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BREAKERZ - 奇っ怪な能力で神を討つ  作者: Maw
RESET Project編
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総力戦 - 新庄 篤史②

「うおおおぉぉぉぉぉ!」


俺は両手でバットを握り締め、5メートル先にいるPlantプラントへ向かって駆けだした。


P「うぅっ…、黒花帝国ブロ・エンパイア闇骸一揆ダーク・レボルト!」


奴は何となくだけど嫌そうな表情をしながら、英語みてぇな言葉を発する。


シュッ……!


ザクッ!


P「あ゛あ゛ぁぁぁ! やっぱりこうなるのかよ!」


その直後、両手の指を突き刺したPlant(プラント)は目を細めて歯を食いしばった。


何が起こっているのか俺にはわからねぇ。ただ、今の英語みてぇなのって、奴の技か何かなんだろ?


多分だけどよ、今いきなり視界の左隅に入ってきたゆうが特質ってので守ってくれてんだ。


俺からしたら足元の周りに黒いブロッコリーがいきなり現れただけだけど。


それを踏ん付けさせて滑らせる技? いや、奴は殺しに来てるんだ。本当はもっとヤベぇ攻撃に決まってる。


ゆうがいねぇと、とっくに死んでるかもしれねぇな。


「ありがとうな、ゆう! あんまりわかってねぇけど、助けてくれてるってのはわかってるぜ!」


俺は視界の隅でこちらを見つめてくるゆうに礼を言いながら、足を止めずにPlant(プラント)へと迫る。


P「あの陰キャラ、データにないからわからない…! 数打ちゃいつか当たるのかぁ?! 闇骸一揆ダーク・レボルトおぉ!」


奴がまた英語みてぇな技名を発すると当時に、視界にいたゆうは音もなく消えた。


シュッ……!


ザクッ!


P「クソオォッ! もう一度!」


シュッ……!


ザクッ!


P「あ゛あ゛っ…! もう……1度……!」


シュッ……!


ザクッ!


奴が声を発するたび、ゆうは現れては消えてを繰り返す。そして、Plant(プラント)の顔は声を発するたび、苦しそうな表情へと変わっていった。


俺はゆうと“じいちゃん2世”を信じてただただ突き進む! あいつが苦しそうな顔をしているのは、ゆうの技が効いているに違いねぇ。


シュッ……! ザクッ! シュッ……! ザクッ!


シュッ……! ザクッ! シュッ……! ザクッ!


シュッ……! ザクッ! シュッ……! ザクッ!


ゆうが現れては消えるを繰り返すほど、Plant(プラント)が苦しそうな顔をすればするほど、そして……、俺が進めば進むほど、足元にある黒いブロッコリーが増えていった。


踏んで転けねぇように注意を払いながら走り、後数歩でバットが届く間合いに差しかかる。



「カミナリ……」



俺は走りながら、奴のデカい頭を目いっぱい叩けるようバットを大きく振り上げた。


後2、3歩踏み込めば奴に届く!


「大根ぎ……!」


P「チッ…! 壁となれ__黒花帝国(ブロ・エンパイア)


また訳のわからねぇ英語か!


奴が舌打ちをし、技名らしきものを発した瞬間だった。



ズドオオォォォォォォン!!



「うわっ!」


俺は勢いよく現れたそれに対し、反射的に飛び退いた。


俺と奴の間に5メートルくらいの……黒いブロッコリーで合ってるか…?


それが3本ほど横並びに生えてきて、奴に対する俺の攻撃を阻害。


だけど、このデカすぎる腐ってそうなブロッコリーに戸惑ってる暇なんかねぇ!


俺はバットを振り上げた体勢から、すぐにバットを横に構え直す。


横並びに生えている真ん中のブロッコリー目がけて、俺は新技を繰り出した。



「カミナリ回転切り!」



新技って言うか、さっき裸の集団にやった奴なんだけどな…。名前が今決まったから実質新技みてぇなもんだ。


俺はバットを横に振り切った勢いに任せて身体ごと一回転させる。



バキッ!



5メートルのブロッコリーは横方向に傾き、左側のブロッコリーを巻き込むように倒れ込んだ。


俺は振り返ることなく、切り株みてぇになった真ん中のブロッコリーを飛び越えてPlant(プラント)の頭をかち割ろうとバットを振り上げる。


後ろは確認しねぇ。ゆうはきっと着いて来れてる! 信頼って奴だ、何となくそう思うんだ!


この切り株みてぇなブロッコリーのすぐ先に奴がいると思っていた。何も考えずに振り下ろしたバットは空を切る。


いない? さっきここらで指を突き刺してたじゃねぇか。


ダダダダッ!


そう思った瞬間、後ろから大量の足音が聞こえてきて俺は振り返った。


奴ら、裸の集団がこのリング内に次々となだれ込んでくる。


なんでだよ! 相討ちにならねぇように距離とってたんじゃなかったのか!



P「ハッハッハ! こいつらが入ってこねぇのは、俺を中心に半径10メートル以内のところだけなんだよ!」



前方で奴の声がしてそっちを見るけど、後ろからもわんさか来てやがる…。


あいつ、いつの間にあんな遠くに行ってんだよ。クソッ、人の足の速さと比べても仕方ねぇか。


こいつら、元々人間でも何でもねぇんだ。


裸の集団は相手にしなくていい。ゆうと一緒に走ってもう一回、奴に近づけば問題ねぇ!


