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@ クソゲヱリミックス! @ [√6連載中]  作者: キラワケ
第十ニ章 O:オリジナルV:ビジュアルA:アフター
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第342話 √2-OVA1 ユウジ×ヨーコ

ヨーコアフターです。キャラ薄いのがなんともなあ。

 

「そんなこともあったなー」

「楽しかったです」


 そうして二人歩いていると、俺はいつの間にか本屋を通り過ぎていた。

 思い出話に花を咲かせすぎたようだ。


「すまん、じゃ俺はここで」

「そうですか? それではユウジ様、また明日学校で」

「ああ」


 と引き返そうとしたところで、呼び止めるように、


「あ、そういえばですね」

「ん?」


「私はその後日の出来事も楽しかったですよ?」


 …………ああ。あれかぁ、うん。楽しかったな、うんうん。

 口外出来ないような出来事だからな、なんと言うべきか――プレイ第二弾?


「それではユウジ様――」

「っ」


 そしてキス。マイが振り向き際に近寄ってからマイの唇と俺の唇が触れ合った。

 不意の出来事に驚いてしまうが、笑顔で買い物袋を提げ、落ち始める夕日を背にするマイは、素晴らしく綺麗だった。


「ああ」 


 俺はしばらくマイの後ろ姿を見送っていた。




 本屋を漁り、適当にラノベを摘まんで帰宅する。

 

「(一日で二回もキスしてしまうとは)」


 ちゅっちゅしてんじゃねーぞ、と言われそうだ……申し開きもできない。

 買ったラノベの入った小さいビニール袋を提げながら家の門をくぐった。


「おかえりー、ユウ」

「おかえりじゃー」


 小さい家族の一員二人に出迎えられる。サ○エさん言うな……まあ二人は何故か毎回出迎えにいるのだが、教えてないんだけどな。


「そういや、ヨーコも桐もなんで俺の帰るタイミングにいるんだ?」

「私は桐に聞いてるよ」


 ヨーコは首を横に振る。まあ、二人セットだもんな。


「じゃあ、桐はあれか? わしの二十の能力が~とかか?」

「いや、お主の行動は大体推測できるからの。使う必要もないのう」

「まてや、俺を遠まわしに思考が単純な奴って言ってないか!?」

「単に生徒会や寄り道の日程から考えてるだけじゃ……それで今日は、マイと接触したな?」

「う」


 ここまで言い当てられると怖いものがある。

 

「ふーん、ユウは女の子と一緒にいたんだ」


 ジト目のヨーコに睨まれた。


「いやいや、学校行けば必然的にそうなるって」

「……唇が通常より二割七分湿っておるな」


 もはや気持ちの悪いレベルだ、それは。正確性は知らないがお前は湿度計か。


「まさかユウ……」

「ユウジ、まさかのう?」

「…………」


 この二人にマイとのキスの事実を悟られると色々と面倒臭い。

 桐は「なら、わしにもする義務があるじゃろう?」とせがんで来るし。ヨーコには、


「……三股許したわけじゃないんだからぁー!」


 涙目で怒られた。凄まじい罪悪感が……うおう。

 そうだよなー、俺は一応三股してるようなもん、じゃなくて事実してるんだよなあ。


「いや、わしも入れれば四股」

「桐はどっかすっこんでろ……いやな、これはだな――」

「罰として、今日一日はユウ独占!」


 そんなこと? 休日は大体似たようなものな気がするんだけども。

 まあ、ヨーコがいいならいいか。


「えー、わしは」

「……わかった、了解しましたよオジョウサマ」


 ヨーコの機嫌が少しばかり回復する。


「うん、うん」

「……わしは不遇な気がするのじゃが、どうじゃろう」

「日頃の行いじゃないかな? ……ヨーコ、じゃあ最初は――」

「一緒にテレビみよう!」


 家に上がると「ちょ」と言った顔で固まる桐を置いて居間へと向かった。




 俺が今のテレビの前に座ると、


「ヨーコ、ここが定位置なのな」

「当たり前じゃん、ユウは今は背もたれ」

「……人の扱いじゃねえ」


 あぐらをかく俺の足の上へといつも座るのだ。

 桐よりだいぶ背も高いので、ヨーコの頭頂部で視界が遮られるのだが体は細いので少し逸らせば画面は普通に見える……が、首が疲れる。


「……ヨーコ、斜めにしていい?」

「だめ」

「……さようですか」


 テレビを見ることを諦め、ヨーコに話しかけることにする。


「ヨーコは一日どうだった?」

「昼ドラ堪能してた」


 ……ホニさんの影響受けてるなあ。 

 ホニさんの中から昼ドラはしっかり見ていて、知らぬ間にハマっていたと本人談。


「じゃあユウは?」

「俺? ああ、朝に姉貴に追いかけられてな」

「……そういえばそうだったね」

「あとはフツーに授業受けて、生徒会活動して、商店街に寄り道してきた」

「その帰りに、マイさんだっけ? 女の子に会ったと」

「……まあ、そうっすね」


 ヨーコの勘も鋭さ増してるなあ。また不機嫌になる、ヨーコにとって他の女の子はダメらしい。


「ユウ、覚えてる? 私と春にデートしたよね」

「商店街とか廻ったんだっけ?」

「うん、楽しかったなー」

「だなー」


 そう、あれは春先の春休みの日のこと。

 ホニさんが居なくなって三か月が経ったその頃だった。




√2OVA ユウジとヨーコ


  


「デートしよっか」

「は?」


 俺がぼんやりとテレビを鑑賞していた矢先の出来事。

 俺が自室にいると決まってヨーコは俺の隣に陣取り、並んでそこにいるのだ。

 時折テレビに食い付き話題を吹っかけて独り時間は終了を迎えるのだが、それほど嫌でもないのでヨーコのおももくままとなっている。


 この発言の背景には少々今までとの差異があることを知っていた。まずは俺の部屋にはいつも、いつの間にかいるパターンや、無了承入室を決め込むパターンの二種なのだが──


『お、お邪魔します』


 礼儀知らずまでは行かないが、ここまで礼儀正しい印象のヨーコは史上初めてだ。 更に、


『…………』


 時々座り直したり、こちらを伺ってきたり、なんというか落ち着きがない。

 はた目の顔は良く見れば紅潮し緊張しているようにも見受けられる。

 ホニさんならまだしも、ヨーコがこのような仕草を繰り出すのには違和感こそあれば、なかなかのギャップ萌えがある。


 というような経緯を経ての発言であると俺は認識せざるを得ないわけで、先ほどまでらしくない沈黙に支配されていたこともあって、返答第一声はそんな驚きになってしまった。


「で……どうかな?」

「いいんじゃないか? ようするに買い物だろ」

「デ・ー・ト! ユウは相変わらず乙女心に疎いんだか」

「……そりゃ認めざるを得ないわ」

「認めないでよ! ……私が近くにいるんだから、少しは強くなってよね」


 ……たまにヨーコは恥ずかしいこと言うのな。


「デートね、いつにすんの?」

「こ、今度の休日に!」

「了解ー、で何処に? 町出るか?」

「ううん、私にお任せでね」

「はいよ、じゃあお願いしますよヨーコお嬢様」

「楽しみにしててよね!」


 そう言って立ち上がると俺の部屋を出て行った。

 ということでヨーコとデートすることになった。

 ただ、言えることは――俺が「いつにすんの?」と聞いてからのヨーコの嬉しがりようと言ったら。


 可愛いなあ、と。

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