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 目の前が真っ暗だ。

 目を開けても……、暗さは変わらないや。


 ってあれ、目が開く?

 死んだんじゃなかったのかな?


 僕は自分の体を自分で触った。

 傷が無い……、じゃあ生きてる?

 クス子のお陰……かな。


「……ここ、どこだ?」

 薄暗くてよく見えないけれど……。

 ごつごつとした石壁に、これは……鉄格子?

 じゃあここは牢獄の中?


「お姉ちゃん! まふにゃん! クス子!」

 呼びかけに対して、いつもの優しい声や元気な声は無い。

 ……叫んでも僕の声が反響するだけだ。


「誰も居ない……」

 リリィお姉ちゃんも、まふにゃんも、クス子も居ない。

 僕だけ生き残った……?

 嘘でしょ……?


「お前は……!」

 困惑している僕の前に一人の男が明かりを持って現れる。


「目が覚めたようだな」

 騎士団副長!

 何故こいつがここに……?


「これはどういう事だ! 僕は死んだんじゃないのか! 僕の仲間はどこへやった!」

 僕は必死の思いで問いかけた。

 だがそれに答える声は無く、副長の傍に居た騎士達は僕と視線を合わさずに牢獄の扉を開けると、中へ入って僕の腕へ手枷をつけた。


「ついてこい。全ては君の思い通りになる」

 カチャリと手枷の鍵をかけられると、厳格な雰囲気のままそう一言だけ告げられ、僕は騎士達に無言のまま急かされながら牢から出ていき、訳もわからないままどこかへ連れていかれてしまった。



「ここって……」

「粗相のないようにしてくれ。さもないと、君の命は保証出来ない」

 連れていかれた場所。

 そこは、僕が騎士団副長と対峙し、僕を慕ってくれる女の子達が戦った謁見の間の前にある広間だった。


「陛下、連れてまいりました」

 謁見の間に通じる扉が……、開いていく……?

 こんな繋がれた状態で、国王と出会うの?

 すべては君の思い通りって……、どういう意味?


 僕は困惑し足を止めていたが、扉が開ききると同時に再び騎士達に背中を押されてしまった。

 だから僕は、周りを見ながらも歩いていき、謁見の間へと入っていく。


 そして、そこへ入った僕が見たものは……。


「リリィお姉ちゃん! まふにゃん! クス子!」

 赤いマントを羽織った兵士がずらっと並んでいる様子と、玉座に座りながら退屈そうに頬杖をつきながらこちらを見ている若い国王と、僕が今まで苦楽を共にしてきた三人の女性の姿があった。 


「良かった……、みんな無事だったんだ」

 みんな元気そうで何よりだ。

 あれだけの戦いをして、いっぱい傷ついたのに本当に何もなさそうで良かった。


 この時僕は安心すると共に、ある事に気づく。


 あれ、みんなには手枷とか足枷とか付いてない……よな。

 どうして、僕だけ手枷をつけられているんだ?

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