「うおおおぉぉぉぉぉ!」


俺は地面を蹴り飛ばし、再び奴の元へ駆けだした。


遠目であんまりわかんねぇけど、奴は多分余裕そうな顔で、地面に右手の5本指を地面に突き刺してこう言う。


P「俺、面倒くせぇし痛いからお前らとの戦い降りるわ。精々そいつらに殺されてくれよ」


「俺のダチ殺そうとして…。勝手なこと言うんじゃねぇ!」


もちろん俺は今、全速力で走っている。だけど、奴の言葉を聞いてこれ以上ないくらいに足に力が入った。


俺は多分、普段の全速力よりも速く走っている。奴を()()()()()と一緒にぶっ叩くという気持ちを込めて!


P「全く熱いな。パチンコ……ってそれさっき言ったか。とりあえず、戦う気ねぇんだわ……じゃあな」




P「黒花帝国ブロ・エンパイア万里不落之森フォート・フォレスト


ゴゴゴゴゴ……




「は? 何だよこれ!」


俺は地鳴りと共に生えてくる大量の巨大ブロッコリーの前に足を止めた。て言うか、止めざるを得なかったって感じだ。


さっきと同じく、大体高さは5メートルくらい。だけど、ツヤッツヤだ。そんな黒いブロッコリーが俺の前に立ちはだかった。


一応、人が通れる隙間はあるけど、走り抜けるのは無理だ。だけど、走り抜けねぇと裸の集団に追いつかれちまう…!


薙ぎ倒しながら進むか? それでも追いつかれることに変わりはない。


P「だから、言っただろぉ? もう戦わねぇって」


敷き詰められたブロッコリーの奥から聞こえてくるPlant(プラント)の声。


「くそおぉぉっ!」


俺は悔しさと自分の無力さから、思わず声を上げる。


俺はちらっと後ろを確認した。もうすぐそこまで来てやがる。


普通ならよぉ、とりあえずこいつらと戦おうするんだろうな。


でも俺……、普通じゃねぇんだわ。


俺は立ちはだかるブロッコリーに向かって突っ走った。そして、1つずつバットで薙ぎ倒していく。


たとえ無理だとしても、あいつをぶっ飛ばさねぇとダチは守れねぇ! こんないくらでもいる奴らをぶちぶち潰しても意味ねぇんだよ!


1番上の指揮ってる奴らを倒さない限り、奴らは動き続けるんだ。逆に上の奴らを降参させればこいつらは戦うのを止めるかもしれねぇ。


「うおおおぉぉぉぉぉ! ブロッコリー、退きやがれえぇ!」


ガンッ! ガンッ! ガンッ!


俺は1本につきだいたい3発くらい殴って倒していく。さっき薙ぎ倒したブロッコリーより硬い。


でも、後ろなんか気にしてる場合じゃねぇ。気合いだ、気合いで何とかするしかねぇんだ!




朧月おぼろづき「………落ち着いて」


「うおっ!? またかよ! ビックリさせんなって!」




夢中にブロッコリーを殴っている真後ろからいきなり声を掛けてくるゆう


俺は飛び上がり、咄嗟に後ろに振り向いたんだけど……、



「ゆ、ゆう……後ろ……」



驚かされたことより遥かにヤベぇ状況だってことに気づく。


裸の奴らの無数の手がゆうや俺に向かって伸びてきていたんだ。


こんな状況にも関わらず、彼はいっさい表情を変えずに俺を見つめる。


そして、ぽんと軽く俺の肩に手を置いてきた。



朧月おぼろづき「ちょっと………酔うかも………。()()()()



何言ってんのかわかんねぇけど、無数の手がゆうの服に……!


「お、おい…!」






……………。






あれ? どうなったんだ?


さっき服掴もうとしていたあの集団は?


俺の肩に手を置いていたゆうはいつの間にか隣にいて……、そして……、


俺は目の前に何かが座っている気がして視線を下げた。



P「は? え? は? な、何を……どうやって?」



そこには、人間でいうところの口らしき部分をぽかんと開けて狼狽うろたえているPlant(プラント)が。


…………。



………………!



俺はようやく状況を理解して、すかさずバットを振り上げた。


多分だけど、隣にいるゆうがここまで連れてきてくれたんだろう。


ありがとうな、ゆう。お陰でりょうやみんなをこの手で守れる!


P「クソッ! こうなったら仕方ない! Destroy(デストロイ)兄貴、すまねぇ!」


歯を食いしばるこいつに向かって俺はバットを思い切り振り下ろす。


朧月おぼろづき「…………! 待って……!」


微かにゆうの声が聞こえた気がするけど、躊躇しなかった。目の前に敵がいて攻撃しないわけがない。



「カミナリ大根切りいぃ!」



だけどこのとき俺は、ゆうの言葉は正しかったのかもしれねぇとちょっとばかし思っていた。


奴は悔しそうな表情を浮かべてこう言ったんだ。




P「放散__死蝕毒素(ヘドロフォラファン)



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