表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
BREAKERZ - 奇っ怪な能力で神を討つ  作者: Maw
自警部•体育祭編
250/271

異能闘技 - 水瀬 友紀㊶

美澄みすみ「異能闘技、3年生女子の部、1回戦第1試合を行います。対戦者は白線の円の中に入ってください」



突然追加されたプログラム5番“異能闘技”。


1年生、2年生の試合を経て、ついに3年生の出番がやって来た。


最初は戸惑っていた美澄みすみさんも慣れてきたのか、テキパキとした司会でプログラムを進行させている。


謎のプログラムである異能闘技、ルールは至ってシンプルなものだった。


グラウンドの中央に描かれた白い円の中で1対1の対決をする。


勝利条件は相手を円の外に出すか、行動不能にさせること。


行動範囲が制限された喧嘩のようなものだと言えばわかりやすいだろうか。反則行為などは一切なく、コートの外に出なければ何をしても良い。


ただ相手を倒すのみ。


まぁ競技の名前からして、どんなものか何となくわかっていたけど。


昼休みが終わってグラウンドに集合した直後、僕ら生徒は異能闘技についてのルールを説明された。


朝礼台に立った御影みかげ教頭と雲龍うんりゅう校長によって。


急遽プログラムを追加したのは間違いなく彼女だろう。というか勝手に予定を変えるなんてこと、普通の先生の独断ではできない。


政府から来た2人の思惑は手に取るようにわかる。


異能闘技を通じて、新たな特質持ちや神憑かみつき、その他の能力者を見つけたいんだ。


政府にとって使えそうな能力者がいれば懐柔して利用しようと考えているんじゃないかな。


実際琉蓮(りゅうれん)は、一度どこかに連れて行かれたことがある。


あるいは、未把握の能力者を見つけて監視しておきたいとか。


とにかく、純粋に体育祭を楽しんでもらおうとは考えてないと思う。


生徒同士を喧嘩させるとか普通に危ないし…。


御影みかげ「1、2年生はただの不良の喧嘩だったわね。能力を持つ生徒はいないのかしら? それとも隠れている?」


1年生と2年生の試合を終えた今、御影みかげ教頭は面白くなさそうな顔をしてこちらを見ていた。


男子の部は不良っぽい人の喧嘩や、空手や柔道などの武道をやってる人の取っ組み合いって感じで、女子の部はほとんどがジャンケンとかで勝敗を決めていた。


たまにめちゃくちゃ仲が悪いのか、髪の毛の引っ張り合いみたいなことが起こってたけど…。


どの試合も能力が使われているようには思えなかった。


そして、今から始まる3年生の異能闘技。


どうなるんだろう? 新しい能力者なんて出て来るのだろうか。


ともあれ、僕ら3年生の試合は結構見応えのあるものにはなりそうだ。本人たちのモチベーション次第ではあるけど。


ひな、怪我しないでね」


涙目になりながらひなさんの手を握る彼女の友達。


姫崎ひめさき「そんなことより、さっきのうちの言動とノートの中身に関する記憶は脳みそから抹消しといて欲しい。未来永劫思い出したらあかん」


3年生女子の部、1回戦第1試合に出場するのは、赤組の姫崎ひめさきひなさん。


読みが同じ苗字であるロベリアの姫咲ひめさきさんの誘いによって、彼女は出場することになった。


ひなさんは出るのを嫌がってたみたいなんだけど…。



姫崎ひめさき『うちがお前嫌いなの、お前知ってるはず。お前の頼み聞くわけないやろ』


姫咲ひめさき『ふぅん、じゃあさっきの皆にバラしとくね! 時間ないからさっさと来てほしいんだけど』


姫崎ひめさき『むぅ…! 陰湿なキャピキャピ女!』



生徒指導室での2人のやり取りはとてもギスギスしていた。


