表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
水の道  博士ちゃんJCが迷い込んだ大江戸で水を持ってくる物語  作者: Kくぼ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/49

第二十七話 今回の水の道は、川を川が渡る、上下水道の2本です。ウフフフフ。

 鈴木がまた手を挙げた。この男は頭が回るようだ。後で片倉に聞いたら若手筆頭の有望株らしい。


「いくつかあるのですが、まず城や大名屋敷、今幕府が埋め立てをして街にしようとしている日比谷から地図の下側にあたるところで井戸から水が出るようにしないと生活が発展しないと思うのですが」


「その通りです」


 舞湖は軽快に答える。そこを説明しないと本当の目的が分かりにくいので助かる質問です。舞湖は失敗しないで結果を出したいのです。だって知識があるのに失敗したら私がこの時代に紛れ込んだ意味がないと思っています。とは言っても舞湖の知識は図書館の知識に過ぎません。こういった会話ができる人はありがたいのです。


「それでは神田川の水をどうやって城下へ運ぶのでしょう?運搬するのでしょうか?その場合ですが、神田川は大川へ合流するようにこの地図では見えますが、大川の水が逆流すると海水が混ざり飲めなくなってしまうのではないでしょうか?」


 舞湖は驚いた。そこまで気付いているとは。なかなかやるぜ鈴木さん。


「どれから答えましょうかね。片倉様、昨日の要の話ですが、今鈴木さんの質問の中に答えがあります」


 片倉は全然わかっていなさそうでキョトンとしている。まあこの人はお金と人を出してくれればいいので構わないのだけどご機嫌は取っておいた方がいいと酷いことを考えている舞湖だった。昨日寝られなかったって言ってたから教えちゃいましょう。


「片倉様、昨日の場所には堰を作ります。神田川に海水が混ざらないように、満潮時や何かあった時のために。ですので要と申し上げました」


「そういうことですか。わかり申した。そこにはこの中から誰かつけましょう」


 簡単に言うと逆流防止だ。海に近い川は海水が潮の満ち引きで川を遡り、そのせいで飲み水として使えなくなる。大川は実際飲み水としては使えないし、大川にこれから流れ込む神田川も危ないのだ。舞湖が作ろうとしている堰は落差とダムのような壁+水門だった。それに使う石を今川久保が調達中だ。


 舞湖は次にどれを答えようか悩んだ。実はあちこちで工事を行うのだが順番がある。間違えると大変なことになってしまうのだがそれを今説明するのは難しい。全部説明しない方が問題が起きない気がしている。良かれと思って勝手に工事進める人が出てくる危険があるのだ。


「では次に答えるのは城下へ水を運ぶ方法にしますね。ええと、原理は置いておきますが神田川の上を水が渡ります」


「?????????」


 場が無言になる。そうだよねえ。5歳の時に何気なく聞いた水道橋はなんで水道橋と言うのか?の答えはまさしく水道の橋があったのだ。それも不思議なことに水道橋の駅から御茶ノ水方面へ坂を登ったところにあったという。舞湖は中学生になってから何度もその跡地を訪れている。


 舞湖はどうしてもわからなかった事がありました。なんで坂の上なのかです。川を坂の上にわざわざ上げるってどういう事?小石川は水道橋の駅の辺りまで来ていたというのだから真っ直ぐ行けばいいのになんで坂の上まで水を上げなければならなかったのか?どうやって水を坂の上まで運んだのか?


 その答えはお友達の芽衣ちゃんがサクッと答えてくれました。


「真っ直ぐいくと渡った先の高さが低くてそこから上手く水が流れないんじゃないかな?多分だけど。それと水の高さは昨日の理科の実験でやったじゃん。あれよ、あれ」


 その時はふーんと納得したふりをした舞湖ですが、まさか自分でやる事になろうとは!ホント芽衣ちゃんは神です。もう会えないだろうけど会えたらおまんじゅうプレゼントしなきゃです。舞湖は今回自分で一から考えた時にどうして坂の上にしたのかがわかった気がしています。それは、


「そのまま神田川を渡るのではなく、この位置まで水を持ち上げて神田川を渡らせます。理由は神田川の水位が上がるとこっちの川が飲み込まれてしまうからです」


 一同おおおおっと感動だか感心だかわからないが声が出ています。ぼちぼちお腹がいっぱいでしょう。いきなりこんな話聞いてもわからないだろうし。ところがここで玉井が手を挙げました。


「神田川を水が渡るのはわかりました。ですが、なんでそんな大変な事をしなければいけないのですか?神田川の水をそのまま城へ流せばいいかと」


 そうなのです。普通はそう考えるよね、玉井君、君はまともだよ。舞湖も初めてこの事を本で読んだ時に同じ疑問を思った事を思いだしました。ちゃんと理由があったのです。


「上水と下水を分けるのです。大江戸の発展のために!」


 みんなキョトンとしています。川久保だけが頷いています。川久保は小石川の医療所で水道橋の実験をしていました。それは上水として城下へ水を運ぶためです。


「おいおい説明します。まずはみんなで溜池に移動します。ぼちぼち中村様が作業を終えた頃でしょう」


 太田が図面をしまい、玉井は皆の道案内をしています。舞湖は片倉と一緒に御一行の最後尾を歩いて溜池へ向かいました。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