表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10万部突破【書籍④巻&COMIC②巻発売中】五歳で、竜の王弟殿下の花嫁になりました  作者: あや


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

60/812

手に入らない月のように



「フェリス様はあまり大声で笑う方ではないのですか?」


昨日、そういえば、フェリス様に大笑いされちゃった……。

摘んできた薔薇を喜んでくれたし、なんだか

フェリス様がとっても楽しそうだからいっか、と想っちゃったけど。

(いいのか?)


「そうですねぇ。普段、あまりそういう方ではないですね。

氷の美貌と称されてはおりますが、フェリス様は、私共、家の者には大変お優しい方ですので、

その渾名はどうなんでしょう? とは思ってるのですが」


「ですよね! お優しいですよね、フェリス様!」


わーい、同志!!


そうだ。


フェリス様に影のように寄り添う随身のレイとか、

フェリス様の恩師のランス先生とかを、

勝手に心で推し仲間と認定してたけど、

やはり、推しのお話は、女子と熱く語らなくては、では!?


推しの素晴らしさを語りながら、

女子会でアフタヌーンティなど頂く、

そういう前世で憧れたリア充(???)的なことをぜひしたい!


「はい。変わり者だとか、冷たいとか、いろいろなことを言われますが、

うちのフェリス様はとてもお優しい方で、私共は密かに自慢に思っております」


「本当です。奉公に出た男爵のうちで手籠めにされかけて

泣きながら逃げたって子もいるそうなんですよ」


「え。それは、犯罪として立証せねば…」


朝から女子との推し話に喜んでたレティシアは、

びっくりな話をリタから聞いて、やや目が覚める。


「ええ。ディアナではそういうことは少ないんですけど、おかしな殿方って、

いますからね、やはり…。私なんて、うちのフェリス様が、いつの日か、

人間に恋をなさることはあるのかしら、てこちらで呑気に暮らしてましたけど」


御鏡の前に、レティシア様、髪を梳かしましょうと促して、リタが優しい手で髪を梳かしてくれる。


「人間にって……、フェリス様、あんなにお美しいのに」


「そうですねぇ……、フェリス様は天にある月のような方、誰にも手に入らない憧れ、と

ディアナの社交界では言われてます。ですので、ディアナのどんなご令嬢も御婦人も、

きっと心ひそかにレティシア様のことを羨ましく思ってらっしゃいますよ」


「いつの世も、女性の目は厳しいもの。レティシア様の正式なお披露目となる結婚式まで、

まだ暫く時がありますから、私共はりきってレティシア様を磨き上げて差し上げねば。

きっと、皆がフェリス様の花嫁を一目見たがりますからね」


「…それは…気が…遠くなりますね…」


「は。すみません。余計なお喋りが過ぎましたね。どうか、怯えないで下さいね。

何といっても、フェリス様がレティシア様を選ばれたのですから」


うう。

そこ、フェリス様の意志で、レティシアを選んだ訳ではないと思うけど。

(それなのに、充分、よくして頂いてるけど)


推しのフェリス様が人気なのは嬉しいけど、

ちび花嫁としては、それはなかなか、責任重大に感じるなあ……。


そんな人気者の王弟殿下との結婚とは、ぜんぜん予想してなかった……。

「好き」「趣味似てるかも」「面白いかも」「続き気になる」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします。作者のモチベーションも上がりますので、ぜひよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 5歳児に未遂とはいえ手籠めなんて話を聞かせるのはどうかと思います [一言] マリウスが、いい人過ぎて幸せを祈ってしまいます。いつかレーヴェの声が届くといいなぁ。 マグダレーナの心をレテ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