ひなさん、僕に勢い余って僕に頭突きしてきた時もロベリアが嫌いって言ってたな。


姫咲ひめさき『私だってあんたに頼むの嫌なんだけど。強いから仕方なくよ! なんでこんな……チビでおかっぱでダサい子に、私が絡んであげないといけないわけ?』


意地悪な笑顔でひなさんを見下ろす姫咲ひめさきさん。


お互いめちゃくちゃ嫌ってるみたいだ。


とてもじゃないけど、この場には居られない。あれだけ集まってきていた人たちも居なくなっていた。


姫崎ひめさき『上辺の友達しかいない見てくれだけのキャピキャピ女。どうせ休みの日は、使い古したくっさいアワビでパパ活してんねやろ?』


ひなさん、凄いヤバいこと言ってるよ。さっきの一人二役のやつの方がまだマシだった。


姫咲ひめさき姫崎ひめさきひな…!』


姫崎ひめさき姫咲ひめさき紫苑あざみ…!』


2人はお互いの名前を苦々しく口にしながら額をぶつけて睨み合った。


樹神こだま『お、俺そろそろグラウンド戻るわぁ…。昼休み終わるし、早く行かな先生に怒られるぅ…』


獅子王ししおう『ぼ、僕もゴリラの友達から電話があって…』


日下部くさかべ『僕も失礼するよ。午後のプログラムが始まる前に焼き芋を食べて放屁ファートを補給しておかないとね…』


剣崎けんざき『で、では私も…。皆の衆、私を置いていかないでくれ』


樹神こだまがそろりと出て行ったのを皮切りに、みんな言い訳がましいことを呟きながら居なくなってしまった。


BREAKERZブレイカーズ”で残ったのは、僕と気絶した琉蓮りゅうれん、再起不能になった的場まとばの3人だけ。


朧月おぼろづきくんもいつの間にか居なくなっている。


他に残っているのは…。


美澄みすみ『2人とも!』


バチバチな雰囲気になってる2人に割って入る美澄みすみさん。


美澄みすみ『仲良くして! 同じチームでしょ』


額を押し付け合っていた2人は彼女を横目に、渋々といった感じで距離をとる。


姫咲ひめさき『はいはい…、仲良くするわよ』


姫咲ひめさきさんは、美澄みすみさんの目を見ず不服そうにそう言った。


対して、ひなさんは顔を持ち上げた姿勢のままそっと離れた姫咲ひめさきさんをしばらくの間、睨んでいた。


まぁこんな感じで言い合いは収まって、今に至るんだけど…。



姫崎ひめさき「なんでうちがあいつの頼みを…!」



美澄みすみさんにも頼まれる形で出場したひなさんは、白い円の中で眉間にしわを寄せ口を尖らせている。


出場はしたものの、かなり不満そうだ。


1回戦第1試合は赤組のひなさんと…。



ひゅうぅぅぅぅ~~…



晴れた夏の日にそぐわない冷たい風が頬を撫でる。


雰囲気が……空気が変わったような気がした。


グラウンドに描かれた白い円に向かっていくひなさんの対戦相手。


駄弁ったりはしゃいだりしてザワついていたみんなも急に静かになって、彼女を見つめる。



霊園れいえん「頃合いだ。今の……我の力を」



冷たい声でそう呟き、円内に入る霊園れいえんさん。


場の空気を変えたのは彼女に違いない。


やっぱり何かしらの能力を持っているのか…? 今は友達だと思っているけど、能力持ちなら身構えてしまう。


意外とやる気のある霊園れいえんさんと、めっぽう機嫌の悪いひなさんのマッチアップ。



蟻本ありもと「ふっ…、これは勝ったやろ。ウチの勘は外れてない。女子の部は紫組が1位を貰うで!」



霊園れいえんさんが放つ冷たいオーラを感じている蟻本ありもとさんは、勝利を期待していた。


美澄みすみ「それでは3年生女子の部、1回戦第1試合を始めます」


お互いに構えを取らずに向かい合う2人。



松坂まつさか「よーい…!」


パン!



