表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
100/425

高校生クイズの放送をみたが編集にはモヤッとしたな

 さて、8月の終わりに近づいて高校生クイズの放送の日になった。


 ちなみに夏休みの宿題はみんなもう終わっているし、島津さんたちも取材旅行から戻ってきている。


「やはり自分たちで取材して見て回ると色々発見できるな」


 島津さんがそう言うと明智さんのお兄さんも頷いた。


「各地の駅の観光や土産物の特色とかもはっきり出せそうだしな」


 そして毛利さんも満足そうに言う。


「ああ、俺もこれでよりリアルな戦国SLGを作れそうだ」


 三人はそう言ってゲーム制作に取り掛かってくれている。


「皆さんよろしくおねがいしますね。

 できれば毛利さんにはアニメの機動要塞ガンガンや装甲猟兵ズボンズの戦略SLGとか、色々なロボットが集まって敵対組織と戦うゲームも作って欲しいですし」


 俺がそう言うと毛利さんはなるほどと頷いた。


「なるほど、ガンガンやズボンズが好きな人たちなら飛びつきそうだね」


「ええ、そうすればウオーシミュレーションの敷居も下がると思うんです」


 とまあ俺たちもリズムアクションゲームの制作を進めてるけどな。


「要するにシンセサイザキーボードでMIDIをとおして曲をパソコンに打ち込むというのを、逆にパソコンの画面に表示されたものをシンセサイザキーボードに打ち込むと単純に考えればいいです」


 朝倉さんの意見に俺は頷いた。


「ああ、たしかにそうだよな」


 まあこの時代はそういう使い方をゲームでやろうというやつはいないだろうけどな。


 この時代はバンドブームでシンセサイザキーボードの演奏がうまかったら自分でバンドをやろうって考えるのが普通だろう。


 リズムアクションゲームでも最上さんはグラフィックの仕事があるが斉藤さんにシナリオライターとしての出番がないので、彼女には桃の子太郎討鬼伝説のパソコンRPGのシナリオを煮詰めてもらっている。


 ファミコン用アドベンチャーゲームとして中身はかなリ省いていたからこれは結構大事だ。


「ロールプレイングゲームのシナリオを作るのは大変なのね」


「そうなんだよな。

 データ量もアドベンチャーゲームとは桁違いに多いし」


 最初にロールプレイングゲームにチャレンジしなかった大きな理由はそれ。


 コマンド選択式アドベンチャーに比べてフィールドタイプRPGはデータが桁違いに多いんだよな、その分自由度も高いわけだけど。


 落ちものパズルの制作難易度はシューティングゲームと同じくらいで、RPGの制作も基本的なプログラムは難しくないが、村や町にいるモブキャラでも話しかければしゃべるので膨大なテキスト量になるし、イベントを絡めてストーリーをきれいに仕上げた上で、フィールドマップを作るのは大変だ。


 もっともパソコンゲームには既にアクションRPGが主ではあるが、フィールド型のRPGも既に結構あるからそれらを参考にすればいいのは助かるけどな。


 そして高校生クイズのテレビ放送が始まったのでみんなで見ることにする。


「青春真っただ中、みんな燃えているか!!」


「おおーーー!」


「おおー!」


「さて、第4回を迎えた高校生クイズ。

 全国の予選を勝ち抜いた40チームが参加しています。

 参加チームの偏差値は70代から60代後半が多いですが、今年新設された情報処理科で偏差値46の千葉経済高等学校情報処理科チームは男子一人に女子二人の両手に花チーム。

 彼等がどこまで勝ち残れるか期待してください!」


 やはり福止さんが司会だからかこの頃はテレビに映るのがすごいことと思われていたからかテンションが高いし、ちゃんと視聴者から見ても面白いクイズ形式やウルトラクイズのような体力や発想力、運などといった知力以外の要素で左右される形式をちゃんと踏襲してるのもいいんだろう。


「なんか悪意を感じるわね」


 斉藤さんがテレビの画面を見ながらそういって、会長も頷いた。


「私達のチームの偏差値が低いことや男女の混成チームであることを強調しているのは、数少ない例外に入るからでしょうけど、あまりいい気はしませんわね」


 ちなみに第36回2016年の私立灘高校の偏差値79から第37回2017年の私立桜丘高校はカップル優勝で偏差値41と大きく路線変更しすぎて、これはこれで評判が悪かったんだけど。


