のために学校への集合は朝7時で羽田まではバスで移動なんだが、修学旅行は学校へ朝6時前に集合とか始発もないんだけどどうすればいいんだ? なんて言う時間の集合も珍しくなかったりするのはちょっとどうかと思わないでもない。


 まあそれはともかくバスで羽田空港まで移動してあとは函館まで飛行機でひとっ飛びだ。


「新幹線や特急、青函連絡船を使ったほうが飛行機よりは安いらしいんだけどな」


 俺がそう言うと斉藤さんが肩をすくめていった。


「でも移動にかかる時間が長過ぎるようね」


 演歌の津軽海峡雪景色なんかで歌われているように、上野発の夜行急行列車で夜煮上野を出発して12時間ほどかけて翌日に青森に到着というスケジュールはちょっときついが、この時期の日本の航空会社の運賃はまだまだ高い。


 これは格安航空会社の参入がまだで国内の航空機の主要幹線は二つの航空会社が独占しているからだな。


 昭和47年(1972年)7月に発動された、45/47体制、通称”航空憲法”とよばれた、航空機業界の保護政策も1985年に見直しを決定し、厳しい規制を解除して、規制緩和、競争促進へと舵を切ることとなり、それまで一社限定だった国際線への他社への参入や、国内主要線の複数社参入が認められ、また日之本航空の完全民営化と準幹線への参入も決定したことで、「45/47体制」は終焉した。


 もっともLCLも破綻して大手航空会社に吸収合併されたり、民営化の際に首を切られた社員に関しては、国鉄同様に日之本航空の労使紛争はその後長く続くのだけど。


 既得権益と独占にあぐらをかいて料金が高すぎるのもどうかと思うが、競争が激化した結果、企業の採算がどこも取れなくなるというのもまた問題ではあるんだ。


 飛行機はその料金の分は早いのであっという間に函館へ到着した。


 函館は暖流である対馬海流の影響を受けるため比較的暖かい海洋性気候で、北海道内では比較的温暖かつ降雪量が少ない、亜寒帯湿潤気候に分類されている。


 そして函館で有名なのは国内初の西洋式城郭で星形要塞の五稜郭と五稜郭タワー、榎本武揚や土方歳三などの旧幕府軍が新政府軍と戦った箱館戦争だろう。


 五稜郭タワーの高さ自体は大したことは無いが周りに高層建築物がないので思いのほか眺望は良い。


「上から見ると五稜郭が星型なのがよく分かるな」


 俺がそう言うと斉藤さんが頷いた。


「そうね。

 幕末の函館の歴史がわかるのもいいわね」


 まあ五稜郭とか箱館戦争とかにあんまり興味がなさそうな武田くんや千葉さんにはいまいちみたいだけど。


 その後は路面電車の「函館市電」で函館山に移動しロープーウェイで山の上へ上ったり、元町教会群を散策しながら見て回ったり、八幡坂の上から津軽海峡を見下ろしたりしてから今夜宿泊するホテルへ移動。


 テーブルマナー講座を兼ねた夕食はフランス料理のフルコース。


「オフシーズンだから出来る贅沢旅行ってやつかもな」


 俺がそういうと武田くんも頷いた。


「こんなうまい飯が学校の旅行で食えるとは思わなかったな」


 まあ私学だからこそ余裕のある旅行も可能なんだろうし、明治期に一番最初の外国に開放されたことから意外と西洋とのつながりが深い函館ならではでもあるな。


 講師のわりとわかりやすくユーモアのある説明を受けながら、前菜からデザートまで次々に運ばれる本格的なフルコースをゆっくりと2時間ほどかけて味わい、洋食のマナーをしっかりと学ぶことが出来たと思う。


 もっともこう言ったテーブルマナーをまた使う機会があるかどうかは定かではないけど。


 また、同じテーブルに着いた人とコミュニケーションをとりながら食事を進めるという目標も達成できたと思う。


「浅井さんもちゃんと食べられたようで良かったよ」


「あ、あ、はい、ちょっと緊張して大変でしたけど、なんとかなりました」


 そして大浴場の温泉もなかなか良かった。


 もっと函館湯の川温泉の旅館でもあまり経営状況は良くない旅館は結構ありそうだった。


 ここでもやっぱり旅館はホテルに押されているっぽいんだよな。

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