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 翌日。


 城門前の建物の影に隠れた僕たちは、そこから顔だけだして様子をうかがった。


「見張りが二人……」

 門の両脇には、いかつい槍を持った重装兵が一人ずつ。

 この大陸を統治する王様が居る城だから、見張りは居るのは予想通りとして……。


「どうする? タロ君」

 あんないかにも強そうなのを相手にしていたら、キリが無い。


「お姉ちゃんの魔法であそこの壁を壊して、注意がそっちに向いたら門から入ろう」

 だからここは、なるべく戦うことを避けつつ王様が居る部屋へ行こう。

 多分、僕の予想通りなら、”玉座が置いてある謁見の間”みたいな場所に居るはず。


「うん、分かった」

 リリィお姉ちゃんは優しい笑顔で頷くと、真剣な表情で目を閉じた。


 そして、両手を何もない場所へかざすと、門がある場所から少し離れた城壁が爆発した。

 重装兵達はそちらへと向かっていき、城門の見張りは誰も居なくなってしまった。


「うまくいったね」

「今のうちに行こう」

 よし、作戦は成功だ。

 今なら簡単に中へ行ける。


 僕はそう思いながら全員に視線で合図を送ると、城の中へと入っていった。


 難なく城内への侵入に成功した僕たち。

 ”侵入者”の突然の来訪は、城内で働いていた執事やメイドや文官の人達を驚かせてしまう。

 僕たちはそんな人々を無視し、やたら幅が広くて長い階段を上っていく。


「侵入者だ!」

「捕らえろー!」

 当然、城内を見回っていた兵士も居て、僕たちと遭遇する事もあった。


「ていやー!!」

「うぎゃぁっ!?」

 だが、騎士団の連中や門を守っていた重装兵とは異なり軽装だったため、まふにゃんのまるで猫のようにしなやかで軽やかな動きから繰り出す体術によって、難なく倒す事が出来た。


 こうして城内も無事に進むことが出来、いよいよ謁見の間に通じる、ひと際派手な装飾の扉が見えた時だった。


「ほう、やはりお前達か」

 扉の前には、僕たちを滅んだ町に運んだ、騎士団副長が待ち構えていた。


「我が主君に会って何をする気だ?」

 口調こそは穏やかだった。

 でも、少しでも変な事をすれば一瞬のうちに斬り捨てられてしまうという感じがした。


「黒穢病とは何なのか、消えた町人がどこに行ったか、王様のスキルについて……聞きたい」

 だから僕は、一切誤魔化さずに打ち明けた。


「どれもお前達には知らなくていい事ばかりだ。お引き取り願おう」

 だが騎士団副長は、鋭い眼差しを向けたままそう告げるだけだった。


「いやだ! クス子のためにも会って聞くまでは帰れない!」

 たとえ拒絶されても、僕は引けないよ……。

 だって、僕の事を本当に期待して、そして思ってくれる人の願いだもの。


「そうか、ならここで死ね!」

 僕たちの交渉は決裂した。

 その瞬間、騎士団副長はさらに鋭い眼光を僕たちへ向けながら、拳に血管が浮き出るほど強くサーベルの持ち手を握った。

 僕はそんな彼の気迫に圧されようと、体を少し前のめりにした。


「チェストォォォォオオオオッッッ!!!!!!」

 騎士団副長は、サーベルの持ち手を握ったまま、猛然とこちらへ向かってくる。

 まずい、このままじゃあの人の居合斬りにやられてしまう!!

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