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「旅芸人さんっ!」

 クスクスちゃんは住んでいた町の浄化を終えると、いつもの元気いっぱいな笑顔で僕の方を向いて……。


「衣装貰っちゃったし……。あたしも、あなたの仲間入りかな?」

 少し大げさにくるりと回り、短いスカートの裾と結った髪を揺らしながらそう告げた。


 クスクスちゃんは可愛いし、能力的にもすごい役立つ。

 だからそんな人が僕と一緒に来てくれるのはとっても嬉しい。


「うん、そうだね」

 僕はそう思いながら、胸の高鳴りを抑えつつ彼女を受け入れた。

 まずは、今まで勘違いしている事を訂正しないと……。


「でも、僕らは旅芸人じゃないんだ」

「ええっ! そうなの!?」

 そう言っても、やっぱり信じて貰えないよね。

 やっぱり、今までの出来事を話さないとかな?


 僕はリリィお姉ちゃんやまふにゃんの方を見た。

 二人とも、笑顔で一つだけ頷いてくれた。


 だから僕は、クスクスちゃんに今までにあった出来事を話した。



「なるほどー、そうだったのかー」

「うん」

 僕が今までの旅の事を話し終えた時、クスクスちゃんも何か思うところはあったのか、腕を組んで大きく頷いていた。


「そうだっ! あたしにも何かいい呼び名考えてっ!」

 確かに今までの流れだと、クスクス”ちゃん”では……ってなるからねえ。

 呼び名かぁ……、何かあるかな。


「リリィお姉ちゃん、まふにゃん、何かいい名前ある?」

 僕はぱっと思いつかなかったので、二人にも聞いてみる事にした。


「そうねえ」

「何がいいかにゃ~?」

「わくわく……」

 真剣に考えてくれている。

 どんな呼び名を言ってくれるんだろう?


「クゥちゃんとかどうかな?」

 見た目は大人っぽくて綺麗な人なのに、可愛い事を言うお姉ちゃん。

 なんだか……イイッ!!

 すごくイイ!!!


「うーん……、ちょっと……」

「あら、残念ねえ」

 だが、クスクスちゃんはあまり気に入っていないようだ。


「おいらと同じで、くすにゃんじゃ駄目にゃ?」

 安直……いや素直なところは、とてもまふにゃんらしい。

 くすにゃんって語呂も、凄くいいかも。

 でも……。


「にゃんだらけになっちゃうね」

「うにゃぁ~」

 主人公まりあに猫要素は無いからなぁ……。

 まふにゃんとかぶっちゃうし、やめた方がいいかも。


「むむう……」

 二人は再び悩んでしまった。

 どうにか僕も力になりたいと強く願いながら考えた。


「じゃ、じゃあ、クス子なんてどうかな?」

 そうやって思いついた名前は、衣装の元となったキャラクターが、一時期自身の名前をコンプレックスに感じてしまい、まり子と呼んで欲しいと言っていた内容を思い出した事から付けたものだった。


「…………」

「…………」

「…………」

 だが、僕が呼び名を言った途端、三人とも何とも言えない表情をしている。


「やっぱ駄目……?」

 なんで黙っちゃうの、めっちゃ気まずいよ!

 し、失敗だったかな……!


「あたしはそれでいいよっ!」

「私もタロ君のがいいな」

「タロの命名は最高だからにゃ! それにするにゃ!」

 いいのかっ!

 なんだかべた褒めされてるし!

 ま、まあ本人が気に入っているならいいのかな……。


 こうして新たな仲間も増えた僕たちは、王が居る場所へと歩き出した。

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