テレビ房総で評論家と対談をしたよ
さて、“テレビ房総”は千葉と茨城南部や東京23区、サイタマや神奈川東部が放送範囲のローカルTV局とはいえそれなりの視聴者数を持つテレビ局だ。
そこで、正しい情報分析や将来有益な提案をした評論家や学者などを招いて警鐘を鳴らすような話をする番組を作るということで俺も混じって経済などの話をすることになった。
番組名はド直球に”このままだと日本はやばい”だ。
「さて、本日は前田健二さんとゲストの外橋克人さんの対談となります」
「どうかよろしくおねがいします」
俺がそう言うと外橋克人氏がニコリと笑った。
「こちらこそよろしくおねがいします」
「外橋さんは著書の”幻の「技術一流国」ニッポン”で、いま現在は車や半導体などの技術立国で向かうところ敵なしと言っている日本経済は、実は大量生産・大量消費を前提とした大量生産に依存しているという危険性を抱えていることを指摘されていますね」
「ええ、石油と原子力を主なエネルギー源とし、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン、ジェットエンジンで動く輸送手段によって成り立っている第二次産業革命は、もはや頭打ちだと考えます」
「それは、家電や車などの必要なものは、それを買うことが出来る人には既におおよそ行き渡ってしまったということでしょうか?」
「簡単に言えばそうです。
日本では家電三種の神器といわれたテレビ・洗濯機・冷蔵庫の他に電子炊飯ジャー、掃除機、エアコン、電子レンジ、など持っていないという人は少数だろうと思います」
「そうですね、テレビなんかは一家に一台じゃなくて一人に一台なんて言われていますよね」
「もともと第二次産業革命はアメリカやドイツ、フランスで起きて、その結果、電話やラジオ、映画やテレビが普及し、自動車や家電が大量生産され、化学繊維が普及して衣服を安く手に入れるようになった。
それ自体はとても良いことだと思うが、すでに必要なものを持っている人間は同じものを買う必要がない。
たとえば冷蔵庫の性能が上がったからと言って何度も買い替えたら粗大ごみとして東京湾がそのうち埋め尽くされてしまうのではないかと思いませんか?」
彼の投げかけた質問に俺は頷いた。
「ええ、そうですね。
冷蔵庫も洗濯機もテレビもエアコンも粗大ゴミとして夢の島に投げ捨てられていますもんね」
「そして日本の最大の問題はエネルギーや原材料を輸入に頼りすぎているということだと思います。
すでに忘れ去られているようだけど石油ショックはたかが10年前のことです」
「僕はその時のことはよくわかりませんけど、当時はかなり大変だったようですね」
「それこそ太平洋戦争当時に石油を禁輸されたことを思い出した老人もいただろうと思います。
石油がなければ何も動かせないのだからそれは由々しき事態です。
そして太陽光発電は現在日本が最も積極的であり、総電力量1位で技術力もトップですが、ヨーロッパでも太陽光や風力発電をどんどん取り入れているのです。
太陽光や風力には石油やウランのような燃料は要らないからね」
「なるほど、仰るとおりですね。
日本も燃料電池や地熱発電などの研究も進めているはずですけど」
「これからのエネルギーは分散型でなければいけないし、日本は原発をこれ以上建ててはいけない。
ウランは決して安くないし、使用済み核燃料の処理方法は未だに無いのだから、このコストは最終的にはとてつもなく高く付く」
「僕もそう思います」
「そして日本は重工業中心から脱却しスイスのように観光立国を目指すべきだろうと思います」
「そうですね、僕もそう思います。
しかしながら現在の日本のホテルや旅館はとても観光客が観光の一環として宿泊を楽しむ施設とは言えないのが問題です。
「そうだね。
大量生産大量消費がホテルなどにまで浸透しているのは由々しきことだと思います」
「今年は舞浜のテーマパークや筑波の万博でホテルも順調だと思いますが、だからといってテーマパークやホテル事業などに今から参入するのは危険だと思うんですよね。
60年代のボウリングブームと同じように作りすぎて廃墟になる可能性が高いですし」
「それはもっともな懸念ですね。
むしろ後継者不足が問題になっている農業・漁業・林業に対しての就業も考慮するべきかとは思います」
「本日は有益なお話をありがとうございました」
「いえ、こちらこそ」
そんな感じで俺達の対談は終わった。
「原子力の平和利用」を積極的に推し進めてきた中心人物であるのが現在の首相なわけだが今からでも方針転換することが出来るのだろうか。
彼は首相になる際に「現場からの政治、まず地震対策」と前任の首相から言われていたはずなのだが。
ちなみにチェルノブイリの事故の前のウランの価格は結構高かったのです。
チェルノブイリ事故が起きてからは以前の1割の値段にまで下がったようですけど。