白い円の外からピストルを上に向けて撃つ松坂まつさか先生。


ピストルの音が試合開始の合図だ。


だけど、まだお互い1歩も動かずに見合っている。


「あの小さい子、めっちゃ強いらしいぞ?」


「あぁ俺見てたよ。文月ふづきと組んで僧頭そうとうっていう神憑かみつきを倒してた」


「あの細い子も何か持ってるよな。オーラが違う」


見合う2人について囁き合う生徒たち。


霊園れいえんさんはそんな僕らを一瞥いちべつしてから…。



霊園れいえん「テレビとやらで見た“霊長類最強の高速タックル”…!」


ガシッ



え、まさかの武闘派? そんな冷たいオーラ出しといて? 氷とか操る異能じゃないの?


霊園れいえんさんは鈍い動きで走り出し、ひなさんの腰にしがみついた。


タックルというよりは、ただ変な体勢で腰に抱きついたって感じだけど。


姫崎ひめさき「いや、何しとん?」


霊園れいえん「…………! 矮小わいしょうな女よ、何故倒れない?」


彼女は至って真剣なタックルを繰り出していたみたいだ。


いや、もしかしたらひなさんが強すぎたのかもしれない。相手が違えば有効なタックルになったのかも…?



ガシッ!


姫崎ひめさき「ふんっ!」



タックルを受けたひなさんも黙ってはいなかった。


彼女はしがみ付いてきた霊園れいえんさんの脇腹を掴んで、思いきり持ち上げた。


霊園れいえん「な……何を? 離せ!」


足をバタつかせる霊園れいえんさん。


そして…、



姫崎ひめさき「ふんふんふんふんふんふんふんふんっ!!」



ひなさんは自分を軸に高速でくるくると回り出した。


霊園れいえん「あ゛あ゛あぁぁぁぁぁ……」


霊園れいえんさんのか細い叫び声は、冷たい風の音に掻き消される。


目が回るどころの話じゃない。


もうこれ勝負ありで良いんじゃない?

止めないと死ぬかも。


試合終了の合図は松坂まつさか先生のピストルに託されている。


だけど、先生は心配そうな顔をして戦況を見守っているだけだ。


異能闘技はルール上、白い円の外に出るか、行動不能にならないと勝負は決まらない。


先生1人の判断で試合を終わらせるのって難しいと思うけど、これは…。



姫崎ひめさき「ふんふんふんふんふんふんふんふんっ!!」



死んでしまう…!


回るひなさんを中心に、つむじ風みたいなのが起こってるし。



姫崎ひめさき「ふうぅぅん゛っ!!」


「あっ……!」



僕が声を出して手を伸ばした頃には遅かった。


ひなさんは、ぶんぶんと回していた霊園れいえんさんを思い切り投げ飛ばしたんだ。


霊園れいえんさんの身体は緑色の防球ネットを越えて、近隣の田んぼに頭から突き刺さった。



パン!



乾いたピストルの音。


冷たい空気が元に戻る。


やりすぎだ、ひなさん!


霊園れいえんさんに何の恨みが…!


美澄みすみ「し、勝者…。赤組の姫崎ひめさきひなさん…!」


美澄みすみさんの震える声が反響する。


「す、すげぇ…!」


「け、けど、あの子大丈夫か?」


感心と心配が生徒たちの中で入り混じっているのがわかる。


蟻本ありもと「何なんあの子、全然使えへんやん! どこが高速タックルやねん、トロすぎやろ。やる気一丁前なんは良いけど、他に能力あるなら使わんかい!」


パラパラとした拍手がひなさんに送られる中、怒った蟻本ありもとさんはプログラム表を叩きつけた。


蟻本ありもと「こんなことなら、ウチが出てた方が…」


溜め息を吐いて落ち込む彼女とは対照的に、ひなさんは勝ったぞと言わんばかりに拳を空に掲げている。


ひなさん、僕は君をそのままにしてはおけない。君は普通の人より遙かに強いんだ。


このままだといつか人を殺めてしまう。


霊園れいえんさんの安否を確認した後で、ひなさんには話をしないと…。



ザッ!



