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会長と斎藤さんと上杉先生の誕生日をみんなで祝ったよ

 さて10月は実は、会長と斉藤さんと上杉先生の誕生月で、しかもみな結構日付が近い。


「会長と斎藤さんと先生の誕生日を祝うとして、やっぱ一緒にやったらまずいかな」


 俺がそう言うと朝倉さんがはっきり否定した。


「それはそうです」


 あっさり朝倉さんが言うと明智さんも頷いた。


「誕生日を他人と一纏めにされていい気はしないっすよ」


「ま、まあそうだよな。

 斉藤さんのプレゼントは本、先生は酒だとして会長は何を送ったら喜ぶだろう?

 やっぱ現金かな」


 俺がそう言うと明智さんに一刀両断された。


「いや、それはないっす」


 ウンウンうなずきながら朝倉さんも言う。


「だいたいあの銭ゲバが、今更一万円札の一枚や十枚くらい受け取ったところで、うれしいと思うですか?」


「うーん、会長だと100億くらいケースで用意したら喜ぶかもなぁ」


 最上さんも苦笑しながら言っている。


「あの部屋いっぱいの金塊を見たうえでは多少のことじゃ喜ばないよねー」


 そして朝倉さんがきつい一言を放ってきた。


「あと斉藤さんだから本、先生だから酒というのも安直すぎです。

 もうちょっと本当に喜ぶかどうか考えるべきです」


「うぐ、そ、そうかな」


「そうっすねえ。

 部長は心がこもってないっすよ」


 明智さんがそう言うと最上さんも言った。


「私達はみんなでプレゼントを用意するけど、部長は皆の世話になっているんだからちゃんと心のこもったプレゼントを用意しないとねー」


「ぎゃ、逆に言えばちゃんと心がこもっていれば嬉しいと思います」


 浅井さんがそう言ってフォローしてくれるのはありがたい。


「う、うん、ちょっと考えてみるよ」


 まあ、会長にはめちゃくちゃ仕事を放り投げているし、斎藤さんにもだいぶ負担かけてるし、先生にもだいぶ世話になってるしな。


 そういや去年は結局、斉藤さんの誕生日にプレゼントをしてない気がする。


「斉藤さんにはモンブランの万年筆と地味めなブックカバーかな?

 まだまだシナリオのアイデアはノートへ書き込むことも多いし」


「まあ、それならいいと思うですよ」


 朝倉さんがそう言うと明智さんも頷いてくれた。


「万年筆ならあってもじゃまになって困るものじゃないっすし、ブックカバーも同じ意味で悪くないっすね」


「先生は酒用のグラスとかかな?」


「あ、そういうのも悪くないねー」


 俺の言葉に最上さんが頷いて、浅井さんも頷いてくれた。


「き、きっと喜んでくれると思います」


「一番悩むのが会長だよなぁ……」


「お金はあるから必要なものは自分で買っちゃうだろうしね」


 千葉さんがそう言うが実際、必要なものは、会長は自分で買ってしまうだろうし可愛いものが好きとかそういう感じにも見えない。


「会長も意外と変なところで物を知らないところはあるから、梨狩り、ぶどう狩りとかやってみるのはどうだろう。

 まだギリギリ行けるはず」


「あ、それ意外といいかも?」


 千葉さんが笑顔でいう。


「たしかに会長にはやったことのない新鮮な体験かもしれないっす」


 明智さんがそう言うと浅倉さんも頷いた。


「谷津遊園で梨の首都圏配送サービスはしているけど、梨狩り自体はしてないですからいいかもです」


 というわけで斉藤さんと先生に誕生日は普通にお祝いパーティをして、会長の誕生日は皆で梨狩りぶどう狩りに行くことにした。


 というわけで斉藤さんや先生に誕生日はまあ普通にケーキとかでお祝いしてプレゼントを渡した。


 そして会長の誕生日だ。


「会長の誕生日プレゼントは物のプレゼントじゃなくて、梨狩りぶどう狩りを楽しんでもらいたいと思っているんだけどどうかな?」


「なるほど、それもおもしろそうですわね」


 と、意外とノリノリでのってくれた。


 向かうのは新京成電鉄の新津田沼から電車で30分弱のくぬぎ山駅で降りて徒歩10分の場所にある梨と葡萄の農園だ。


「こういうのは気軽に電車で行けるほうがいいよな」


「ところでぶどう狩りが出来るならワインもあるか?」


「多分あるんじゃないですか」


「うむ、それは楽しみだ」


 うん、先生もこれで良かったか。


 ともかく農園に到着。


「すみません、梨狩りぶどう狩りをお願いします」


「はいはい、一人千円で時間制限はありません。

 また取った葡萄や梨は食べ放題ですよ」


「ところでワインはあるのかな?」


「ええ、別料金でお買い求めいただけます」


 そして会長はビニール袋がかぶせられた葡萄が沢山吊り下がっている棚をみて喜んでいる。


「葡萄はこんなに沢山になるものなのですね」


 ハサミで切って葡萄や梨を手に取り、洗って、無料で借りられる包丁で皮を剥いて、まな板で切り分けて梨を食べられるようにすると、実が大きくとても甘く瑞々しく大変美味しかった。


「自分で取った梨を自分でむいて食べるというのも、またいいものですわね」


「まあ会長が楽しんで喜んでくれるなら、なによりだ」


 葡萄も袋が被せられているから虫に食われることもなく、甘くてうまいが、ちょっと種が多いのが欠点か。


 バーベキューをやってる人達もいるし、弁当持参の人たちもいる。


 ワインや梨や葡萄のジュースも別料金で買える。


 食べる時もテーブルやイスも用意されているけど、ゴザや蚊取り線香の貸し出しもあり、不便もないし、面白いなここ。


 結構人気の場所らしくて人もそこそこ多いけどごみごみしてるわけじゃないし会長を始めとして、皆で新鮮でみずみずしい梨や葡萄を自分たちでとって食べて楽しめたから良かったと思うぜ。

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