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@ クソゲヱリミックス! @ [√6連載中]  作者: キラワケ
第十三章 気になる彼女は○○○で×××で。
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第350話 √3-2 気になる彼女は○○○で×××で。

 はっきり言うと、スキャンダル。

 スキャンダルじゃなくてキャンドルだったらどんなに良かったか。だとしても俺の高校生命はロウソクの僅かな炎のごとく風前のともしびなのかもしれないが。

 この藍浜高校はメディア戦争よろしくに新聞部が乱立している。その中で通が選ぶとか言われているのが「非公式新聞部」が発行する「アイパマ新聞」だ。

 実に正確な情報だが、その危険度は高い。取材の難易度などにおいて群を抜いてトップクラスの記事を掲載し、少数発行ということで裏では高値で取引が噂されており、なかなかにブラックな代物ともいえる。

 で、見出し一面にだ。


『生徒会役員Y氏が、同学年女子にセクハラ行為!?』


 Y氏と濁してはいるが、俺に至っては棒線すら入っておらず特定してくださいと、言わんばかりだった。

 言う程には出回らなかったらしいが、やはり一部には俺がしでかしたことが伝わり、露骨に避けられもした。

 そして、姫城さんの手に渡ったのが致命傷で……もう説明するのも嫌だ。更には、


「最悪の展開ですわ……」

 

 生徒会室からまたまた離脱し、怒りと恥辱に肩を震わせる彼女。


「何か言う事はありませんの」

「…………」

「あなたが軽率な行動をしたが為に、このようなことになったのですよ」

「…………」


 その情報が届かない訳はないもので。

 俺は何も言う事は出来なかった。不貞腐れた訳ではなく、とにかく申し訳ない気持ちで、俺は深く頭を下げ続けていた。

 きっと俺の薄っぺらい謝罪の言葉なんて、怒りを増幅させる結果にしかならないことも理解している。


「……今後、一切私に関わらないでください」


 もしこれがゲームならば……てかゲームか。

 既にバッドエンド確定で、俺の印象は地を突き抜けて地球の裏側に辿りついているのかもしれない。

 あまりにも悪いことが重なり過ぎた。

 どこからかやり直せたらと、思う。最初の出会いが大失敗だった。

 せめて、そこからでもリセット出来るのなら――


 思ってしまっても、それは所詮叶わない。

 この現実とゲームの混ざった世界は、ゲームでも有り現実でも有る。リセットボタンなんて俺は持ち合わせていないのだ――




「へ?」

「どういうことです……か?」


 俺は昼休みに生徒会に呼び出され、生徒会室を訪れると彼女、クランナも呼び出されたようで、俺の顔を見るなり背けてしまった。

 そんな中で生徒会室で待っていたのは、粉うことなき身長や風格に似合わない合法ロリこと生徒会長だった。


「だーかーらー、これからの生徒会活動はシモノとクランナはコンビってこと!」


 指をグッとして言う会長に、クランナは早速反論をする。


「か、生徒会長! なんで、こんな男などと!」


 まあ、間違ってないよなあ。


「同じ一年組だからね! クラスも違うらしいし、ここで仲良くなった方が生徒会活動が円滑に出来るかなあ、って」

「……それは会長がですか?」

「うんっ、チサはユイと組みたいって言ってたし、これでいいんじゃないかな?」


 あまりにもマトモ過ぎる理由に、俺はつい疑いをこめて聞いてみる。


「いやいや、この流れだとユイと福島が組むべきなんじゃないですか?」

「書記権限だから仕方ないのよー、でミナはシモノと組みたがってたけど、我慢してもらったの」


 ……あの姉貴なら、そう言うだろうな。姉貴がしかし俺絡みで我慢とは、


「副会長と姉の間で葛藤しながら、血の涙を流さんばかりにお願いされたよ……怖かった。お願いされちゃったし、副会長権限も発動してるし」


 こええってレベルじゃない。それごときを我慢するだけで葛藤された時点で、弟こと俺は相当に恐い。


「あの……出来れば、この男と組みたくはありません。変えていただけませんか?」


 クランナは副会長権限発動のそれを聞いてもなお、食い下がる。正直俺も離してくれた方がいい、俺はいいとしてもクランナとしては最大限の不快の塊と行動を共にする訳だからな。

 ……俺も、気が重いのもある。それならもともと不本意で入れられた生徒会を抜けるべきなのだが、今度は副会長兼姉貴がどんな反応するのかを想像できない、したくない。

 それと、ゴミカスのような責任感で今までやってきてもいる。これからも生徒会活動を行うというならば、俺とクランナは真っ先に離すべきで――


「承認――却下!」

「「!?」」


 フェイントもいいところだった。


「シモノはもともとパシリみたいのだから、意見は無し。クランナも雑務で入ったんだから、だーめ」

「ぐ……」


 クランナもそれには意見出来ない。この生徒会構造が全く不明だが、本人が「雑務でも!」と言って入って生徒会なだけに、それは言い返せない。

 俺は、以下略。


「とにかく、よろしくね二人とも」


 まさに子供のような笑顔を向ける会長なのだが、それは悪魔の笑みにしか見えなかった。




「……仕方ありません。会長がああ、仰る以上は」

「……ああ、そうだな」


 俺はどちらかと言えば、チサさんや姉貴の方が怖い。


「あくまで、生徒会活動だけですわ――許したつもりは微塵にもありませんから」

「分かってる」

「分かってるって……ふざけていますの!?」

「俺が、どれだけクランナに酷いことをしたのを理解してるから……不快かもしれないが、これからはよろしく頼む」

「……っ、わ、分かりましたわ」


 そうして、会長主導の行動組が決定した。

 まずは体育祭、一部三年生の修学旅行の打ち合わせも有るらしい、文化祭やら――

 仕事は盛りだくさんで、俺の最低評価からのクランナとの生徒会活動が始まった。


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