そう思っていた矢先のことだ。


生徒指導室で再起不能になっていたはずの的場まとばがやって来て、白い円の中に入った。


顔面はボロボロ、動けているのが不思議なくらいだ。


姫崎ひめさき「うっ…! バケモノ!」


ひなさん、それはヒドい。君が彼を化け物に変えたんだよ。


原形なさすぎて自分が殴った的場まとばだとわからないのかな?


バケモノと呼ばれた的場まとばだったけど、全く意に介さず真剣な表情で彼女の肩を掴んだ。


的場まとばひなたん、さっきのはあかん! ひなたんは強い。大いなる力には大いなる責任が伴うんじゃ!! 後、結婚してくれぇ!」


僕が伝えたかったこと、彼は最後のやつを除いておおかた言ってくれた。


だけど…、


姫崎ひめさき「触るな、ケダモノ!」


バキッ!


ひなさんには響かなかったみたいだ。


的場まとば「ノオオォォォン♡」


顔面を殴られて吹き飛ぶ的場まとば。何処か嬉しそうに見えるのは気のせいだろうか。


霊園れいえんさんとひなさんの戦いは、かなり危険だった。


それに比べて他の試合は安心して見られたよ。ほとんどジャンケンで勝敗を決めていたから。


そして2回戦、ひなさんは黄組の沼倉ぬまくらさんと当たった。


彼女もロベリアの1人だ。1回戦、沼倉ぬまくらさんはジャンケンではなくちょっと変わった方法で勝利を収めていた。


わかりにくいけど、多分あれは彼女の特質だ。


沼倉ぬまくら「女の子はアタシに()()()()って思ってたんだけど、そんなことなかったわ」


ふんわりとした口調で話しながらひなさんに近づく沼倉ぬまくらさん。



ギュッ


沼倉ぬまくら「ただ()()()()()ってだけ」



棒立ちでじっとしているひなさんに、彼女は優しく抱きついた。


そう、これが沼倉ぬまくらさんの特質。恐らくハグをトリガーに発動させている。


ハグをされた人は、何故か妄信的に沼倉ぬまくらさんの言うことを聞くようになるんだ。


詳しいことはわからないけど、人の精神に関与する能力なのかな?


沼倉ぬまくらひなちゃん、アタシの勝ちよ。アナタはもう沼ってる」


姫崎ひめさき「ヌマッてる? 今どきの言葉?」


首を傾げるひなさんに対し、彼女は恍惚とした表情を浮かべて話を続けた。


沼倉ぬまくら「アタシのこと好きでしょ?」


姫崎ひめさき「いや、別に。ていうかクソほど嫌い」


沼倉ぬまくら「照れ臭いのね。ツンツンしててかわいい。私はひなちゃんのこと大好きよ」


ハグをしている沼倉ぬまくらさんからは見えないんだろう。


眉間にしわを寄せて青筋を立てているひなさんの怒りの表情が…。


あれはツンデレとかじゃなくてマジで怒ってる。


沼倉ぬまくら「アタシ、黄組の人に勝たなきゃ酷いコトをするって脅されてるの。アタシ、とても怖くて…。負けてくれたら一生アナタに尽くすわ。だから、お願い」


姫崎ひめさき「じゃあ、ぶっ飛ばして良い? 負けて酷いコトされれば良いと思う」


沼倉ぬまくら「え…? マジで沼ってない?」


違和感を覚えたのか、ハグをやめてひなさんの顔色を確認する沼倉ぬまくらさん。


彼女の怒りに満ちた表情を見て、全く効いてないと気づいたようだ。


沼倉ぬまくら「え、嘘? なんで? 個体差? 嫌われているから?」


ハグで沼らないのは予想外だったのだろうか。焦りに焦った彼女は…。


沼倉ぬまくら「チューなら、チューなら効くわよね?! ひなちゃん、チューしましょ! チューーー!!」


タコみたいな口をして、もの凄い速さでひなさんの顔に迫っていった。


ハグができる至近距離であの速さのキス攻撃、普通の女子なら絶対避けられないと思う。


だけど、今回は相手が悪すぎた。



姫崎ひめさき「キモいわ!!」


バチイィン!



