エピローグ
事件から数日後。
カタリナは王宮の私室で、いつものように背筋を伸ばしながら書類を整理していた。
しかし今日は、心の余裕が違う。
処分は取り消され、無実が証明されたのだ。
「ふぅ……やっと、落ち着いたわね」
窓から差し込む光が、漆黒の縦ロールをやさしく照らす。
15cmのヒールを履いても、もう転ぶ心配はほとんどない。
昨日までは、転ぶたびに笑われて落ち込んでいたが、今は安心して歩ける。
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廊下を歩く足音。
「お嬢様、お届けものです」
セシルが颯爽と現れ、手に小さな箱を持っていた。
箱の中には、カタリナの好きな花の香りの入浴剤やチョコレート(もちろんカタリナが食べられる安全なもの)が入っている。
「え、なにこれ……」
カタリナが驚くと、セシルは真っ赤になりながらも説明する。
「お嬢様……事件解決のお祝いに。少し、甘い気分になってほしくて……」
カタリナはくすっと笑う。
「ありがとう、セシル……あなたって、本当に……」
その言葉で、セシルの胸がじんわり熱くなる。
思わず手を差し伸べ、軽く握る。
「お嬢様、いつでも甘えてください。
私が、ずっとそばにいます」
「……うん」
カタリナは小さく頷き、肩を寄せる。
二人の距離は、もうぎこちなくない。
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庭で手をつなぐ二人。
咲き誇る花々を背景に、セシルは少し照れながらも真剣な表情でカタリナを見つめる。
「お嬢様……これからも、ずっとお傍にいさせてください」
「……はい?」
セシルはゆっくりと膝をつき、小さな箱を取り出す。
中には美しい婚約指輪。
「お嬢様、婚約を……私と、していただけませんか?」
カタリナは一瞬驚き、次に笑顔を浮かべる。
「もちろんです、セシル!
私も……ずっと一緒にいたい」
二人の距離が一気に縮まり、手を取り合う。
咲く花々の中、微笑みと小さな赤面が混ざる甘いひととき。
事件は終わり、リリアの悪事も明らかになった。
そして二人は、守り合う日常と、未来への約束を胸に、幸せに歩き出すのだった。
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最後まで読んでくださりありがとうございます!無事簡潔です