 前回の第3回の高校生クイズは1984年12月31日放送だけど優勝校の東京都立江戸川高校の偏差値は57だったしこの頃の路線をずっとやってればよかったんだろうけどな。


 「高校生クイズ」というタイトルで思い浮かべるイメージが世代によって違ってしまい、「今年の高校生クイズはクソ、昔のほうが良かった」みたいな声が毎年必ずあがるようになってしまったわけだ。


 まあそりゃはやぶさが大気圏に突入する時の速度を答えよみたいな勉強オタクがわけのわからん問題を一瞬で答えることから、女性のコスメに関してに問題が変われば視聴者も前からの参加者もなんだこれ? ポカーンだわな。


 ただ方向性が知力だけに偏って偏差値60後半から70でないと全国出場すら難しくなりゃ参加者も減るわけだから、純粋な知力路線と知力体力時の運路線に冬夏で分けりゃよかったんじゃないかな?


「さあ、第1問!

 高校名の最後に東・西・南・北のつく高校を、多い順に並べると「東西南北」になる? YESかNOか!」


 問題が発表されるとさっさとどちらかに移動するチームもあれば3人で相談しながら真ん中をウロウロしてるチームなどの画面が移り変わるなかYES・NOコールが大きくなりひびいている。


 で俺たちはYESの方へ入っていっている。


「答えはYES!」


「うわーーーーーーーー」


 喜ぶと絶望が入り混じった歓声が轟くなかで、約半数が脱落するが俺達は勝ち残った。


 準々決勝では3人がそれぞれ知力・体力・時の運担当に別れて挑戦する形式だが、めっちゃ会長が目立って放送されていた。


「これはすごい!

 並み居る男子生徒を寄せ付けず千葉経済高等学校チームがぶっちぎりのトップでゴール!」


 なんか会長の顔がドアップになったり、胸がめちゃくちゃ揺れまくってたし、画面上のそれに釘付けになってる男も多そうだけど。


「なんかカメラワークに悪意を感じますわね」


「まあ、そんなことでも法律違反とかじゃなけりゃ視聴率がとれりゃいいんだろ」


 俺と斉藤さんはちょこっと写っただけだが、見ていて面白い絵でもないしな。


 特に黙々とペーパーテストに回答をしている図なんて見ていても視聴者には面白くは見えないだろう。


 準決勝の前にカラオケ採点による敗者復活戦があったが、ここまで来るとクイズ関係なくねという気もするが、この頃の高校生クイズというのはそういうものだったんだな。


 放送枠が2時間ということもあって結構カットされてる部分もここまでは多かった。


 流石に準決勝の勝ち抜け早押しクイズでは編集やカットはあまりなかったが、決勝戦の10ポイント先制早押しクイズでは、俺達は最初に独走しかけた部分はカットされて接戦になった部分でうまく編集されていて最初から最後まで接戦という風に放映された。


「優勝おめでとうございます!」


 福止さんが俺にマイクを向けてくる場面で”なんと優勝は偏差値46の千葉経済高等学校情報処理科!”と流されていた。


「これで来年は参加者がどっと増えるかもな」


 俺がそう言うと会長が首を傾げながら聞いてきた。


「なぜですの?」


「偏差値が低くても優勝できるなら自分たちが参加しても優勝できるかもって思うだろ」


 俺はそう答えるとなんとなく不服そうな斉藤さんもTV局の意図は理解したようだ。


「なるほど、そういうわけなのね」


「多分だけどな、実際は俺と会長と斎藤さんだけの平均で見れば余裕で偏差値70超えてそうだけど、そんな事は言わないほうがいいと判断したんだろう」


 まあ、テレビにとって、そういう編集をするのはあくまで視聴者参加型のバラエティ番組なので受けやすいように編集して放送するのは当然でもあるんだろうけど、あんまりやりすぎも良くはないんじゃないかな?


「どうでもいいことですけど、美少女二人と一緒に出場して優勝までしてた部長は全国の男から爆発して死ねと思われてるですよ」


 朝倉さんがそう言ってきた。


「え、そうなの?!」


 そうすると千葉さんが笑っていう。


「そりゃそうでしょう」


「そんなもんかな?」


 まあ、これで俺達の顔や名前は全国に知られたな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