沼倉ぬまくらさんの至近距離高速キスを上回る速度でひなさんはビンタを繰り出し、彼女を身体ごと地面に叩きつけた。



パン!



試合終了を知らせるピストルの音。


美澄みすみ「勝者、赤組の姫崎ひめさきひなさん! 決勝戦進出です!」


気を失ったのか沼倉ぬまくらさんはうつ伏せに倒れたまま動かない。


姫崎ひめさき「地面とチューしてろ」


ひなさんはまたも拳を空に掲げた。


「なんかあの子、かっこいいぞ?」


「キャーーー!! ひなさまぁ!! 弟子にしてください!」


一部の男女から人気を獲得しつつあるみたいだ。


そして、決勝戦の相手は緑組…、ひなさんの友達だった。


たまたまジャンケンで勝って決勝まで来てしまったらしい。


「ひ、ひな…。わ…私、全然負けでも良いよ? ピストル鳴ったら外に出るね?」


賢明な判断だと思う。

僕でもそうするよ。怖いから。


風とか水とか使ってもぶっちゃけ勝てる気がしない。


パン!


「ピストル鳴ったから出るね。ひな、優勝おめでとう!」


穏やかに微笑む彼女は、ひなさんに背中を向け円から出ようとしていた。


あの笑顔に嘘はない。友達が1位になることが素直に嬉しいんだと思う。


だけど…、



姫崎ひめさき「逃がさない」


ガシッ


「え…?」



ひなさんは容赦なかった。


白い円から出ようとしたすんでの所で、彼女は友達を羽交い締めにしバックドロップを繰り出したのだ。


当然KO勝ちなんだけど何もしなくても勝てたはず。なんで、あんなことを…。


ひな、何してんの?! 負けるって言ったじゃない!」


もう1人の友達が泣きながらひなさんに訴えかけた。


姫崎ひめさき「これは勝負。仕方のないこと」


彼女はいつものように口をとんがらせてそう返す。


「いや、だから……円の外に出ようとしてたじゃん!」


姫崎ひめさき「不意打ちしてくると思った。振り向き様にションベン攻撃……とか」


「しないよ、そんなこと!」


沼倉ぬまくらさんのこともあって、警戒心が強くなっていたのかもしれないな。


でも、友達にバックドロップは…。

和解できると良いけど。


女子の部はひなさんの独壇場だった。



美澄みすみ「赤組、姫崎ひめさきひなさん。優勝おめでとうございます。次は3年生男子の部に入ります」



今度は男子の出番だ。


出場する人の名前をざっと見たけど、武道をやってる人や喧嘩の強そうな不良がほとんどだった。


昼休みの終わり際、たくさんの人が僕らの勧誘に来たけど、“BREAKERZブレイカーズ”から出るのは青組のれいと橙組の日下部くさかべの2人だけ。


赤組の琉蓮りゅうれんは競技に出られるメンタルじゃない。


僕は青組で、れいが出ると言ってくれたから出なくて良くなった。


同じ理由であきら日下部くさかべが出るから出ない。


緑組の的場まとばもとても出られる状態じゃない。樹神こだまはやる気なさそうだし、地面に勢いつけて埋まらないとただの人だ。


紫組の朧月おぼろづきくんはいつの間にか消えていたし。


後は、すめらぎ不知火しらぬいかな。今日、彼らとは話してない。


異能闘技とは言っても、結局ほとんどが能力を持たない普通の人たちの試合だった。


3年生男子の部、1回戦がもうすぐ始まる。


トーナメント表はランダムで組まれたんだろうけど…。


れい日下部くさかべ、恐らく能力を持っているのはこの2人だけだ。


その2人が奇しくも1回戦で当たることとなっていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