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 翌日学校の教室に到着した僕が見た光景。


 それは絶頂だった僕をどん底へ突き落す瞬間。


 そこから僕は学校でも居場所を失って、僅か数畳の世界に閉じこもる。


 そんな残酷な過去を、見るはずだった。


「おはよう」

「おはよにゃー!」

「おっはよー!」

 視界が明るい。

 僕にかけられる声や、表情だって全部明るい。

 絶望する要素なんて何一つない。


「あ、あれ?」

 いつもなら、僕は過去を最後まで見るはずなのに。

 どうして途中で切れたんだろう?

 嫌な過去だから、途切れて都合はいいんだけども……。


「どうしたのタロ君」

「い、いや……、その……」

「……隠し事?」

 僕は心配かけないように、どうにか誤魔化そうとした。

 しかし、三番目の大陸で史上最強のスキルを隠し続けた結果を思い出した僕は……。


「ううん! そうじゃないよ!」

 慌てて首を横に振りながらそう言うと。


「いつも大陸から大陸へ移動する時、転生前の夢を見るんだけども……」

「ふむふむ」

「そうにゃのか?」

「ほえー」

「今回は途中で終わったんだ」

 今悩んでいる事や、大陸間で僕に起きている事を隠さず話した。


「きっとクス子が騒いでいたからにゃ」

「あー! あたしのせいじゃないよー! まふにゃんが海鳥さん見て大声だしたからだよー!」

「ち、ちがうにゃ! まるまる太ってておいしそうだって思っただけにゃ!」

「えっ、食べるの!?」

「違うにゃ?」

 二人は顔を赤くしながら言い合っている。


「あははっ!」

 仲裁に入るべきかなとも思ったけれど、そんな二人が可愛くってなんだか微笑ましくって。

 僕はリリィお姉ちゃんの膝の上へ横になったままお腹を抱えて笑った。


「笑い事じゃないにゃ!」

「笑い事じゃないよっ!」

「ご、ごめん。……夢が途切れた理由は分からないけど、別にどうってことはないから安心して」

「それならいいにゃ」

「うんうんっ」

 二人とも、本当は僕の事を心配してくれていた。

 さっき可愛いって思ったのはやりとりもそうだけど、そういう気持ちがあったからなんだろうな。


「タロ君」

「うん?」

「ずっと一緒だからね」

「お姉ちゃん……」

 そしてリリィお姉ちゃんだってそう思っている。

 僕はこんなに愛されている。


「リリィおねえばっかりずるいにゃ! おいらもタロにくっつくにゃー!」

「あたしもー!」

「み、みんな……。苦しいよぅ……」

 感慨深いに気持ちに浸っている中。

 僕は三人の女の子たちにくっつかれて呼吸がし辛かった。

 でも、この瞬間がいつまでも続けばいいと心から願った。


 異世界へ転生して良かったと、心から思った。

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